2005/04/09　murmur　新宿 タワーレコード（インストア）

「murmur」で「マーマー」と読みます。デビュー・ミニアルバム「Good grief！」のプロモーションイベント。この盤は、いちおう試聴したことはあったんだけど、英語の歌詞が多かったので、なんとなく見送ってました。でもライブはちょっと気になるかも…と思ってインストアを見てみることに。

マーマーは、ソロシンガーソングライターの露谷麻衣さんによるワンマン・ユニット。この日は自身のボーカル/エレキギターに加えて、アコギ、ベース、キーボード、パーカッションの4人がサポートで参加。5人での演奏。露谷さんは20歳ということで、学生っぽい雰囲気。まわりのサポートメンバーも若手が中心で、ぱっと見た感じ「全員でグループ？」と錯覚するくらい、バランスも良かったんじゃないだろうか。
セットリストは、アルバムからの曲を中心に新曲もやっていた（のかな？）。サウンド的には、ほっとする感じのギターポップそのもの。MCによると、露谷さんはタワーレコードの「休日音楽」という特集コーナーが大好きで、よく見に来てました…ということで、まさにそのイメージだ。歌詞は、やはり英語中心。日本訛りというか、まるでカタカナで書いたような英語。でも、ボーカルの声質がカワイイ感じなので、まあそれもありかな…という気分になってくる。下北系ギターポップによくあるパターンだけど、なんとなく憎めない、ホンワカ系の親しみを感じさせるところが、彼女の個性なんだろう。
後半は日本語の歌詞の曲も歌っていく（「ロブスターとぼく」とか）。個人的にはずっと日本語詞でやってくれたらたぶん買い…だったんだけどね。サウンド的には、わりと好きなタイプといってもいいかもしれない。機会があったらまた聴いてみたいなと思った。ついでに、この日の彼女の衣装（服の雰囲気）もけっこう好きだったな。全5曲、約25分。

開演16時→終演16時25分。

2005/04/09　有里知花　渋谷 タワーレコード（STAGE ONE）

ベストアルバム「Good Luck to You」購入者を招待してのイベントライブ。いつもこの会場には時間ギリギリに行くことが多いのだけど、この日は開場してすぐ位に行ってみたら、なんとステージ前の椅子席に座れてしまった！　今日は落ち着いて聴けるな…と楽しみに開演を待ちました。

この日のサポートは、アコースティックギター2本、そしてパーカッションという3人。照明が落ちて、知花さんがステージに登場してくる。オープニングは「涙の物語」から。前年に見た何回かのライブよりも、さらに楽器編成を絞り込んでいるので、いたってシンプルなアレンジ。でも、彼女の場合、あまりそのへんのアレンジの違いによって雰囲気が変わるというようなことが少ない。もともとが、派手さよりも、歌とメロディーの良さを一番に考えている曲が多いから、さらっと歌いながら、十分な瑞々しさと広がりを感じさせるのだ。
続いて「WHEN YOU SMILE」、そして今回のベストアルバムに2曲だけ収録されていた新曲のうちの1曲「手のひら」。曲ごとにMCを挟みながら、ゆったりした空気感を作り出していく。中盤は、「I cry」「友情」と定番のナンバー。「友情」では「ライブで一番盛り上がる曲です」という紹介だったんだけど、そうだったのか…。個人的にはとても好きな曲だけど、盛り上がる曲ということになれば「サーフライダーズ・ビーチ・パーティー」とか、オリジナルじゃないけど「キャシィブラウン」あたりを歌うのかな…と一瞬思ったんだけど。違ってましたね。(^v^;;
後半は「Treasure the World」（あなたに会いに行こう）を、北京語・日本語・英語の三カ国語で歌う。この曲の前のMCでは、3月に中国の広州でのコンサートに出演した話など。引き続きアジア圏での活動も活発に行っているようで、現在の中国での反日デモなど、知花さんも両国の関係には心を痛めているのだった。やはりお互いに理解しあうことで良い関係をつくっていかなきゃいけないし、そのためにこうして歌うことしか出来ないけど、続けていきたいと思ってます…みたいな話をきちんとしてくれた。私自身も「文化は政治に勝る」と思ってるし、そうあって欲しい。歌でアジアを、世界を一つに。「Treasure the World」にはこんなメッセージもこめられているのだ。

そして、ここでアルバムタイトル曲「Good Luck to You」をデュエットしている海北大輔氏（from LOST IN TIME）がゲストとして登場。まずは、海北氏がギターでの弾き語りで一曲（「シャボン玉」）。その間に知花さんは衣装替えで、鮮やかなグリーンのオリジナルＴシャツ＋ジーンズ（髪はポニーテール）に。前半のちょっとアラビア風（？）の衣装も個性的だったけど、個人的には、開放的で元気そうな最後の衣装の方が彼女らしい気がして良かった。
最後はもちろん、「Good Luck to You」を全員で演奏。海北氏とのコンビネーションもばっちりで、結果的にここが一番盛り上がっていたのではないだろうか。

