2013/03/23　GRINCH、Merpeoples、honeydew、Endless Summer　新宿 MARZ

「GRINCH “THRASH BREAK Vol.004” レコ発 “硫酸GIG Vol.3”」。お目当てはマーピープルズ。主催者であるGRINCHのメンバーが親しくしてるバンドばかりを呼んだイベントということで、会場の雰囲気も心なしかアットホーム感漂うもの。でもステージでの演奏はそれぞれ熱かったですね。

○「Endless Summer」　男性3人組ユニット。マニピュレーター、シンセ、ギター/シンセ…といった編成だけど、曲によっては持ち場を交替したりもする。サウンド的には、エレクトリックでクールなダンスサウンド（インスト）。ハウスっぽい曲が多かったかな。打ち込みのトラックと生演奏を組み合わせているので、機材の調整などで曲間にインターバルが出来てしまったりするのがちょっと惜しかった感じ。曲そのものはけっこうよかっただけにね。いわゆる4つ打ちの曲から、非常に高速のビートを刻む曲、混沌としたサウンドが延々と続く曲…などバリエーションもあって良い感じ。全5曲、約30分。

○「honeydew」　「ハニーデュー」。ボーカル/ギター、ボーカル/ベース、ドラムス…の男女3Pバンド（ベースのみ女性）。メインボーカルはギターの男性。ベースの女性も歌う曲ではツインボーカルになる感じ。サウンドはアメリカンな雰囲気の豪快なロック。フライヤーを見ると、もともとニューヨークで結成されたバンドだそうで、歌詞もほとんど英語となっている（一部日本語）。持ち味は、ボーカルよりむしろダイナミックなギター演奏とバンド全体で生み出すグルーヴ感だろう。スリーピースならではのシンプルな力強さ、ガレージ感にも通じる華やかさを備えたサウンドで、パワフルな楽曲を一気に演奏していく。途中、エフェクターか何かの不調で苦労してたみたいだけど、その間も音自体は決して止めない。初見の聴き手にとっては十分迫力あるサウンドに感じられた。全7曲、約39分。

○「Merpeoples」　ライブを見るのはこの日でちょうど20回目。メンバー4人での演奏（ボーカル/ギター、ベース、キーボード、ドラムス）。衣装はそれぞればらばらだけど、みんな春っぽい女性らしいもの。さやかさんはいつもとイメージ違うな…と思ったら髪をかなり短く切っていた。とても似合ってる。シャルロットさんは、淡い色のカーディガンとプリント柄のストッキングを組み合わせる個性的な装い。こちらも「らしい」雰囲気かな。セットリストは、「ライアー」「Mutter」「きみのすべて」「シャーマン」「Silent Sleep」「メトロポリス」「い・け・な・い・ルージュマジック」「tinkle」…の全8曲（しおりさんツイッター参照）。
この日はステージへの登場からけっこうハイテンションだったメンバー。一人一人ポーズを決めていく。GRINCHは「気心知れたバンド」ということで、リラックスしながら楽しんでたみたい。お客さんにもその雰囲気は十分伝わっていたようだ。フロアもいつも以上にノリがよかった気がした。未発表曲の中では、冒頭にやった「ライアー」と、シャルさんが鈴を使ってリズムをとる「Silent Sleep」がこのところの定番になりつつある。聴き手も徐々に曲を覚えてきて、そのリズムが身体になじんできている。今後もっとよくなっていきそう。おなじみの曲では、「シャーマン」のイントロでギターの音が入ってこない。「新アレンジか？」と思ったら、これは単に機材トラブルだったみたい。音を止めてもう一回最初からやりなおす。「い・け・な・い・ルージュマジック」では、途中でギターを降ろしたシャルさん、前列のお客さんにハンドマイクを向けてサビのところを一緒に歌ってもらったり。このへんは素直に楽しいステージ。
この日は、シャルさん自身「なんかもう1曲ごとにMCしてるよね…」というぐらいトークも好調。あんまりしゃべりすぎるので、しおりさんが見切り発車する場面も2回ぐらいあったかな。結果的に持ち時間を10分オーバー。たしかにあんまりユルユルになってしまうとマーピープルズのカッコよさという持ち味が消されてしまうこともあるかもしれないけど、まあこの日は身内ノリのイベントだったということで。曲数も多めに聴けて楽しめたしね。全8曲、約50分。

○「GRINCH」　「グリンチ」。女性ボーカル×2、ギター×2、ベース、ドラムス…の男女6人組バンド。もともとは早大のサークル系バンドだそうだ。サウンド的にはパワーポップといえばいいのかな。メロディーや歌詞にはいわゆるギターポップ的な爽やかな要素を備えつつ、全体的にはハードなギターサウンドを大きくフィーチュアしている。さらに、ハモリや掛け合い、あるいは違う歌詞を同時に歌う重唱…など、さまざまなパターンによってアクセントをつけていくツインボーカル。このバンドの大きな個性といっていいだろう。パワフルなバックのサウンドに負けない力強さも感じられた。ちなみに、この2人の女性ボーカル、衣装やヘアスタイルなども「ボーイッシュ」と「ガーリー」でうまく対になるようにビジュアル面を工夫しているところはおもしろいと思った。
オープニングから2曲ぐらいは英語詞。ずっとこのままかな…と思っていたら、3曲目あたりから日本語詞になっていく。スピード感のあるナンバーを中心に、時折ミディアムっぽい曲も。こうしたメリハリのつけ方も聴きやすくてよかったな。7曲目までMC一切なしで突っ走る。MCはクジで当たったというベースの人が担当。メンバー全員口数は少ないみたいだけど、ポップな音楽性とダイナミックなサウンドが印象に残った。密度が高く聴き応えのあったステージ。アンコール1曲を含め全10曲、約50分。

