2019/03/06　nuance、ゑんら、校庭カメラガールドライ　渋谷 タワーレコードB1（CUTUP STUDIO）

「エクストロメ フリーイベント！nuance！ゑんら！校庭カメラガールドライ！」。アイドルグループ3組による合同リリースイベント。お目当てはnuance（ヌュアンス）。特典券を持っている人から優先入場…というシステムだったが、定刻10分前くらいに行ってみるとフリーパスでどんどん入れる状態だった。全組初見でライブのノリがいまいちわからないので、中段の端の方で様子を見ながらスタートを待った。

○「校庭カメラガールドライ」　3人組ラップグループ。トラックは重量感のある4つ打ちEDM。テンポはわりとゆったりめだが、それだけに雰囲気はかなりダークなもの。ラップもデスボイスを多用して謎めいている。照明が逆光で、ほとんどメンバーのシルエットしか見えない。わずかにわかるのは、衣装が傾奇者（かぶきもの）風の和テイストということくらい。そのままシームレスにさらにアッパーな曲につなぎ、最後はゆったりしたレゲエとスピード感のあるダンスサウンドを交互に繰り返す曲で締める…。
フロアはオープニングからいきなりアゲアゲだったね。日常的にストレスがたまりまくるような生活をしていると、時にはこういう音楽を聴いて発散するのもありかも…という気はちょっとした。最後は音が止まると、そのままMCなしではけていく。たしかにスタイリッシュではある。全3曲、約24分。

○「ゑんら」　3人組セルフプロデュースアイドル。メンバーのうちの1人は、以前グラビアもやっていた元dropの滝口ひかりさん。楽曲や衣装のコンセプトはずばり「和」。和風といっても、オープニングの新曲「妖怪ディスコ」に象徴されるように、夜の世界、あやかしや物の怪の気配に通じるような独特のイメージの「和」といえる。他のグループがやってないニッチなところを狙うアイデアとしてはありだろう。
ただ、予備知識まったくなしで見てしまったこともあり、この日のステージだけからは「なぜ妖怪なのか」という背景、いわば"物語"まではあまり伝わってこなかったかな。彼女たちの時間帯はステージまでの見通しがきわめて悪く、そのパフォーマンスをちゃんと見ることができなかった影響もあったとは思うのだが…。全5曲、約28分。

○「nuance」　トリは「ヌュアンス」。本来は4人組なのだが、この日は1人が体調不良で欠席。3人でのステージ。セットリストは、「タイムマジックロンリー」「sanzan」「白昼ブランコ」「ルカルカ」「セツナシンドローム」「i=envY」「ミライサーカス」…の全7曲。
この日のお目当てグループ。初めて見るステージで7曲も聴けたのは期待以上だったね。それまでの2組の曲数から考えて、4曲目終わりのMCで「次が最後の曲です…」という流れになるんだろうな…と思っていた。ところが、出てきた言葉は「まだまだここから後半戦ですよ！」。えっ、そんなに長くやってくれるの？ トリだから持ち時間を気にしなくてもいいということ？…と意外でもあり、同時にうれしくもあり。でも、終わって時計を確かめてみると、そのステージは予定の持ち時間をたった「2分」しかオーバーしていなかった。
ライブを見ていると時を忘れてしまい、あっという間…ということはよくある。でも、逆に短い時間なのにその内容が濃く、とても長い時間だったように感じることもまたある。この日はどうやら後者だったようだ。奇をてらっているわけではないのに個性的でメロディアスな楽曲、どんどん変化していくフォーメーションと振り付け、動きながらもしっかり歌っている生のボーカル…。一曲一曲集中して聴くことができたね。とはいっても、この日のステージは3人（ヌュアンスリー）。やはり、ちゃんと4人でのパフォーマンスも見ておきたいもの。MCで告知していたワンマン（＠O-EAST）も気になるし…。全7曲、約27分。

