2006/09/08　organs cafe、佐藤ひろこ、鈴木みらい　渋谷 DUO Music Exchange

女性ボーカル系アーチスト3組出演のイベント「Voice Sensation！ 2006秋」。お目当ては、個人的に半年振りのオルガンズカフェでしたが、会場に行ってみると、入り口周辺に鈴木みらいさん宛てのお花がいっぱい！ どうやらメインは9月にアルバムデビューした彼女のお披露目イベントだったみたいです。

○「佐藤ひろこ」　定刻を15分ほどまわって到着したら、もう一番手の佐藤さんの演奏が始まっていた。でも、たぶん1曲目だったと思う…。彼女のライブを聴くのは2回目（1年半振り）。自分で弾くアコースティックギターと、サポートでピアノ（フルート）。2人でのステージ。基本的には、シンプルで明るい、ポップ感のある曲が中心。ただ、個人的にいいなと思ったのは、「去年の作品ですが…」と中盤で2曲ほど歌った情念系で重めの曲だった。ちょっと和風メロディーの入った曲と、ギターを置いてピアノ伴奏だけでじっくり歌い上げた曲。まあ、このへんは好みの問題だけど、ややハスキーっぽい彼女の声質にもあってると思う。MCはきびきびしていい感じ。それによると、副業でリポーターの仕事などもしてるそう。十分納得です。約40分。

○「organs cafe」　メンバー2人（ボーカル、ピアノ）に加えて、ウッドベース、ドラムス。4人でのステージ。セットリストは、「Ah- Never forget you」「Smile」「あくび」「Bon Week-End」「鍵」「A Four Leaf Clover」「A Coffee」…の全7曲。バンド編成でのオルガンズカフェを聴くのは、けっこう久しぶりのような気がしたけど、とてもバランスのいいサウンドだった。楽器構成を見ても分かるように、基本はアコースティックなジャズやボサノバの雰囲気を前面に出したもの。でも、それでオシャレ感を狙ってる…とかいう感じではなく、本当にサラリと自分たちの音楽をやっている雰囲気がいい。加藤沙香菜さんのボーカルは、どちらかといえば声が細めなので、バックのサウンドが厚すぎてはその個性を殺してしまう。だから、繊細で抑え目なサウンド。そして、林氏の美しく温かみのあるピアノのアドリブを隋所にちりばめ、さらにベースとドラムスを加えることで、華やかさと奥行きを増している。これまで、いろいろなサウンドを模索してきた彼らだけど、ここにきて「ついに自分たちのサウンドを確立したぞ！」という自信のようなものを感じさせる演奏だったと思った。そして、どの曲も、一曲一曲に心がこもっている…というか、本当にこのところの加藤さんのボーカルの進境ぶりは著しい。派手に歌い上げるタイプじゃないから一見地味だけど、言葉を大切に歌っていて、歌心があふれている。「年内にはアルバムをお届けしたいと思っています…」といううれしい知らせとともに聴かせてくれた新曲が、ラストの「A Coffee」（←表記不明）。これも第一印象はかなり良い曲で、そうとう期待できるのではないだろうか。MCも素直な感じで、ますます好印象。ちなみに、メンバー紹介で分かったんだけど、オルガンズカフェのリーダーは加藤さんなんだそうだ。時間も少しだけ長め、たっぷり心地よくなれたライブでした。約40分。

○「鈴木みらい」　予備知識なく初見でした。9月6日に1stアルバムをリリースしたばかりのソロシンガー。サポートは、キーボード、ベース、ドラムス、ギターの4Pバンド。それにバックトラックも使っていてそのマニュピレーターも。一言でいえば、R＆Bテイストを取り込んだシティ系ポップという感じ。ダンスっぽさはなく、メロウなフィーリングをベースにしたラブソングなどが中心だろうか。この日は新作アルバムの曲（9曲）をすべて演奏。お客さんも彼女の応援に駆けつけた感じの人たちが大多数だったので、このあたりになると客席もほぼ満員。その分、緊張もしてたのか、MCでは自己紹介がばっさり抜けたりしてたけど、ボーカルに関しては危うさはほとんど感じさせず、終始安定してた印象。声質もいいしね。ただ、けっこう作りこまれた音が魅力といえるジャンルなだけに、ライブの見せ方（聴かせ方）…という部分では、もう一工夫欲しかった気もした。CDで聴いたらけっこう好きかも…というタイプの曲もあっただけに。あと、ビジュアル的な面でも、彼女はかなり小柄な方だし、もう少しすっきり見えるファッションの方が良かったかもしれない。約45分。

オルガンズカフェ、鈴木みらいさんの時は、2列目センターの席からばっちり見させていただきました。加藤沙香菜さんは、ノースリーヴ＋ショートパンツという夏っぽい衣装だったので、かなり冷房が効いてた会場内、寒くなかったかちょっと心配になりましたね。それにしても、ノーチャージ（ドリンクフィーのみ）でおいしすぎるイベントでした。(^v^)

開演（たぶん）18時40分→終演21時05分。

2006/09/02　mount sugar、大山百合香　渋谷 SHIBUYA@FUTURE

「SEA OF LOVE vol.2」というイベント。フライヤーに「都会で野外でしかもタダ！」と書いてある通りのフリーイベントなんですが、顔ぶれはなかなか充実してました。日曜の午後で天気も快晴。BOXX横の芝生の上では、お客さんが連れてきた犬が走り回り、インターバルにはのんびり気分のDJ。ユルユル系でリラックスできる雰囲気でしたね。
最初の出演者は、土岐麻子さんだったのですが、かなりの数のお客さんが集まってたので、ここは少し離れた芝生のところで流れてくる音だけを聴いていました。アコースティックギターの伴奏で、ボサノバやジャズのスタンダードなどを歌ってたみたい。

