2006/04/27　AKB48（Aチーム）　秋葉原 48シアター

4/15が初日だったAKB48（Aチーム）の新しいステージ。お披露目から2週間ほど遅れましたが、急に思い立って見に行きました。GWになったらもっと混みそう…とか思って。もちろん平日ではあっても人気は高くこの日も満員。しかし、それでもなぜか抽選の席運だけは良く、3列目センターブロック（下手寄り）という、なかなかの良席をキープ。新セットリスト初見でじっくり聴くには一番いい環境だったかも。

細かいことは言い出すとキリがない感じなので、大まかな感想をざくっと書いてしまうと、まずは楽曲のクオリティーが大幅にアップしているのがとても印象的。3月までのセットリストだと、音源が欲しいなと思える曲はせいぜい3曲くらいだったのだけど、今回はその割合が見事に逆転している。つまり、ほとんどの曲が「音源が欲しい！」と思えるレベルの曲になっているのだ。テイスト的には、以前に引き続いて「80年代アイドルもの」というのは変わらない。ただし、メロディーにしても歌詞にしても非常に洗練度が高まっている感じで、80年代もの（特にグループアイドルもの）が好きというオールド系ファンの人なら相当な割合でハマるのではないだろうか。
ここからは少し、初見で特に印象に残った曲について書いてみよう。まずは、2曲目に歌われる5人ユニットの曲「涙の湘南」。コスチュームなどからGS風を意識してるのかな…という感じだけど、歌謡曲っぽいメロディーが好きなタイプ。続く3曲目「会いたかった」は全員の曲。スピード感とストレートなメッセージ、夏っぽくハジケるナンバーで、ここが前半のクライマックスになっている。後ろの方で見ていたとしたら絶対に踊りだしてしまいそう。中盤では、前田敦子さんをメインにフィーチュアした「渚のCHERRY」のキュートなお色気が爽やか。年長メンバー中心の「恋のPLAN」のポップな雰囲気も楽しい。そして、後半最大の盛り上がりを作っているのは、どうしてもおニャン子中期〜後期の曲を連想してしまう全員によるセツナ系アッパーチューン「JESUS（ジーザス）」だろう。胸を締め付けるように迫るビートとともにステージで踊るメンバーの数がしだいに増えてゆくシーンの背筋がゾクゾクするような興奮！ このあたりの演出は、まさにプロの仕事だね。やられました…。本編のラスト、本来は「桜の花びらたち」とのことだったけど、この日はなぜか「Dear my teacher」だった。アップテンポの曲が多いセットリストなので、そのままのスピード感で最後まで突っ走る…という意味では、「ディアマイ」の方が案外すわりが良かったのかも…。このままセットリスト変更になっても特に違和感はないだろうな。

衣装や振り付け（ダンス）についても書いておくと、こちらもグレードアップしてメジャー感が大幅に増している。目でも存分に楽しめるだろう。3月までのステージにどこかしらあったB級っぽさやマイナーっぽさは完全に一掃されている。MCもコンパクトになり、その分曲を追加（12曲→14曲）。上演時間は同じなのに、見ていて1.5倍くらいに感じる密度の濃さがある。一言でいうなら、「アイドル予備軍のためのセットリスト」から、まさに「プロとしてのアイドル1年生のためのセットリスト」に変わったということか。当然、出演者に課せられるものも大きくなっているわけだけれど、Aチームのメンバーはその与えられた課題にしっかり応えているといっていい。個人的には、彼女たちのステージを見るのは実に約70日振り（ずいぶんご無沙汰してました）。しばらく見ないうちに本当にたくましく成長したなぁ…というのが素直な感想だ。

劇場の入り口のサインボードに「ソフィスティケイテッド・ショウ」みたいなことが英語で書いてあるんだけど、正直以前は「言い過ぎだろ…」と感じていた。でも、今回見た新しいステージは「看板に偽りなし」と言ってもいいのではないだろうか。入場料1000円は価格破壊すぎる。

開演19時05分→終演20時25分。

2006/04/23　SHUUBI　新宿 タワーレコード（インストア）

初のライブDVD「ハジマリノトキ」のプロモーションイベント。前年のワンマンツアーを収録したもので、タワーレコード限定発売となっている（…とはいってもタワーレコードは全国にあるし、ネットでも買えるようです）。個人的にはこの作品に収録されたクアトロでのライブ以来、およそ半年ぶりの生SHUUBIさんでした。

