2009/01/29　school food punishment　渋谷 BOXX

12月リリースのアルバム「Riff-rain」購入者を招待してのワンマンイベント。定刻10分前くらいに会場に入ってみると、すでにほぼ満員というくらい大勢のお客さんが集まってました。その時点でステージがよく見通せる場所はほとんど残ってなく、視界的にはかなり厳しいライブに。後半になってちょこっと見えたくらいでしょうか。

約10分押しでのスタート。メンバー4人での演奏。ボーカル/ギター、キーボード、ベース、ドラムス。新作アルバムに絡んでのイベントだけに「Riff-rain」収録曲は全曲を演奏、その他に代表曲など…といった構成だったと思う。ちなみにネット上で拾ったセットリストはこんな感じ。「feedback」「駆け抜ける」「you may crawl」「egoist」「killer」「二人海の底」「over」「flow」「Art line」(アンコール)「butterfly swimmer」…全10曲。私の記憶より確かなような気がしますので載せておきます。
さて、全体的な印象としては、盛り上がったようでもあり、またそうでもなし…と個人的にはやや微妙な感じだったかな。本編だけで約50分、アンコールも含めれば1時間近いライブをみっちり聴かせてくれたのだから文句を言う方がおかしいんだけど、やはり、最初のうちステージがほとんど見通せなかったのはストレスになったと思う。こういう1組のアーチストしか出演しないイベントの場合、途中で立ち位置を変えるチャンスもなく、最初のイラッとした気分を最後まで引きずってしまいやすいしね（特にこの日は満員だったので、動ける余地がほとんどなかった）。
そんな中で比較的インパクトがあったのが、新曲として演奏された「駆け抜ける」、新しいアレンジが加えられた代表曲の「you may crawl」…などだっただろうか。というと、新作「Riff-rain」収録のナンバーがあまり印象に残らなかったということになるわけで、アルバムの聴き込みが足りなかったのも、なんとなくライブ全体に対して盛り上がれなかった理由なのかもしれない。まあ、聴く側の状況や気分にも左右されるという意味でも「ライブは生もの」だ。ちゃんとした感想は次回以降に持ち越したいと思う。約58分（アンコール1曲含む）。

開演19時10分→終演20時08分。

2009/01/28　清家千晶、エリーニョ、菅井宏美、唄子、小林未季、平絵里香、オガワマユ、Nikiie　渋谷 7th FLOOR

女性アーチスト5組出演の「ナナカイ☆レディースデイ VOL.30」。この日は、30回目の記念イベントということで飛び入り参加のシークレットゲストも3組出演。持ち時間の長短はありましたが、合計8人ものアーチストの歌を聴けるという豪華版でした。ちなみに個人的なお目当ては大トリで登場した清家千晶さんでした。

○「小林未季」　オープニングアクトで3曲。ピアノ弾き語り。ボーカル自体としては、やや粗削りなところもある感じだけど、まずはその声質の良さが印象に残った。単にきれいな声というよりは深みがあって表情を感じられる歌声といえばいいのだろうか。楽曲はいずれもミディアムナンバー。ピアノの繊細なアレンジが美しい。MCによると現在大学生だそうで、「教員採用試験をめざしてます…」とのこと。音楽はマイペースで続けていきたいそうだ。約17分。

○「唄子」　アコースティックギター弾き語り。椅子に腰かけて歌う。この日は、「まったり聴ける曲中心に選曲してみました…」ということで、ほぼ全曲ミディアム。同じフレーズを何度も積み重ねていくような曲や和風メロディーが印象的な曲などを、独特のコシのある節回しで歌っていく。ちょっと笹川美和さんなどを連想させるところもある。ただ、笹川さんの「重さ」に対して、彼女の歌からはもっとリラックスした「軽み」が感じられるのが大きな違いだろう。自称「くらげ系シンガー」だそうで、浮遊感のある世界をめざしている…的な話をしていた。声質もきれいだと思った。約33分。

○「菅井宏美」　ピアノ弾き語り。1〜2曲目、3〜4曲目…とそれぞれ組曲風に続けて歌っていく。ダイナミックなボーカルに持ち味があるといえそうだ。ただ、楽曲はいわゆる「弾き語りで歌う女性シンガーソングライターらしい曲」で、この日はそれほど強い印象を受けなかった。ちなみに、OAで歌った小林さんからこの菅井さんまで3人連続で女子大生シンガー。ちょっとした女子大生祭りであった。約30分。
○「エリーニョ」（from 獏）　バンド「獏」のボーカル/ピアノであるエリーニョさんがソロで登場。獏は2年位前に1度ライブで聴いてるけどソロは初見。といってもバンドでのサウンドもそんなに細かく覚えてるわけじゃないので、基本的にはあらゆる意味で新鮮に聴いた感じかな。この日はピアノ弾き語り。パワフル、かつ自由奔放なボーカル。個人的には2曲目に演奏したジャズっぽいテイストのナンバーがベストだったと思う。ミディアムナンバーで洗練されたピアノ演奏と濃いエネルギーを感じさせる歌のバランスが良かった。MCはやはりロック系のバンドやってる人らしく独特の豪快なノリ。テンションも高めだったんだけど、お客さんはどう反応すりゃいいのやら…って感じだったかも。(^v^;; 約25分。