前半はステージがあまりよく見えなかったのだけど、ヌュアンスの時には少し前に出て、わりと見通せる場所をとることができた。ライブハウスの位置どりは難しいものだが、この判断は正解だったようだ。終わって後ろを見たら、フロアの最後方までほぼお客さんで埋まっていた。開演中にもどんどんお客さんが増えていたっぽい。各グループの人気を感じたイベントだった。

開演19時20分→終演20時42分。

2019/03/03　加納エミリ　新宿 HMV record shop 新宿ALTA（インストア）

2月リリースの7インチシングル「ごめんね」のプロモーションイベント。当日のお昼ごろにあるのを知って急遽出かけてみた。日曜とはいえ、朝からあいにくの冷たい雨。定刻15分くらい前に到着した時にはお客さん10人未満…。ただ、開演直前になると一気に増えて、まずまずの集客になってたかな。

ステージを見るのは約3週間ぶりで2回目。前回は彼女自身の「生誕ライブ」でもあり、とても混んでおり、それほどよく見えなかった。一転してこの日は見通しのいい2列目から。特色のある振り付けもばっちり見られそう…と思いながらスタートを待った。
バックトラックを使った1人でのステージ。衣装はショッキングピンクが鮮やかなワンピースで、足元も同系色のスニーカー。セットリストは、「Next Town」「二人のフィロソフィー」「Been With You」「ごめんね」…の全4曲。
曲調は前回で大体イメージできていたのだが、改めて聴いてみると、ユーロビート的なリズム、あるいはユーロポップっぽいメロディーなどが印象に残った。「Been With You」だけは、ちょっとシティポップ的なフレーバーを感じたけど、それも含めて80〜90年代の移行期あたりのサウンドといえそうだ。7インチ「ごめんね」の紹介では「初期の森高千里」風…という紹介のされ方をしていて、たしかにそれもあるが、同時にTPD（東京パフォーマンスドール）やWinkなどのエッセンスも感じる。このへんが好きな人にはとにかくグサグサきそうな音という気がした。
加納エミリさんのボーカルは、声質の良さがポイントではないだろうか。ちょっとだけ「泣き」が入った、いわゆる濡れた声質。歌い方自体はさらっとしているのだが、声自体がそんな感じなので、これまた歌謡曲っぽいサウンドにはぴったりだ。繰り返し聴いているとけっこうクセになってきそう…。
そして、注目の振り付けは、やはりけっこう独自なもの。「そこまでやらなくても…」というくらいのユニークな動きがたくさん取り入れられている。たしかにフックにはなるよね。この日はさえぎるものがなく、ばっちり堪能させていただいた。全4曲、約22分。

「Been With You」の終盤で「はい、ケチャどうぞ！」と合図すると、前の方のお客さんがいっせいに姿勢を低くしてケチャ。これはお約束っぽい。また、「ごめんね」では2番を歌わずに、3/3のひな祭りにちなんだ「ひなあられ（？）」をフロアに撒くパフォーマンスも。左手で投げてるということは左利きかな。アーチストでもあり、アイドルでもあり…という個性がしっかり感じられたステージだったね。

開演15時→終演15時22分。

2019/03/02　寺嶋由芙、MELLOW MELLOW、河野万里奈　池袋 Space emo

テイチク所属のアーチスト3組による合同リリースイベント。それぞれ4〜5月リリースの新曲の予約イベントとなっている。まとめて一気に聴けるのがいいなということで。土曜日の昼間。3組合同のわりには激混みとまではいかず、ステージ前に人が集中しているくらい。4列目の端あたりから。あまりステージ高のない会場のわりに見通しは良かったね。