セットリストは、「Niji」「小雪」「ハジマリノウタ」「うららかな」「かぞえうた」…の5曲。サポートはおなじみSHUUBIバンドの井出氏。オープニングはSHUUBIさんがピアノ、井出氏アコギでスタート。ライブ自体ちょっとご無沙汰してたし、こういうインストアみたいな状況で間近に見るのはもっと久しぶり。けっこう新鮮だった。この日のSHUUBIさんは、鮮やかなグリーンのセーター＆ジーンズというナチュラルな衣装。髪も普通に下ろしてて、ぱっと見ると「真鍋かをり？」というぐらいの明るい雰囲気を漂わせていた。日曜の昼間だったせいかもしれない。2曲目からはハンドマイクに持ち替えて、井出氏が鍵盤にまわる。じっくり聴かせる、静かめの2曲。このあたりを聴いていると、本当に初期の曲とはまったくテイストが異なってきていることを痛感させられる。抑圧をバネにして歌っていたのが彼女のアーチストとしての出発点だとするなら、現在はやはり開放（SET ME FREE…ですよ）、そして自然体というのが大きなテーマになっているようだ。が、やはりその根底には自己開放をと言い続けないといけない何か（目に見えない、別の形の抑圧なかもしれないが）が潜んでいるのかもしれない。なかなかに奥が深い彼女の音楽の世界である。4曲目は定番の「うららかな」。初期を代表するこの曲はアコギだけの伴奏とお客さんの手拍子で。店内にもかかわらず、ちゃんとライブ恒例のコールアンドレスポンスもやっている。100人近く集まっているお客さんはやはりライブ慣れしてる人々が中心とみえ、歌唱指導なしでちゃんと歌ってしまうところがとても立派。この曲は初期ナンバーの中ではポジティブな気分が強く、現在の彼女にもっともつながりやすい曲だといえる。ラストは再度ピアノに戻って「かぞえうた」。これは初期と現在をつなぐような位置にある曲。時期的にも自主レーベルを立ち上げてすぐぐらいに出来てよく歌っていたと思う。個人的にもすごく好きだし、この曲がエンディングでちょっとうれしかったな。

DVDリリースというめでたいイベントなのでMCでも終始上機嫌のSHUUBIさんでした。タワーレコードに限っての話だけど予約チャートで1位になるなど評判も良いためかもしれない。ライブ終了後、プレゼントをかけてのジャンケン大会、DVD即売＋サイン会…などもあり。

開演14時05分→終演14時40分。

2006/04/20　TIA、ユンナ、AMADORI、ソ ミリン、樹海、タイナカ サチ　渋谷 DUO MUSIC EXCHANGE

同じ事務所（レインボーエンタテインメント）に所属する女性ボーカル系アーチスト6組が出演したイベント「Music Garden〜春うらら〜」。会場入り口の花の多さや、客席に占める招待席の割合…などから察するに、おそらくメディア向けのお披露目（ショウケース）的なライブだったのかも。うちにはこんなアーチストがいますんでよろしく…みたいな。1組あたりの出演時間も15〜20分とテンポよく見せていく感じでした。

○「タイナカ サチ」　2月にデビューした19歳のソロシンガー（4月末に誕生日がくると20歳）。ピアノ弾き語りで3曲。開演前に流れていたPVなどを見ると、アニメ主題歌のタイアップということで、わりとフツーのポップス曲かなと思っていた。でも、この日はシンプルな弾き語りにしたことで、曲のスケール感などがうまく引き出されていたのではないだろうか。ボーカルは声質もよく、ていねいな歌い方に好感が持てる。デビュー曲の「disillusion」では何オクターブ出るんだろう…という超ハイトーンのパートも。十分美人シンガーで通用するルックスもGood。ロゼカラーのドレスがとてもよく似合っていた。約15分。

○「樹海」　こちらも3月にデビューしたばかり。女性ボーカル＋男性ギターの男女2人ユニット。この日はサポートに、キーボード、ベース、ドラムスを加えて5人での演奏だった。曲はいずれもミディアムのエモーション系ナンバー。ヘヴィーで分厚いサウンドは力強かったけど、やはりこのジャンルは曲がそうとう良くないと、どうしても2時間ドラマの主題歌みたいな感じになってしまう。この日聴いた印象では、それほど際立った個性がまだ見えてこなかった。あるいは、アコギとピアノだけみたいなシンプルな編成にした方が、かえって歌が引き立ったかもしれない。アレンジというのはなかなか難しいものだ。3曲、約20分。