○「清家千晶」　ここまですべての出演者が弾き語りだったので、最後にバンド編成で演奏した清家さんのステージはその華やかさがいちだんと際立った気がした。サポートは、ギター、アップライトベース、キーボード、ドラムスの4人。たぶん12月にFABの「フラワーボイス」で聴いた時と同じメンバーだと思う。セットリストは、「Electric Sense」「この体」「オルゴール」「妄想回遊魚」、1曲はさんでラストに「花唄」…の全6曲（5曲目はタイトルが分かりませんでした）。どの曲もライブ用のアレンジで非常にオトナっぽく洗練されている。全体的にすっきりしていながらも、カラフルでとても鮮やかなサウンドだ。特にCDでのバージョンがモノクロームの感触だったアルバム「Sensitive Doll」の楽曲については、その違いが強く感じられた気がする。また、この日はステージが間近な会場ということもあって、歌う彼女の細かな表情や歌のディテール、バンドの息づかい…などをよりリアルに感じ取ることができたのも良かった。彼女の曲はどちらかというと内省的なテーマのものが多いのだけど、現在の彼女はそれを重く暗く歌うのではなく、どこか軽く突き放してカラッと歌っているような趣きがある。MCでは曲名紹介、簡単な告知くらいしかしないのだけど、それで十分だと思った。彼女にはその歌で表現する以上のものは必要ないのではないだろうか。
12月に久しぶりに聴いて、「これはちょっと継続してフォローしないといけないな…」と思ってこの日のライブに臨んだのだけど、ますます現在の彼女の魅力にハマってしまった気がする。楽曲の多くは以前と同じものを歌っているのにステージの充実度は大幅にアップしているのだ。大きく成長した清家さん、しばらくは本気でついていきたいと改めて思った。約35分。

続いて「飛び入りシークレットゲスト」として歌ってくれた3組のアーチストについても簡単にレポしておきます。

○「平絵里香」　唄子さんの後にアコースティックギター弾き語りで2曲。ライブで聴くのは約3年半ぶり3回目。以前の記憶によれば、パンチの効いたブルースっぽい曲を歌うイメージがあったのだけど、この日はミディアムのポップナンバーのみ。透明感のある伸びやかな歌声がとても力強く、前半に出ていた若手との実力差を見せつけていた感じだろうか。とても気持ちよく聴けた。約10分。

○「オガワマユ」　エリーニョさんの後にピアノ弾き語りで2曲。予備知識なしの初見だったけど、輪郭のくっきりした鮮やかな歌声の華やかさに思わず惹きつけられた。楽曲も4ビートっぽく明るいナンバー、リリカルなスローナンバーと変化があり素直に楽しめた。非常にフレッシュで、変な意味ではなく音楽ファンとして「そそられる」アーチストではないだろうか。機会があればまた聴いてみたい。約12分。

○「Nikiie」　「ニキー」。オガワさんに続けてピアノ弾き語りで1曲のみ。彼女もまったくの初見だったのだけど、こちらも思わずハッとするくらい歌声にインパクトのあるシンガーである。中音域主体のボーカルはややハスキー。星村麻衣さんをパワーアップしたようなタイプ？なんて思った。約5分。

全体の進行はおなじみの川合鉄平氏。長丁場でしたが最初から最後までテンポよく、しかも密度の濃いイベントでした。まあ、清家さん以外は全員弾き語りだったから転換が簡単だったせいもあると思いますが。

開演19時08分→終演22時20分。

2009/01/19　AKB48　渋谷 AX（ワンマン）

前年に引き続いてのAXでの4日連続ワンマン。ファン投票で選ばれた人気上位曲100曲を4日かけて発表…というスタイルでの「リクエストアワー セットリストベスト100 2009」。個人的には去年このシリーズの初日を見たので、今年は2日目に行ってみることにしました。75位から51位までが発表される日ということになります。

会場はオールスタンディング。もともとBチケットだったので良い場所で見ることは期待してなかったんだけど、やはりフロアに入ってみると椅子が出てた前年（初日）とは人口密度がまったく違う。前のお客さんのあいまから見えるのは、ステージ全体の2割くらいだろうか。幸いステージ上方がスクリーンになっており、そこに複数のカメラを使ったライブ映像が映し出される。アップも含めたさまざまな角度からの映像があり、結果的には開演中ほぼずっとこのスクリーンを見続けることとなった。そういう意味では視覚的には厳しいライブだった。

