2010/08/01　Neko Jump、Four Mod、Waii　渋谷 duo MUSIC EXCHANGE

タイの女性アーチスト3組が出演した「THAI IDOL FESTIVAL 2010」。5月に代々木の「タイフェス」で見て印象的だったネコジャンプが再来日して出演するということで見てきました。ちなみに3組はいずれもタイの有力エンターテインメント会社RSが運営するアイドル系レーベル「Kamikaze」所属のアーチスト。本格的なタイポップスのイベントは初めてだったので非常に楽しみにしていました。

この日のライブの構成は、前半が3組それぞれのコーナー。ただし、ネコジャンプだけは日本でもCDデビューしていて人気が高い…という理由だと思うんだけど、最初と最後に2回登場する。他の2組に比べると持ち時間は倍。ファンとしては単純にうれしい。後半は3組5人全員でのステージとなる。Kamikazeレーベルでは、日本でいうところのハロコンみたいなレーベル単位でのコンサートもけっこうやってるみたいで、その雰囲気を多少なりとも味わえる感じだろうか。サウンドは全てバックトラック使用。ボーカルはもちろん生歌だった。
この日は開演5分前くらいに入場したので、はっきりいって視界は良くなかった。それでも定刻になって、スクリーンにタイ国旗が映し出され、タイ国王讃歌が流れると徐々に盛り上がってくる。

○「Neko Jump」　トップバッターは双子デュオ、ネコジャンプ。最初のパートは、初期及び日本向けのアイドルらしさを強調した雰囲気のステージだった。セットリストは、「Poo」「Chuai Mad Noi」「Joob Joob」「Clap Your Sunday」「Sa Rnag Hae Yo」…の全5曲。最後の曲以外は、いずれも日本盤の2枚のシングルの収録曲。また4曲目以外は5月にリリースされた日本編集版アルバムの収録曲でもある。このアルバムは、彼女たちがデビューした2006年とその翌年の楽曲を網羅した内容なので、すなわち初期作品ということになる。その初期を代表する曲「Poo」は、ここでは日本語の歌詞で歌う。また、日本で8月にリリースされる「Clap Your Sunday」は1stコーラスが日本語、2ndコーラスがタイ語だった。
衣装は白地に黒ドットのミニワンピース。髪にも同じくドット柄のリボン。アイドルらしくて超キュート。このリボンの位置が2人でそれぞれ違ってたりする。
新曲以外はどれも歌いなれてる曲だから、ステージングにはとても安定感があった。ステージをどんどん歩き回ってけっこう近いところまで来てくれたりする。かわいい〜。アルバムで聴き込んでる曲ばかりということもあって素直に楽しめた。MCは簡単な挨拶など以外は全部タイ語。通訳がつかないから、何を話してるのかは分からないけど、会場にはタイ人やタイ語の分かる日本人ファンもいたみたいで、けっこうお客さんもリアクションしている。いいな〜。約21分。

○「Four Mod」　「フォーモッド」。女性2人組ユニット。予備知識としては、キャリアも格もネコジャンプより上のアーチスト…ということだけしか知らずに見た。第一印象からいえば、やはり実力あるなあ…という感じかな。5曲歌ったうち、最初の3曲は東南アジア的といってもいい粘っこいビート感が印象的なダンスポップナンバー。ビシビシくるリズムと歌謡曲っぽいメロディー、そしてくっきりした輪郭を感じさせるボーカルがうまくミックスしている。オールディーズっぽいアレンジを使った曲も楽しい。後半2曲は、しっとり系のメロウなミディアム＆スローチューン。このへんはきっちり聴かせる。デュオなんだけど、ユニゾンやハモリよりもソロパートを交互に歌っていくことが多いのも特徴かもしれない。
もう一つ、彼女たちのステージで印象的だったのは、MCやキャラクター面のおもしろさ。もちろんタイ語は分からないんだけど、口調や表情などがとてもコミカルで2人の掛け合いの息もぴったりという感じ。お客さんからサイリウムをもらって自分で振ったりする茶目っ気もたっぷり。ネコジャンプが曲もキャラクターも爽やか系の、いってみれば「ブリッコアイドル」タイプだとするなら、フォーモッドは曲もキャラもルックスも濃い目、本音ぶっちゃけ系の「バラドル」タイプかも…。でも、2人ともスタイルはすごく良いよ。南国的な開放感があって楽しいステージだった。全5曲、約23分。

○「Waii」　「ワーイー」。ソロの女性シンガー。YouTubeなどで曲を聴いたことはあって、今かなり人気の高いアーチストということは知っていた。そのサウンドの特徴は、ヒップホップ的な要素を大幅に導入したR＆B。とてもイマドキっぽい音だけど、J-POPのR＆Bがどうしても日本的なメロディーを重視したものになるように、タイ風R＆Bには、やはりどこかに東南アジア的な粘っこいリズム感が入っている感じ。たぶん、それがkamikazeレーベルのサウンドなのかもしれない。彼女自身は比較的小柄だけど、ボーカルはとてもパワフル。ラップのパートを歌うこともある。日本でならアイドルというよりは間違いなくJ-POPのアーチストに分類されるシンガーだろう。しっかりした実力を感じさせられた。さらに、ルックスは親しみやすく、日本の女子大生とかにもいそうな雰囲気。笑顔がとてもチャーミング。
前半3曲はリズミックなアッパーチューン。でも、この日のベストには4曲目のメロウなミディアムナンバーをあげたい。声量を生かした非常に聴き応えのある歌唱。とても良かった。そして5曲目はクラシックをモチーフに使った曲で、たぶん彼女の代表曲なのかな。お客さんも盛り上がっていた。全5曲、約23分。