○「ソ ミリン」　プログラムに載ってなかったので、最初は誰なのか分からなかった。MCによると、韓国出身の17歳のソロシンガー。今年の秋頃にデビュー予定…とのこと。ビートの効いたR＆B系ダンスナンバーを歌いながら踊る（誰かのカバーかな）。バックには屈強な男性ダンサーが2人。BoAを筆頭とする韓流ダンスミュージックそのもの。実際、しなやかでくっきりした声質などは、容易にBoAを連想させる。彼女ならではの個性などはまだこれから…という感じかもしれない。この日は1曲だけのお披露目ステージ。ちなみに日本語でのMCも頑張ってて上手い。同じ事務所にユンナがいるのは心強いんだろうな。約10分。

○「AMADORI」　アコースティックギターでの弾き語り。「エメラルド」「White Love」「光」の3曲。ここからの後半パートは新人というわけでもないので、1人4曲ずつくらい歌ってくれてもいいのにな…と個人的には思ったのだけど。CD（アルバム「Calling」）ではキラキラしたポップサウンドに彩られていた曲たちだけど、ギターだけでも案外その良さはしっかり再現されていた。やはり曲、メロディーの良さが際立っている。どれもロマンチックでとても良い。ただ、パフォーマーとしての彼女の資質とこういう歌い上げ系のナンバーの相性はどうかというと、微妙なズレも感じないでもない。声質は本当にきれいなんだけど、声量が少し足りないのかも。シンガーとしての自分の限界を超える曲を作ってしまうという意味では、天野月子さんにも通じるものがあるような気がした。でも、しっとりした大人の雰囲気を十分味わわせてもらいましたよ。※MCで「今日がちょうどデビュー1周年なんです」と言ってたけど、これって「メジャーデビュー」の意味でしょうね。約20分。

○「ユンナ」　最初の「ほうき星」はピアノ＋バックトラック、続く「思い出にできない」はピアノだけの弾き語り、そして最後の新曲「手をつないで」はスタンドマイクでの曲（バックはオケ）。この新曲はまたしてもアニメのエンディングということで、アレンジは派手だしやはりそっち系（アニメ系？）の仕上がりという印象だった。…というわけで、ユンナのライブは久しぶりだったし、もう少しじっくり聴きたかったのだけど、あっという間に終わってしまったという印象だった。会場が広かったせいもあってか、アップテンポの曲ではやや力まかせに歌う粗さみたいなものも若干気になった。何でも歌いこなしてしまう彼女だけど、やはりその本質は2曲目の「思い出に…」みたいなリリカルな曲での繊細さではないのだろうか。本人はどんな曲を歌っていきたいと思っているのだろう。出来れば、もう少し小さい会場でじっくり歌えるような機会を作ってあげてほしいと思ってしまった。約15分。

○「TIA」　最近、シングル「ずっとずっと…」をヘビーローテーションしている私としては、この日一番のお目当て出演者。しかもライブは初見。期待してステージを待つ。サポートはシンプルに、ピアノ、アコースティックギターのみ。余計な音を付け加えないところに、すでに歌に対する自信が感じられる。セットリストは、「ねがい」「ずっとずっと…」「Every time」の3曲。この日の出演者の中では、やはり圧倒的な上手さをもっていたと思わせられた。この世代のポップ系シンガーとしては、文句なしにトップクラスだろう。艶のある伸びやかな声質。ファルセットに移行する際のなめらかさ。ピッチもほぼ完璧。でも、決してテンションが高くて疲れるとかいうのではなく、心地よい癒しさえ感じられる。以前は、R＆B的なアプローチが基本の人なのかなと思っていたのだけど、この日聴いた印象では、それはほとんど感じられなかった。良質なポップス…というところでは、同じく素晴らしいボーカリストである籐子さんなどに通じるものがあるように思われた。ビジュアル的にはちょっと牧瀬里穂っぽい雰囲気かな。…ともかく、この日は3曲のみ。あまりにも短すぎた。もっといろんな曲を聴いてみたい気がしている。約20分。

TIAさんのライブ終了後、再度全出演者がステージに登場してカーテンコール的にご挨拶。後でこの日のイベント告知を見ると、「ステージ終了後にサプライズもあり！」なんて書いてある。あのカーテンコールがサプライズだったとは思えないので、当初はセッション曲か何かを予定してたのかもしれませんね。何だったんだろう？(^v^;;

開演19時15分→終演21時15分。