マーピープルズ以外は予備知識なしでしたが、インパクトがあったのはやっぱり最後のGRINCHかな。早大出身バンドの先輩としてはワッフルズもいますが、アレンジによっては通じるところがあるかも…なんて気にもなりました。ちなみにマーピープルズは4月のライブ告知もいろいろ。そっちも楽しみです。

開演18時10分→終演21時29分。

2013/03/23　のあのわ　新宿 タワーレコード（インストア）

2年半ぶりのフルアルバム「Cry Like a Monster」のプロモーションイベント。のあのわを見るのは約1年4カ月ぶり。この間にドラムスが脱退し、現在のメンバーは4人になっている。会場についてまず気づいたのは、以前ならのあのわの音楽の象徴でもあった、Yukkoさんのチェロが見えなくなっていること。新しいのあのわはどんな感じなのかな…と考えながらステージを待ちました。

この日の演奏はもちろんメンバー4人で。女性ボーカル/シンセ、アコースティックギター/パーカッション、キーボード、パーカッション。まず、ボーカルのYukkoさんだけど、基本的にはボーカル中心かな。後半になると、ボーカルにエフェクターでエコーをかけたりループさせたり…声そのものを楽器のように操作して、サウンドにアクセントを加えていたのが印象的だった。また、インストアということでベースのnakame氏がパーカッション担当に。ギターのゴウ氏とパートを交替する曲もある。ちなみに、ライブハウスなどで行う通常のライブはサポートドラムが加わり、全員本来のパートに戻るようだ。
セットリストは、1曲目にやった「Have a Good Day!」以外はすべて新作「Cry Like a Monster」からのナンバー。MCで「今回のアルバムを聴いた人から、すごく変わったね…と言われるんだけど、やってる方は2年半かかって徐々に変化してきてるから、そんなに変わったとは思わないんですよ…」といったことを話していた。たしかに、表面的にはチェロのパートがなくなり、それによって表現されていたドラマチックだったりミュージカルっぽかったりといった要素は大幅に減っている。でも、この日のライブを聴くと、音楽的な工夫が随所に聴かれ、また全体にロマンチックなストーリー性を感じさせる曲想という部分は、基本的に変わっていないことが感じられた。チェロを使わないことによるマイナス要素はほとんど感じられず、非常に聴き応えのあるライブになっていたのではないだろうか。また、インストアであってもまったく手は抜かず、リリースしたばかりの作品をいきなり新バージョンで聴かせるといった、ミュージックラバーならではの熱さも伝わって来たしね。ただ、チェロをフィーチュアするのをやめたことで新しく獲得したものが何なのか…は、この日のイベントだけではよくわからなかった。やはり、そのあたりはワンマンなどライブをきっちり聴いてから判断しなくてはならないのだろう。全6曲、約30分。

告知していたワンマンのスケジュールはちょうど別のライブのチケットをもう押さえてしまっている日。残念…。でも、そのうちまた機会を見つけて聴いてみたいものです。新しいパターンの曲とこれまでの曲をどう共存させていくのか、そのへんもけっこう興味ありますしね。

開演14時03分→終演14時33分。

2013/03/23　バニラビーンズ　渋谷 宮下公園（野外特設ステージ）

渋谷・原宿の約300のショップが参加するファッションの祭典「SHIBUYA FASHION FESTIVAL.3」にバニラビーンズが出演。会場は、タワーレコード渋谷店からもほど近い明治通り沿いの宮下公園。近くを通ることはよくありますが、公園内に入ったのはこの日が初めてでした。土曜の正午からという浅い時間帯のイベントでしたが、お客さんはけっこう集まってましたね。

定刻ぎりぎりで会場に到着。1分もしないうちに登場曲が流れ始める感じ。ちょっと焦ったわ…。この日の衣装は、先日のLOFTでお披露目された「対バン」バージョン。といっても、バンド演奏はなくメンバー2人＋バックトラックでのステージ。セットリストは、「ベイビィ・ポータブル・ロック」「ニコラ」「チョコミントフレーバータイム」「キラーキュイーン」…の全4曲。
この日は薄曇りながら春先らしい爽やかな気候。1曲目の歌い出し、「♪春なのにデートもしないの？ ベイビー不思議じゃない？」…に思わず凹まされそうになるけど、この日は持ち歌の中でも春らしい雰囲気の曲を集めてた感じだったかな。個人的には、バンドライブ以外でのバニビを見るのは約5カ月ぶり。比較的コンパクトなイベントだったけど、リラックスしてゆったり聴くバニラビーンズの楽しさも改めて感じられた。定番曲ばかりだからステージ運びは超安定。舞台自体がわりと高めで足元までばっちりチェックできたのもよかった。
持ち時間が短めのため、MCの自己紹介も短縮バージョン。いつものイチオシアイドルや好きな街紹介がなかったかわりに、ファッションイベントらしくリサさん中心に渋谷周辺のおすすめショップなどについてけっこう詳しめのトーク。その結果、当初20分の出演予定だったにもかかわらず、終わってみたらきっちり26分使っていた。自己紹介を短縮した意味あまりなかったかも…。

その他では、「早い時間帯なのにお客さんいっぱい来てくれてうれしい…」「私たちの服、真冬でもノースリーヴなので暖かくなってきて快適…」といった話題など。開演まで待機してたというタワーカフェ（タワレコ2F）にもそのうち行ってみたいものです。

開演12時→終演12時26分。