○「Waii＋Neko Jump」　ワーイーさんのソロパートが終わったところでネコジャンプが合流し3人でのセッションとなる。曲は「Seven days」のデビューシングル曲。ちなみに、このセブンデイズは、kamikaze所属の女性アイドル7人の選抜ユニットで、メンバーにネコジャンプのジャムさんとワーイーさんが含まれている（なぜかヌーイさんは入ってない）。アイドルらしいカラフルで楽しいナンバー。

○「Neko Jump」　2回目のネコジャンプ。最初のステージとはがらっと雰囲気が変わり、現在タイで展開している大人っぽい、そしてクールなネコジャンプを感じることができる内容だった。セットリストは、「Harm Norn Kon Deaw」「（曲目分からず）」「Message」「Mai Keai Took Rak Leai」…の全4曲。このへんはネットではMVなどを見ることができるけど、まだCDとしてはリリースされてない曲中心。とても新鮮に聴けた。衣装はボディコンシャスな超ミニワンピ。2人のスタイルの良さが際立って超セクスィ〜。いいわ〜。実は、「Message」のMVで着てるのと同じ衣装なんだけど、この日はジャムさんが白、ヌーイさんがグレイ…でMVとは逆。YouTubeでライブ映像とか見てても、時々衣装を交換して着てることはあるので、どっちがどっちという決まりはないんだろうな。ここのパートはできればもっと視界のいい位置で見たかった…と少々悔やまれる。初期のアイドル路線とはコンセプトが大きく変化してるんだけど、これはこれでアリだろう。早くアルバム聴きたい…と改めて思わせられたステージだった。約20分。

後半（というか終盤）はセッション。まず1曲目はネコジャンプの2人だけで。楽しいポップナンバー。2曲目はフォーモッドが加わり、「Poo」をタイ語歌詞で歌う。3曲目はワーイーさんも入って全員で。ネコジャンプ以外の曲を知らないので想像なんだけど、ここはたぶんお互いの持ち歌を交換して歌ってたんだと思う。詳しいファンにはたまらない企画だ。4〜5曲目はメドレーっぽい感じのアゲアゲ系ポップナンバーを連発。お客さんも手拍子、振りなどでいい感じの盛り上がっている。
アンコールは1曲だけ。5人全員での楽しいアッパーチューン。もちろん知らない曲だったんだけど、後でファンブログなどを見てると、アンコールは「kamikaze Wave」だったと書いてるところがあった。ラストをレーベルのテーマ曲で締める…というのはいかにもありそうだし、いいんじゃないかという気がした。終盤のセッションからアンコールの流れは理屈抜きで楽しかったな。アンコール含めて6曲、約20分。

開演から終演まで2時間弱でしたが、転換の時間などがほとんどなしだったので、ほぼノンストップ。非常に密度の濃いライブでしたね。最後はダブルアンコールを求めてかなり長い時間拍手が続いてました。ネコジャンプは出演時間たっぷりで、彼女たちが絡んだ曲が全部で16曲もありました。これはちょっとしたワンマンに匹敵する曲数。外タレなので次がいつ…と分からないところがファンとしては辛いところですが、ぜひ近いうちにまた来日してほしいなと熱く思ってしまったこの日のイベントでした。良かったです。

開演18時→終演19時53分。

2010/08/01　アーバンギャルド　新宿タワーレコード（インストア）

1stシングル「傷だらけのマリア」のプロモーションイベント「アーバンギャルドの公開処刑3」。日曜の正午スタート…というバンドのキャラに対して妙に浅すぎる時間設定のインストアライブだったのですが、いざ会場に行ってみると、そこにはものすごい数のお客さんが。ステージ前のスペースだけでは収まらずエレベーター前の入口あたりまで人があふれてる感じでしたね。

約5分押しでメンバーが登場すると、それだけで歓声があがるインストアも久しぶり。水玉国旗を持ったりコスプレしてたりする若い女性が多いのが特徴かな。演奏はメンバー5人で（男女ボーカル、ギター、キーボード、VJ/PCオペレーション）。セットリストは、「東京生まれ」「（曲目忘れた）」「傷だらけのマリア」「セーラー服を脱がないで」…の全4曲だった。
最初の1曲が終わったところで、アーバンのライブではお約束となっている「処女捨てたもうことなかれ〜！」に続くコールアンドレスポンス。お客さんも完全に把握してるから、松永氏がまだ問いかけしてないのに「大好きで〜す！」と反応。実にいい雰囲気だ。2曲目の後は、これまた定番の「詩の朗読」。この日は「マクドナルド」の商品名を随所に挿入したエロ作文みたいなやつ。他にも曲の最中にお客さんの中に飛び込んだり、大阪の握手会でのトラウマ事件トーク（不天馬問題）、最後の曲ではステージに巨大キューピーが乱入…と短いインストアイベントにもかかわらず、これでもかという濃いサービス満載の内容だった。もちろん松永氏だけでなく浜崎さんも大人気。クール＆ビューティーな雰囲気たっぷりで良かったわ〜。大勢集まったお客さんも十分満足の内容だったのではないだろうか。約27分。

