2015/09/21　みみめめMIMI、分島花音　代官山 UNIT

みみめめMIMIの自主企画イベント「視聴覚アカデミーVol.3」。お目当てはこの日がライブ初見の「みみめめMIMI」。わずか1週間ほど前にファンになったという超新参だけど、たまたま直近でこのイベントがあることを知り、3日前に駆け込みで前売りチケットを購入。当然入場順はかなり遅く、ぎっしり満員のフロアに降りるのが精一杯…という厳しい環境だったけど、奇跡的に人垣の合間からステージを見通せる位置を確保でき、なんとか視覚でもライブを楽しむことができました。

○「分島花音」　この日のゲスト。チェロを弾きながら歌うソロアーチスト「わけしま・かのん」の名前はけっこう以前から知ってたけど、ライブを見るのはこの日が初めて。自身のボーカル/チェロ。それ以外のサウンドはすべてバックトラック使用。
最初の2曲は椅子に腰かけて、チェロを弾きながら歌う。ミステリアスな雰囲気のミディアムナンバーだ。この時はまったく姿が見えない。「この状態がずっと続くと厳しいなあ…」と思ってたら、3曲目からは立って歌ってくれた。これでようやく肩から上くらいが見えるようになった。チェロも立ち弾きで。曲によってはチェロを放してハンドマイクで動き回りながら歌う曲もある。
楽曲の雰囲気をひとことで表すなら「新世代の歌謡曲」とでもいえばいいのかな。ドラマチックでメロディアスな曲調。基本アニソン系なんだけど、ボーカルがいわゆるアニメ声じゃないのでガチャガチャしたところがなく落ち着いて聴ける。もちろん、後半になってくるとアッパーの盛り上げナンバーも。ファンが一斉にフラッグを振るのがお約束らしい曲では、「右上げて、左下げない」みたいな手旗ゲームがなぜか英語詞で組み込んであったりして楽しい。
MCも落ち着いたお姉さんっぽい語り口。みみめめMIMIのタカオユキさんとはプライベートでも仲良くしてもらってて…みたいな話など。「今日は少し時間があるので長めにおしゃべりしますね…」と余裕のあるステージングだった。全6曲、約42分。

○「みみめめMIMI」　みみめめMIMIは、シンガーソングライターの「タカオユキ」さんとイラストレーターの「ちゃもーい」さんによる2人組ユニット。聴覚と視覚の両方を刺激するユニット…なんだけど、そのステージは実質的に音楽面を担当する「タカオユキさんのソロ」ということになる。
この日は自身のボーカル/キーボードに加えて、ドラムス、DJ（マニピュレーター兼ダンサー？）。3人でのステージ。サウンドは基本バックトラックが主体。タカオユキさんの衣装は黒地の着物をアレンジしたような和風のスタイルだった。セットリストは、「CANDY MAGIC」「Mr. Darling」「no name love song」「お絵描き」「1、2、少女」「天手古舞」「瞬間リアリティー」「サヨナラ嘘ツキ」、アンコールで「シュガーソングとビターステップ（カバー）」…の全9曲。
ライブ初見の感想をざくっと書くと…予想以上によかったわ〜！ ぎっしりのお客さんの間から垣間見る感じのステージだったんだけど、始まるといつの間にかその見づらさも忘れて夢中になって聴いていた。まず楽曲よし、ボーカルよし。曲はアンコールのカバーを除いてすべて彼女の自作。とにかくものすごくポップでキャッチー。いわゆるシンガーソングライターというイメージよりも、職業作家的な洗練を感じさせるメロディーがとても印象に残る。しかも、どの曲にも彼女らしい独特の「クセ」みたいなものがあって、聴くほどにどんどんやみつきになっていくようだ。ボーカルにも個性と聴きやすさが同居している。輪郭のくっきりした存在感のあるボーカル、そしてかわいい声質。その最大の魅力はここぞというところでの「しゃくる」ような歌い方かな。CDを聴いていた段階から、「のあのわ」のゆっけさんの歌声を思い出していた。あの歌い方が好きな人にはたまらないはず。いいわ〜！
ステージでのパフォーマンスも落ち着いていて堂々としている。半分くらいの曲で弾くキーボード（ピアノ）の腕前もかなりのものではないだろうか。「お絵描き」ではステージ上の3人がそれぞれソロ（DJはスクラッチ）をまわしながらの自己紹介があるんだけど、ここでのピアノソロもお見事。客席を沸かせていた。かと思うと、新曲「天手古舞（てんてこまい）」ではオリジナル手ぬぐいを使った振りつけをお客さんに指導、自らも踊る。このへんは十分アイドルっぽいのだった（実際ルックスもかわいいしね）。この他にもフラッグを振る曲、コールアンドレスポンスをする曲…などもあって飽きさせない。VJも2曲（「Mr. Darling」と「サヨナラ嘘ツキ」だったかな）。視聴覚ユニットということで全曲VJつき…くらいの勢いかなと思ってたら、そこはそれほどでもなかった。
MCものびのび。自主企画イベントで自身のファンが多いホーム環境…ということもあったんだろうけど、気どりのない親しみやすいトークは楽しく好印象。開演前に「視力検査」と称したスライドを使った影アナをやるんだけど、ここでもファンと自在にやりとりしていた。告知関係では11/12に「天手古舞」がNEWシングルとしてリリースされるよ！…という発表なども。

