2003/07/20　きたはらいく　新宿 タワーレコード（インストア）

アルバム「…そして、理解を」のプロモーションイベント。前日は、同じくタワレコの渋谷店「STAGE ONE」でやったそうで、タワレコ2連戦。しかし、新宿店は文字通りのインストア。「かなり雰囲気が違いますね〜」とのこと。

この日のステージはピアノ弾き語り。もともと、弾き語りのデモテープが注目されてそのままCD化されてしまった…という人なので、これが本来のスタイルということになる。きたはらいくさんといえば、シングル「からだをぬいで」を聴いていたので、独特の自由に跳ねるようなリズムの曲のイメージが強かったのだけど、この日演奏したのは、いずれもミディアム系のわりとおとなしい感じの曲がメインだった。唯一、最後に演奏した「初めて自分で作った曲」というのが、多少それらしいリズムとブルースっぽいフィーリングを感じさせたけど、リハーサルで歌っていた「ディッダンドゥ」など、これぞきたはらいく！…という曲が本編ではなくなっていたので、ちょっと意外に感じてしまった。もちろん、ミディアムの曲でも十分彼女の個性は感じられたけど…。この日即売していたアルバムは、個人的には未聴だったので分からないけど、比較的おとなしい曲が多く収録されているのかな？
さて、演奏内容自体は、それでも十分アピールするものだったと思う。よく通るはっきりした声質と発声。4曲目で突如ピッチを乱していた以外は、しっかりした歌唱だったと思う。弾き語りだけでなく、他の楽器を加えてもおもしろい曲を書く人だと思うので、もっといろんな編成で見てみたいと思った。まる顔にくっきり眉毛が印象的。5曲、約30分。

開演15時→終演15時30分。

2003/07/19　Ett　新宿 タワーレコード（インストア）

「エット」と発音します。名古屋をベースに活動している男女2人ユニット（ボーカル＝西本さゆり、ギター＝青柳努）。この日はデビューアルバム「Ett」のプロモーションイベント。聴いていたお客さんはだいたい30〜50人くらいでしょうか。

開演予定を3分ほどまわって、2人がステージに登場。メンバー以外のサポートはなし。アコースティックギターの伴奏でアルバム収録曲を歌いはじめる。最初は「帰り道は少し遠い」から。CDの印象では、わりと淡白系のあっさりした楽曲…というイメージだったのだけど、ライブで聴いてみると、きめこまかい艶と華やかさのあるボーカルで、とても上手いのにびっくりしてしまった。また、繊細なギターのサウンドがボーカルをよく引き立てていて、バランスが良い。そのギターはゴンチチ風、あるいは中南米や南欧の古いポピュラー音楽のイメージを漂わせ、どことなくコロニアル。こちらも大変に上手い。7曲ほど演奏したのだけど、アップテンポの曲などエンターテインメント性もたっぷりで、とても2人でアコースティックにやっているとは思えないほどの魅力。温泉をテーマにして作ったという「All You Need」など、なんだかミュージカルでも見ているような気分になってくるほどだ（西本さんは、たしかにけっこう芝居っ気のある人みたいで、1曲終わるごとのお辞儀などもいろいろバリエーションがあって楽しい）。楽曲は、ゆったりしたポップスをベースに、いわゆる古い歌謡っぽさも少し感じさせるモダンなもの。日本的なところもあるけど、より世界に対して開かれたサウンド…という感じで、とっても伸びやかなのが印象的だ。聴いているうちに、ぜひこのユニットを映画音楽に起用してほしいな…なんて思ってしまった。とても映像に合いそうなサウンドだし、きっといい仕事をするんじゃないでしょうかね。

もともと、このユニットを結成する以前にもそれぞれ実績のある二人みたいなので、実力派同士のコラボレーションという感じで、なかなか見応えのあるインストアでした。

開演16時03分→終演16時25分。

2003/07/18　SHUUBI、松本英子、京田未歩、iyiyim、Viki　高田馬場 Club Phase

おなじみのガールズイベント「chocolate mix」。SHUUBIさん初登場…ということで見てきました。オープニングアクトがあるかもしれない…と思って、頑張って開場直後（18時）に行ってみたのですが、残念ながらなかったようです。(^v^;;

○「Viki」　この日の出演者の中では唯一初見のアーチスト。ピアノ弾き語りで6曲、約25分。印象を一言でいうなら、弾き語りということもあってか、「カクテル・レーベル」のアーチストなどに近いテイストだな…ということだろうか。CDを聴いて感じた70年代っぽさ、フォークっぽさは意外なほどなく、適度に今っぽく、女性的で、またそれほど重くもない感じ。わりと好きなタイプかもしれない。4曲目には、「ちがうよ」（メジャーデビューCDのタイトル曲）も演奏。たしかにこの曲は、メロディーも歌詞もインパクトがあり、プロデューサーとすればシングルにしたくなるのも分かる。でも、これが Viki の代表曲なのか…というと、個人的にはちょっと疑問かなという気がしてしまった。ビジュアル的には、黒い髪が印象的。衣装もけっこうお嬢さんっぽく、柔らかそうな雰囲気を持つ ViKi さんでした。