○「河野万里奈」　再メジャーデビューが決まった河野さん。ライブを見るのは2016年5月のワンマン以来、約3年ぶりで6回目。バックトラックを使った1人でのステージ。セットリストは、「Morning Arch」「真人間入門」「背番号009」…の全3曲。
ステージに出てきた瞬間から彼女の溌剌としたエネルギーを感じた。とにかくもう一度ステージで歌えることがうれしくてしょうがない…そんな気持ちのこもったパフォーマンス。声には張りがあって、お客さんを煽る動きのひとつひとつもイキイキとしている。久しぶりに見た生の彼女だったけど、インターバルの空白が一瞬で消えていったような気がした。MCでは大好きな野球にたとえて自己紹介。「もともとはNPBでデビューしまして、その後独立リーグを経て、今回またNPBでプレーすることができるようになった感じです！」。デビューからの8年間のうち、およそ5年を独立リーグ（要はフリー）で過ごしてきたことになる。普通なら諦めてしまうだろう。本当にすごいことだと思う。
この日はじめて聴いた再デビュー曲「真人間入門」は、ポップなメロディーにのせて「脱ニート」的な心情を歌っている。苦境からの脱出というところが、彼女が置かれていた状況とクロスする感じなのだろうか。そのあたりもおいおい語ってくれることだろう。最後は、前回のワンマンでも披露していた野球をモチーフにした彼女らしいナンバー。「かっとばせ〜マリナーズ〜♪」…フロアのファンと一緒に盛り上がった。時間は短かったけど、熱いものが伝わってきたステージだった。約21分。

○「MELLOW MELLOW」　「メロウメロウ」は3人組ボーカル＆ダンスグループ。メンバーのうち2人はアイドルユニット「さんみゅ〜」との兼任でもある。サウンドはバックトラック使用。セットリストは、「君にタップ」「マジックランデブー」「Dear my star」「アテンションガール」…の全4曲。
ライブは初見。ただ、曲は何かのきっかけでSpotifyなどで聴いたことがあった。その意味では生のステージを見られるのはけっこう楽しみにしていた。この日は、4月リリース予定の「Dear my star」をはじめ4曲中の3曲がシングルナンバーという構成。初心者にはありがたいセットリストだった。第一印象は、どの曲もポップ度高めで楽しい…ということ。オープニングの「君にタップ」だけは、ややR＆Bテイスト強めの仕上がりながら、基本はポップで華やかさのある楽曲＋しっかりしたボーカルという組み合わせで、素直にいいなと思えるもの。新曲も良かったし、ラストのちょっとオールディーズっぽいアレンジの「アテンションガール」も印象に残った。
MCではお立ち台にあがって、「うちら全員（身長が）150センチないんで…」みたいな話も。でも、ステージではそれほど小柄だとは感じさせない存在感があったんじゃないかな。約20分。

○「寺嶋由芙」　トリはゆっふぃー。バックトラックを使った1人でのステージ。セットリストは、「ねらいうち」「天使のテレパシー」「結婚願望が止まらない」「いい女をよろしく」…の全4曲。
注目はなんといっても4月リリース予定の新曲「いい女をよろしく」。聴いたのはこの日がお初。ちょっとハウスっぽいサウンド＋和テイスト？ 歌詞にはコミカルな要素もありそうだ。ダンスサウンドというところでは前作「君にトロピタイナ」からの流れも意識しつつ、ゆっふぃーお得意の楽しい内容に仕上げた感じかな。ただ、この日の段階ではもうちょっと聴き込んでみたいなという気がした。メロディーなども決して簡単な曲ではないので、歌い込みも必要だろうしね。…と前作の時と同じようなことを書いているのだが、「トロピタイナ」も今ではすっかり好きな曲になっているので、そう心配はしていない。
衣装ももちろん新曲バージョン。シルバー＋ブラックで、大人っぽさもあり華やかさもあり。身体にぴったりしたデザインも、スタイルのいいゆっふぃーだけにばっちり着こなしてたんじゃないかな。あと、かなり大きな羽根の髪飾りもポイントだろう。MCでは、これまでのMVが「フル」で視聴できるYouTubeチャンネルの開設や今後のリリイベの告知など。約23分。

3組で約1時間。それぞれの持ち時間はそう長くないとはいえ、インターバルほとんどなしで続けて聴くと、けっこうしっかり見たなという感覚に。インストアじゃなくてライブハウス（的空間）というところもよかったのかもね。こういうスタイルのイベント、顔ぶれにもよるけどあったらまた行ってみたい。

開演13時→終演14時04分。