アンコールはゲストの分島花音さん（ボーカル/チェロ）を呼び込んでのセッション。曲はUNISON SQUARE GARDENのカバー。アニメ主題歌ということでお客さんもオリジナルと同じくらい盛り上がっている。このへんはアニソンファン以外はやや置いていかれるところ…。ちなみにアンコールでのタカオさんと分島さん、お互いのオリジナルTシャツを交換して着ていた。全9曲、約1時間17分。

最初に見ることができたステージが「準ワンマン」といっていいような内容だったのはラッキーでした。急遽だったけど行って良かったです。それにしてもアニソン系のライブはいつ行っても本当に お客さん多いよねえ。でも、タカオユキさんのパフォーマンスを見てると、アニソン云々とは関係なくこれくらい人気あるのも頷ける感じ。そう簡単じゃないかもしれないけど、また機会があったら見てみたいな。

開演18時07分→終演20時13分。

2015/09/19　ふぇのたす　新代田 FEVER（ワンマン）

「ふぇのたす解散ライブ〜2015ねん、なつ（追加公演）」。前月（8/6）、この日と同じ新代田FEVERで解散を発表したふぇのたすのファイナルライブ。当初、夜のみ1回公演の予定だったのですが、チケットが先行抽選でソールドアウトし、はずれた人も多かった…ということで急遽、昼間に「追加公演」が行われることに。そのおかげでなんとかふぇのたす最後の日を見届けることができることになりました。

直前情報では「追加公演のみ当日券も若干発売」ということで、厳密にはソールドアウトではなかったみたいだけど、ホールに入ると最後方のPAブースの前まで、ほぼお客さんで埋まっている。解散を惜しむファンがこんなにいたんだなあ…と改めて感じる。一般チケットで入場が遅かったので、真ん中あたりまで行くのも全然無理。かなり後ろから。それでも、どうにかステージを見通せる位置がとれたのはラッキーだった。
メンバー2人でのステージ（ボーカル、ギター）。サウンドはバックトラック併用。ステージに登場してすぐ、みこたすが金髪に変わってるのに気がついた。
セットリストは、「たす＋たす」「東京おしゃれタウン」「かわいいだけじゃダメみたい」「いい感じ！〜どれにしようかな〜」「すしですし」「チーズケーキコンプリーション」「おばけになっても」「今夜がおわらない」「（メドレー）たびたびアバンチュール〜ファッション戦争〜ヘッドホンガール〜ウルトラデラックススーパーストーリー」「スピーカーボーイ」「ありがたす」「夜更かしメトロ」「ふふふ」…の全16曲。