この日のセットリストはこんな感じ。75位「あなたとクリスマスイブ」→74位「マンモス」→73位「会いたかった」→72位「森へ行こう」→71位「蜃気楼」→70位「2人乗りの自転車」→69位「アイサレルトイウコト」→68位「Dear my teacher」→67位「僕の桜」→66位「初恋泥棒」→65位「初めてのジェリービーンズ」→64位「帰郷」→63位「ロマンス、イラネ」→62位「ガラスの I LOVE YOU」→61位「アイドルなんて呼ばないで」→60位「僕とジュリエットとジェットコースター」→59位「16人姉妹の歌」→58位「涙売りの少女」→57位「メロスの道」→56位「恋のチューイング」→55位「君が教えてくれた」→54位「偉い人になりたくない」→53位「Two years later」→52位「誰かのために」→51位「RUN RUN RUN」。（アンコール）「初恋ダッシュ」「ひこうき雲」…全27曲。

いきなり全体的な感想を書いてしまうと、この日は「コンサート」というよりも「AKBバラエティーショー」といった印象が強く残ったライブだった。たしかにいろんな曲をどんどん歌っていくおもしろさもあるんだけど、個人的には途中ではさまるMCの方が断然おもしろく、実際ネタをちゃんと仕込んだコント的といってもいいMCが多かったのではないだろうか。
佐藤夏希さんとOG・今井優さんの「劇団NYリターンズ」、高橋みなみさんの「すべらない話」、小嶋陽菜さんと浦野一美さんの「大女優コント」、柏木由紀さんを中心とするBメンによる「16人姉妹チームBバージョン」…などなど。劇場でのMCが基本的にはその場のノリでしゃべってる感じのトークであるのに対して、こういうひと手間かけたMCはやはり聴いてて楽しい。
また、序盤に登場したOG・星野みちるさんや「恋のチューイング」後の渡辺麻友さんなど、なんともいえない独特の空気感を持った人のMCも良かった。特にまゆゆ、「私、チームBの渡辺麻友と申す者ですが…」みたいな感じで、テンパってるためか内容はグダグダ。何度も「すいませんねぇ…」と謝りながら話は同じところをグルグル…。でも、かわいいから許す。さらにOG・成田梨紗さんは、客席に向かっての挨拶で「あいかわらず、皆さんお元気そうで…」。この「あいかわらず」で思わず吹いた。ええ、アイドルファンなんて十年一日でいっこうに変わらないもんですよ。(^v^)
そして、これはMCじゃなくて曲なんだけど、この日のハイライトは、何と言ってもチームK全員参加での「16人姉妹の歌」だろう。曲にあわせて紹介される人がスクリーンに大きく映し出され、歌詞を反映したアクションを取る。1人1人おもしろくて、チームKのタレントっぷりがよく伝わってきたし、この日のバラエティーショー的なライブの雰囲気を象徴してたと思った。ここはもうニヤニヤしながら見てしまったよ。もちろん歌＋セリフの小林香菜さん、佐藤夏希さん、松原夏海さんの3人もサスガの一言。お見事でした。(^v^)

以下印象に残った曲や気なった曲について簡単に。
○「あなたとクリスマスイブ」　OGの星野みちるさん、折井あゆみさんによる歌。特に星野さんは彼女が卒業して初めて見るステージだった。ソロになってからの彼女のライブはまだ見たことがない。機会があれば一度聴いてみたいと思った。
○「蜃気楼」　中田ちさとさんと宮崎美穂さん。ちぃちゃんが目立ってるだけでも十分満足…なんだけど、2人ともしっかり歌ってたと思った。唯一視界が悪かったのが心残り。
○「Dear my teacher」　初期の代表曲でもあるこの曲や「会いたかった」が意外と下位にランキングされてたのは、「自分が投票しなくても…」と思われてしまったのか、あるいはファン層が急速に新しくなっていることの反映なのか…。いずれにしてもこの曲を歌うチームAを見た時、改めて「もうあの頃のAKB48は完全になくなったんだな…」と痛感させられた。たった3年前のことが遠い昔のように思えた瞬間だった。
○「帰郷」　OG・中西里菜さんではなくこの日は高橋みなみさんがセンターで。オリジナルメンバーのイメージが強いこういった曲を歌うのはとても難しいことだと思うんだけど、ほとんど違和感なし。たかみながとても頼もしかった。そしてこの曲もやっぱり良い曲だ。
○「恋のチューイング」　MCでまゆゆが、「出てくるなり、知らない…って言われて今すごくアウェーな感じです」的なことを言ってたけど、個人的にはちゃんと知ってたよ。仲川遥香さんのこういう衣装も新鮮。
○「初恋ダッシュ」　そのお菓子なシスターズ＋平嶋夏海さんで「渡り廊下走り隊」。アンコールでデビュー曲をお披露目。曲調はシンプルで元気な感じ。フレッシュ感はばっちり出てたと思う。衣装もかわいかったし。なっちゃんのソロパートもちゃんとありますよ。(^v^)

前日（1日目）のアンコールは「初恋ダッシュ」だけだったみたいだけど、2日目のこの日はチームAを中心に全員での「ひこうき雲」を追加。やっぱ、ラストは全員じゃないと盛り上がらないですよね。賑やかなエンディングで良かったんだけど、最後まで視界の悪さには苦しめられたライブでもありました。NHKホールのように見通しさえきけば、オペラグラスを使うなり対処方法はあるんだけど…。

開演18時07分→終演20時35分。