○「iyiyim」　メンバー2人のほかに、キーボード、パーカッション、コーラス…の5人によるステージ。7月3日に新しいミニアルバムをリリースしたそうで、その中の曲が多かったみたい。ただ、全体的には打ち込みのバックトラックを併用しての演奏が多かった。この打ち込みの音というのが、あまり厚みがなく、いまいち響いてこない印象。少し前にやってたアコースティック楽器中心の音で、ボーカルを前面に出したサウンドの方が個人的には好きだったかも。…と思っていたら、一番最後の曲だけは、すべてステージ上の楽器で演奏していてとてもグルーヴ感があって良かった。出来ればこの音でいってほしいんだけどね〜。いかがなもんでしょうか。約35分。

○「京田未歩」　キーボード・おなじみの佐藤五魚氏が率いる4Pバンドによる演奏。彼女のステージを見るのは3回目だけど、はっきりいってこれまでで最高に良い！と思わせられたライブだった。5曲しかやらないなんて短すぎる。とにかくバンドのサウンドが素敵。1曲目から2曲目にかけてのつなぎ…なんて、思わず「カ、カッチョエ〜！」と呟いてしまったくらいだ。基本的にはドライブ感のあるギターサウンドなんだけど、随所にポップな味付けがしてあって、まさに「GO MAGIC」。やはり、メンバーにしっかりしたアレンジの出来る人がいるってのは強い。そして、こんな豪華なバックのサウンドをものともせずに悠然と、ある意味でふてぶてしく歌う京田未歩さんのボーカルもGood。案外、常に自分が主役で当然…の女王様体質なのかも。いいライブでした。※終演後もガンガン物販してたし、この体力ありそうなところもまた魅力的であります。(^v^)

○「松本英子」　ピアノ、アコースティックギター、アコーディオン（ピアニカ、他）という3人のサポート陣を従えてのステージ。編成を見ても分かると思うけど、そう、ボサノバなどを基調にした大人っぽいお洒落系の歌だった。ゆったりしたサウンド、そして透明感のあるきれいなボーカル…とくれば、難しいことは考えないでのんびり聴きたい感じ。スタンディングのこういったスペースではなく、「440」みたいな着席でお酒でも飲みながら聴けるお店でお願い…という感じかな。「Squall」も聴けたし良かったです。フェミニンなワンピースの衣装も印象的。25分とちょっと短めだったかな。

○「SHUUBI」　最後に登場の SHUUBI さん。個人的には満を持して…だったのですが、こっちの気合いが入りすぎていたせいか、ちょっと不完全燃焼なこの日のライブでした。サポートはアコースティックギター、ウッドベース、ドラムスというシンプルなトリオ。最初の2曲は新曲。前回のライブでもやっていた曲だと思うけど、そのうちの一曲はこの日タイトルを発表。「風と月と星と雨」。なんとなく SHUUBI さんらしいタイトルだ。しかしこのあたり、全体的に、なんとなく音が前に出てこない印象。最初の曲のアタマ、アカペラでの歌い出しのとき、普通なら会場内の空気を一瞬で変えてしまう感じなんだけど、この日は妙にソフトだった。たぶん初めての会場（つまり初めてのPA）だからだろうか。SHUUBI の音を分かってくれてる人なら、最初からかなりテンションの高い音を作ってくれるはずなんだけどね。実際、ボーカルマイクの調子も良くなかったみたいで、2曲目が終わったところで交換してましたが…（なんと SHUUBI さんの“マイマイク”だったそうで。機材との相性というのもあるのかもしれない）。3曲目は「ママ」。続いて「うららかな」…とくると、ほとんど前回の「FAB」でのステージと同じ構成だ。違っていたのはここからで、最後の弾き語り曲に選んだのは、彼女が15歳の時につくって、それ以来封印していたという「夏物語」という曲。彼女によれば、「この曲が出来たとき、これは“きれいごと”だと思った。だから、きれいごとは要らない…と思ってそれ以来歌うことはなかった。でも、最近、きれいなことっていいことじゃないか、何もきたないものばかり見ていかなくてもいいんじゃないか…と思うようになって今日歌うことにした…」のだそうだ。メインのメロディーラインは、なんていうか素朴な感じの無垢なイメージ。でも大サビの展開などは、最近補作したのでは…と思わせるくらい大人っぽい洗練されたものだ。15歳ですべて完成させていたのだとしたら、やはり才能というしかないだろう。本編はここまでで、アンコールは1曲、これも弾き語りで、曲は定番の「ブレス」。ただ、やはり全体にもうちょっと「タメ」が欲しい気がしたこの日のライブだった。

チョコミックスは、SHUUBI さんの他にも松本英子さんが初めてだったみたいで、二人ともMCでしきりにこのタイトルのことを話題にしてましたが、お客からすれば、いまさらそんなに広げる話題じゃないだろう…という感じだったかも。MCって難しい！ (^v^;;

開演18時35分→終演21時55分。