「（ここに来てる）ニートの皆さんにとってこの時間帯って早朝ですよね…」などと容赦なしにビシビシ責めてくれる浜崎さんのMCも素敵。お客さんも大喜びで、この人気の秘密が何なのか正確には分からないけど、たしかにアーバン来てるわ〜というのは間違いなくいえそうです。

開演12時05分→終演12時32分。

2010/07/30　多摩川しず香、デカシャツ喫茶、ダークナースZERO、キラポジョ、古川未鈴、吉河順央　新宿タワーレコード（インストア）

秋葉原を中心に活動しているアキバ系アイドルのコンピレーションアルバム「TOgether SONGS」。そのイベントがあるというので行ってみました。収録されている16アーチストのうち、この日は6組が登場。2006年にも同じ新宿タワレコでアキバ系アイドルのイベントを見たことがあるのですが、これだけ濃いものをまとめて見るのはそれ以来かも。前説と司会はプロデューサーでもあるサエキけんぞう氏が自ら担当。

○「多摩川しず香」　ソロシンガー。曲はコンピ収録の「プラチナエクスペリエンス」（この日は全組バックトラック使用）。サビの「♪エクスペリエ〜ンス」のところをステージ下のファンにマイクを向けて歌わせる。曲の途中で「シャチホコ」の芸（？）なども飛び出すコミック系に振ったパフォーマンス。けっこう良曲なんだけど、ちゃんと聴かせようという姿勢がまったくないところが逆にすごい。妙に流暢なトークも印象に残る。

○「デカシャツ喫茶」　女子2人組ユニット。名前の通りデカいシャツを着ているのが分かりやすい。コンピ収録曲「きせきのつるぎ」を歌う。ちなみにこの日のお客さんは、やはり普段の新宿タワレコとは一味違う雰囲気。お約束のケチャでの手首の柔らかい動きからは、いずれも只者ではない空気が感じられる。

○「ダークナースZERO」　本業も看護師というソロアーチスト。ステージ衣装はセクシー系の黒ナース。彼女だけサポートメンバーとしてギター1人を加えて2人での演奏であった。曲は「暗黒病棟24時」。メタル系のサウンド＋アニソン風メロディーという、いかにもアキバ系っぽいナンバー。お客さんも盛り上がる。

○「キラポジョ」　正式名称は「キラキラ六本木女学院」。女子14人組の大所帯ユニットだ。タワレコの小さいステージには当然全員乗れないので、お客さんとの境界の柵を移動させてスペースを作るところから始まる。3列になって歌うのは「あー！もう好き！」。けっこうサビのメロディーが耳に残る。メンバーの衣装は制服、チア、着ぐるみ…など多彩。ルックスも普通の女子高生風からアイドルっぽい子まで幅広く。冒頭ではプロデューサーである泉忠司氏とサエキ氏とのミニトークもあり。

○「古川未鈴」　「ふるかわ・みりん」さん。秋葉原のライブバー「ディアステージ」でも活躍中…ということで人気は抜群。ファンのヲタ芸、さらにはMIXも発動され新宿タワレコのフロアが一気にカオスと化す。「リモコンディスコ」「ミリカル・ファンタジー」の計2曲。トークも煽りもとにかく上手いのでお客さんもどんどん盛り上がる。ちなみに「リモコン…」は作詞がサエキ氏、作曲はエレクトリンク（elect-link）の木恵つよし氏なのね〜。何気ないことだけどちょっと親近感。

○「吉河順央」　「よしかわ・すなお」さん。コンピには「ピヨラビ」というユニットで参加してるけど、この日はソロでの出演。彼女も「ディアステージ」で活躍中。歌ったのは3曲。MIXなどヲタ芸で盛り上がれるアゲアゲ系のアニソン風ナンバー2曲とじっくり聴かせるメロディアスなミディアム曲。アキバ系アイドルといえばボーカル云々ではなくおもしろさ、楽しさで勝負する傾向があるけど、彼女は水樹奈々風のしっかりした歌唱が印象的だった。MIXのタワレコ・バージョンみたいなのでも盛り上がる。

金曜の夜の新宿タワレコといえば仕事帰りのお客さんが多いのですが、この日はまったく異世界という感じでしたね。21時の終了後さらに長い時間かけて握手会が行われてました。CD1枚買うと合計20人と握手できる…というなかなかおいしいイベントだったみたいです。

開演20時05分→終演21時。