事前に発表されていたタイムテーブルではライブは「60分」となっていた。いかにも短いがメンバーを1人欠いた状態でのステージなのだから、ある意味仕方ないのかな…と思っていた。それが今のふぇのたすに出来る精一杯であるなら、それを見届けるしかないのだろうな。そんな気持ちだった。しかし…終わってみればライブは予定の5割増しでおよそ「90分」、曲数も（一部メドレー処理していたとはいえ）16曲とたっぷり聴き応えあるボリューム。なんだかんだいって音楽が好きな人間の本能として、準備にかかったら「あれもやりたい、これもやりたい」となっていったのだろうということが想像できる。ファンとしてはうれしい誤算で、ふぇのたす最後のステージを思い切り堪能できたのだった。
雰囲気もふぇのたすらしく楽しく和やかなものだった。前回、解散を発表したライブでのような「何か張りつめた感じ」はなくなって、気持ちを固めた穏やかさ、やりきった清々しさのようなような空気がステージから伝わってきた。お客さんもアッパーな曲ではノリノリに身体を動かし、振りつけやコールを楽しみ、MCはたびたび笑いにつつまれた。
「たす＋たす」でのヤマモト氏のラップ、「東京おしゃれタウン」でみこたすがリードしてのコール＆レスポンス。「いい感じ！〜どれにしようかな〜」では、スタジオ練習の時によく歌ってたという「替え歌」も披露。幻に終わったキャンペーンでネタとしてやろうと思ってたのだそう。「今日聴いてもらえてすっきりしました！」。「すしですし」ではみこたすが間奏のタイミングを間違えて、最初からやり直すハプニング。でも、もう一回聴ける！とお客さんも喜んでたんじゃないかな…。そして、「おばけになっても」での最後の雑魚踊り。ホワホワホワ〜と会場中が踊っていた。最初、「次はみんなで踊りますよ」と言われた時に、お客さんがやや戸惑ったように見えたのは、たぶん「ミキヒコ氏が亡くなったのにこの曲やっていいの？」というところだったのだと思う。でも、聴きながら思い直した。「♪おばけになっても好きだよ〜」と歌ってるんだから。別に封印する必要なんてないのだ。
セットリストは代表曲中心。ライブでは聴き納めとなるすべての曲が印象深かった。2012年12月、下北沢GARDENでのライブを見てなんとなく気になって以来、ふぇのたすは自分にとってはずっと「ライブバンド」だったと思う。音源ももちろん良かったけど、でもライブの楽しさこそがいちばんの魅力のバンドだった。その意味では、最後にもう一度ライブを聴けただけで十分だったかな。

前半のMCでは最後のグッズ告知など。この日のみこたすの衣装は、解散ライブオリジナルTシャツを改造したもの。また、最初で最後のシングルとなった「いい感じ！〜どれにしようかな〜」が翌週から配信でも買えるようになる…という発表なども。
終盤、「ありがたす」の後にはメンバーからそれぞれ挨拶。ヤマモト氏「約3年間、始めた時からずっと楽しくやろうということを目標にやってきた。そう思ってやっていたら、その楽しさは関係者やファンの人を巻き込んでどんどん広がっていくものだということがわかった」。みこたす「ふぇのたすでの3年は高校の3年間みたいだった。いろんな人との出会いがあって、それまでとはまったく違う世界を経験できた。ショウさんは曲をつくってくれて、ミキヒコ君は落ち込んでいる時に励ましてくれた。ミキヒコ君がいなかったらたぶん続けられてなかった。バンドはなくなるけど、私たちが出会ったという事実は消えない。ファンの皆さんとの出会いも消えない」。文字にするとけっこうまじめな話なんだけど、2人ともとても穏やかに、時にユーモアを交えて話していたのが印象的だった。そして、今後の予定などははっきりとは言ってなかったけど、「これからもどこかで会ったらよろしく」ということをそれぞれつけ加えていた。頑張ってほしいと素直に思った。

「夜更かしメトロ」の後、最近のライブでよくある客席フロアを背にしての写真撮影。そして、「今日は解散ライブなのでアンコールはありません。最後はみんながゆったりした気分で帰れるようにこの曲です…」と言って演奏したのは「ふふふ」だった。最後のライブの最後の曲に、どちらかといえば小品っぽい脱力系ナンバーをもってくるところも、いかにもふぇのたすらしかった。全16曲、約1時間29分。