気がついてみれば約50分。時間もたっぷり、けっこうしっかり聴かせてくれたライブとなったのだった。

開演14時05分→終演14時55分。

2005/03/27　Ada-bana、ズータンズ、高橋啓太　四谷 フォーバレー

Ada-bana（アダバナ）とズータンズによるツーマンライブということで行ってきました。ツーマンだから、それぞれ持ち時間は1時間以上とたっぷり。普段のイベントではなかなか聴けない内容が期待できそう…と楽しみにして出かけました。

○「高橋啓太」　オープニングアクト。オトナモードというバンドのボーカルの人で、この日はアコースティックギター弾き語りによるソロでのステージ（ズータンズのお友達バンドみたいです）。ややハスキーな艶っぽい声質のボーカルで、スローで幻想的なナンバーがとてもよく似合う。空間の広がり、物語性を感じさせる楽曲も魅力的で、いずれもオトナモードの曲だそうだけど、これはけっこう評判良かったんじゃないだろうか。約20分。

○「Ada-bana」　メンバー5人での演奏（ボーカル、ギター×2、ベース、ドラムス）。ボーカルの福田舞さんがアコギを弾く曲も半分弱ある。セットリストを一気に書いてしまうと、「子供の目」「カオス」「風化風葬」「沈黙」「GATE」「Adam」「子守唄」「イデアドール」「水際」「絆」「枯れた体」の計11曲（アンケート用紙を参照）。通常のイベントでのステージは大体5〜6曲だから、いつもの倍のボリュームということになる。気分的にはほとんどワンマンライブを聴いているような感覚だった。
前半は、アダバナらしい鋭く重いエネルギーを放射するようなナンバーを、ほとんどMCなしで続けていく。スタイル的にはギターロックなんだけど、どの曲もメロディーがとても美しいのが印象的。そして爆音の中ですべてをクリアに聞き取ることは出来ないが、甘さを排除した言葉（歌詞）が呼び起こすイメージから独特の世界が立ち上がってくる。一気にテンションを頂点にもっていった前半の充実度は素晴らしいものだ。ステージ前から動くことが出来ず、思い切り聴き入ってしまった。
長めのMCをはさんでの後半部分は、やや一段落した雰囲気。少しテンポを落としてアコースティックっぽくなったり、一気に押しまくるのではなく、リズムに変化をつけたりした曲もあり、バラエティ感のある内容だったように思った。正直いえば、MCで「ホッ」としてしまった分、前半のこれでもかという位のテンションは失われ、スピードのある曲や重量感のある曲を演奏しても、前半ほどの切れ味が出せなかったような気もしてしまった。これは多分に聴き手側の問題もあり、実は聴く方もMCで若干（！）「ホッ」としてしまったからだ。こういうテンションの高さを要求するバンドは、出来ればMCも完全の演出されたもの（セリフのような作り上げた世界）にしてしまうというのも一つの方法だろう。告知関係はラスト1曲残し位のところでやる。最後の曲はアンコール扱いだ。
とはいえ、新曲3曲もふくめ11曲というのは、ファンにとっては大満足な内容だった。どの曲もクオリティーが高く、音源として聴いても楽しめそうなものばかり。また、ボーカルの福田さんは途中で衣装替えもあり。ライブでは珍しいサービスだ。前半はダーク系の長いスカートの衣装→後半は明るい色のワンピースにチェンジ（足元はいつものように裸足）。個人的には、前半の衣装の方が、どちらかといえば楽曲のイメージにもあっていたような気がした。約75分。※7月には「愛・地球博」でのステージに出演決定とのこと。頑張ってます。

○「ズータンズ」　こちらもメンバー5人での演奏（ボーカル、ギター、キーボード、ベース、ドラムス）。演奏もたっぷり、MCもたっぷりで詰めかけたファンもかなり盛り上がってたけど、個人的には前半のアダバナでエネルギーの大半を使い果たし、ここはフロアの後方に下がってのんびり聴くことにする。都会的な洗練されたロックで、ファンクなどAOR、R＆B的な要素も入っていて余裕のあるサウンドだ。アンコール1曲もふくめ、約80分のステージ。ただ、細かい部分は記憶が曖昧。許してチョ。(^v^;;

入場時に「先着50名サマ」ということで、Ada-banaの「子供の目」、ズータンズの「カメレオン」の2曲を収録したスプリットCDをもらう。なかなか音源のないアダバナのファンとしてはうれしい限りです。

開演19時05分→終演22時20分。