○「mount sugar」　約9ヶ月ぶりのマウントシュガー。まもなく新しいミニアルバムをリリース…ということで、ライブ活動も活発に行っているとのこと。この日はメンバー2人（ボーカル、アコースティックギター）の他に、4曲目まではキーボードのサポートメンバーが参加。3人でのステージ。新曲を中心にやってたと思う。持ち味の隙間を生かしたサウンドとその中をすくっと貫くしっかりしたボーカル…という個性はこれまで通り。ほとんどの曲がミディアム。メロディーと歌詞がゆっくりと沁みこんでくるような曲が多い。中盤で「ちょっと明るい曲をやりますか…」と、ざっくりした感じで歌いだした曲は、ノリのいいブルース調のナンバー。でも、これもアップテンポというよりは、もっとディープなフィーリングが基本になっている。ボーカルの山里さん、個人的には軽く明るい感じのボーカリストが好きな私のお好みラインナップの中では、比較的異色なんだけど、やはり何度聴いてもいいなと思ってしまう。とても力のあるボーカル。でも、決して力まかせに歌うということではなく、素晴らしいしなやかさが力強さの裏づけになっているボーカルだ。この日は、髪を下ろしてて、なんか女性っぽさが増していた。キレイになってたんじゃないの？ 全6曲、約30分。

○「大山百合香」　大山さんのライブは2週連続。サポートメンバーは、前週とは異なるチームで、アコースティックギター、ウッドベース、キーボード（アコーディオン）…という3人編成。セットリストは、「沖永良部の子守唄」「星の歴史」「会いたい」「小さな恋の歌」「さよなら」に加えて、アンコールで「あなたに」…の全6曲だった。最後はモンゴル800がらみの3連発ということになる。彼女の最大のチャームポイントである声の美しさは、この日も十分に堪能させてもらった。大山さんの場合、新しい曲でも感覚的にパッと歌いこなしてしまう…みたいなタイプではなく、何度も歌いこんで体に曲を染み込ませていくタイプではないだろうか。なぜそう思ったかというと、おそらく一番回数を歌っているであろう「沖永良部の子守唄」が、断トツにこなれていて心地よく聴けるからだ。逆に、新しい曲ほどまだ不安定なところが（細かいところだけど）あったりする。そういう意味でも、これからもステージで一杯歌っていってほしいものだ。また、MCについては、あいかわらず素人くさいというか、頑張っていっぱいしゃべってるんだけど、微妙にスベってるところも結構あったような気がする。雰囲気のいい人だから、雰囲気まかせにしてしまって、MCの量は半分位…でもいいような気もするけど。どうなんでしょうかね。約35分。

土岐さんのステージの時、芝生のところに、大きな百合の花束を持った数人の家族連れのお客さんがいて、「ははぁ、大山さんのお身内かな…」と思ってたら、果たして沖永良部島から来てた皆さんだったみたいです。アンコールの時に、小学生くらいの小さい子がその花束を渡してて、微笑ましかったです。(^v^)

開演（mount sugar）15時15分→終演16時45分。

2006/09/02　rain book　渋谷 Apple Store 1階（インストア）

前週に引き続いてのレインブック。この日は、アップルストアー渋谷店でした。銀座店は、椅子席のある立派なホールが会場でしたが、渋谷は1階の売り場の一番奥に小さなステージがあるだけ。お客さんは立ち見になります。でも、その分、近くで聴くことが出来るというメリットもあるのでした。

この日もメンバー2人だけでのステージ。セットリストも前週とまったく同じで、「いつもの風景」「You Raise Me Up」「お家へ帰ろう」「ゆっくりな時間」「千本桜」「心の力」…全6曲。まあ、これは一連のシリーズということで、ある程度予想はしてたこと。「PAの調子もいいですね」と山本さんも上機嫌だったし、曲目に目新しさはなかったけど、またまた楽しく聴けた気がした。山本さん自身のボーカルも調子よかったんじゃないかな〜。
MCの自己紹介では、山本さんが前澤氏を「人間離れしてる…」などとイヂめ、それに対して前澤氏が「ひどすぎません？」と抗議するお約束のパターン。また、前澤氏の自己紹介に出てくるゲーム用語や機材用語については、「何いってんだかさっぱり分かんない…」と突き放すのも、これまた定番。まあ、こういう片方が片方を攻撃するパターンは、お笑いなどではよくあるんだけど、音楽系では珍しいかもしれないな。たしかに、美女と野獣ならぬ、美女とオタクの異色コンビっていうのは特徴なんだけど、個人的にはもうちょっと前澤氏に優しくしてあげて欲しいものであります。(^v^)

ちなみに、なぜアップルストアーでインストア？…と思ってたんだけど、考えてみれば、「iTunes Music Store」を運営しているアップルは「音楽コンテンツの小売業者」でもあるのだった。つまり、タワーレコードやHMVなどがインストアイベントをやるのと原理は同じ…ということになる。実際に、レインブックの音源も「iTMS」で販売されているし、MCでもそのことは言ってましたね。

開演13時→終演13時40分。