後でツイッターなどを見ると、夜の回（本当のファイナルライブ）もセットリストはまったく同じだったみたい。その後、引き続いて「飲み会イベント」が行われ、そこでは「ふぇのたすは今後は飲み会として続いていく」という発表もあったとか。また、時間がたって気持ちが変わったら再開/復活という選択肢もあっていいのかなとも思います。のんびりと待っていますよ。

開演15時10分→終演16時39分。

2015/09/12　Doll☆Elements　錦糸町 タワーレコード（インストア）

12月リリース予定のNEWアルバム予約イベント。このシリーズとしては最初のインストアイベントが、見やすさではダントツの錦糸町タワレコで行われる…ということで。出がけにツイッターを確認すると、るなぽん（小島瑠那さん）が足首をねんざしたため、「イベントでは歌唱のみとなります」とのこと。

会場に到着すると…なんといつものステージが出てない！ お客さんと同じ高さの床面でのパフォーマンスのようだ。「かなり見にくそうだなあ…」とテンション一気に低下。ところが、前方4〜5列のお客さんはみんな床に座り込んでいる。スタッフが「今日はステージがないので、前の方のお客さんには座ってご観覧いただくようになります」とアナウンスしているのだった。だったらいけんじゃないの？…と再びテンションアップ。立ち最前の見やすい位置をキープしてイベントスタートを待つ。
定刻になって最初に登場したのはるなぽん。足をかばいながらゆっくり歩いてくる。ファンが拍手で迎えると、申し訳なさそうに「そんなに注目しないで…」みたいなそぶりと表情。なんかかわいい。そんなるなぽんの定位置はいちばん上手側の椅子。そこに腰かけて歌うみたい。自分のいた場所からは柱でちょうど死角になる位置。うーん、せっかくイベントに来て推しがほとんど見えないとは…。残念だけど仕方ないか。

オーバーチュアとともに他の4人のメンバーも登場。衣装は8月のワンマンでも着ていた新しいバージョン。上半身はちょっとモコモコの素材で秋冬イメージかな。スカートはアンシンメトリーになってて回るとふわっと広がる感じ。セットリストは、「君とミライ作りたい!」「君のトナリで踊りたい!」「LOVE ME DO」「Scream And Shout」「MAKE UP」…の全5曲。
NEWアルバムの予約イベントだけど、まだ時期が早いのでやったのはすべて既発曲。まあこのへんは当然予想されたことではある。1曲目「君とミライ作りたい!」は歌い出しがいきなりるなぽん。歌唱のみの参加だったけどけっこう存在感は効いていた。やっぱり彼女の声質は、他のメンバーとはまったく違うので、どるえれの楽曲の中でもけっこうなアクセントになっていることが再確認できる（ただし姿が見えないのが惜しい）。
視覚的には、ステージなしにもかかわらず「立ち最前」という非常にいい場所から見ることができたので、メンバーの足元までばっちり。やっぱいいわ〜錦糸町。リキッドルームのワンマンでは上半身くらいしか見えなくてたまってたもやもやが一気に吹き飛んだよ。距離的にもまあまあ近かったしね。そんな位置で見て改めて感じたのはメンバーの細さ！ 元気っ子のゆきのん（小森ゆきのさん）でさえ十分細く感じる。そしてごんちゃん（権田夏海さん）の白さかな。
パフォーマンスは基本的にるなぽんの位置を空けてやるパターン。急に変えるのも難しいんだろうね。MCではゆきのんが告知を間違えて、「もうゆきのんには告知はやらせない」と言われるちょっとした事故など。めげずに頑張っていただきたいところ。全5曲、約31分。

選曲的な部分では新鮮味はそうなかったけど、やっぱりアイドルはちゃんと見えると楽しいということを証明したようなイベントだったかな。終了後の特典会については、「用意したCDが売り切れたので、あとはアルバム予約のみ…」みたいな感じ。土曜だしけっこうファン集まってたみたい。

開演18時32分→終演19時03分。