2019/05/03　ラッキーオールドサン　新宿 タワーレコード（インストア）

4/17リリースの3rdフルアルバム「旅するギター」のプロモーションイベント。定刻10分前くらいに到着したら、もうイベントスペースのフロアはあらかた埋まりかけていた。中盤、やや後方くらいから。最終的には入りきれないくらい多くのお客さんが集まったようだ。しかも若い人の比率が高い。20代が中心といった印象。着実な注目度の高まりを感じる会場の雰囲気だったんじゃないかな。

ラッキーオールドサンを見るのは約10カ月ぶりで6回目。メンバー2人（ボーカル/タンバリン、アコースティックギター/ボーカル/ブルースハープ）での演奏。後半ゲストとしてギター2人が加わる曲もある。セットリストは、「とつとつ」「二十一世紀」「ヤッホー」「ワンモアチャンス！」「愛はとこしえ」「旅するギター」「Rockin' Rescue」「ミッドナイトバス」…の全8曲。
1〜4曲目までは2人だけでの演奏となる。オープニング曲が「とつとつ」なのだが、まさに訥々としたサウンド、そして歌…といった雰囲気。しかし、これがラッキーオールドサンのベースになっている音楽だということはファンもよく知っている。静かにじっくりとその音に耳を傾けている。「二十一世紀」「ワンモアチャンス！」は2人が掛け合いでボーカルをとる。
5曲目「愛はとこしえ」から岩出拓十郎氏、6曲目「旅するギター」からはおなじみの田中ヤコブ氏がギターで加わる。ここからは音源でも聴けるラッキーオールドサンのもう一つの魅力、バンドサウンドの迫力をダイレクトに感じることができるステージとなった。この日はリズムセクション不在ではあったが、ナナさんの叩くタンバリンが意外なくらいしっかりリズムをキープしていく。「これこれ、この音ですよ〜！」と言いたくなる展開だ。バンドセットでのレコ発ワンマンにもぜひ行ってみたいと改めて思わされた（東京は8月とやや先ではあるが…）。
最後の「ミッドナイトバス」は再び2人だけのアコースティックサウンドで締めるのだが、それまでのダイナミックなステージの残り香が漂い、シンプルではあるがドライブの効いた感覚が印象的。ふと気づけば40分以上の時間が流れていた。非常に聴きごたえのあるインストアイベントだった。

MCでは、篠原氏が「最近はピアノをよく弾く」という話など。ギターだけでなくピアノで作曲することでまた音楽の世界が広がるのかもしれない。アルバムリリースに伴い、めでたく結婚したことを発表した彼らだけど、この日は特にそこについての言及はなかった。ただ、ニュースを知った時にもあまり意外性がないくらいお似合いの2人だけに、この日もとても穏やかで温かい空気感がステージを包んでいた。より関係性が深まったラッキーオールドサンの音楽にも注目していきたい。全8曲、約42分。

開演12時06分→終演12時48分。

2019/05/02　星野みちる、鈴木花純＆RiO、曽根由希江　高田馬場 四谷天窓.comfort

鈴木花純さん主催「Happy Time Happy Song vol.3」。お目当ては5日前にワンマンライブで聴いたばかりの星野みちるさん。整理番号はまあまあ早め。ピアノ弾き語りの横顔が見える下手側の席で。前のお客さんにもかぶらず、ちょうどいい位置だったね。comfortはこのところご無沙汰で約7年ぶり。ちょっと懐かしい気持ちも。あいかわらずステージが近くて本当に見やすい会場だ。

○「鈴木花純（オープニングアクト）」　主催者としての挨拶、チケット即日完売（！）のお礼、諸注意…などトーク中心のOA。この時の衣装は私服っぽいチェックのスカートだったかな。「もうそろそろ歌えってことですね」と披露してくれたのは、「忘れないでね、忘れないから」。持病の治療に専念することになったプロデューサーの「つぶP」氏が最後に書いてくれた曲だそう。作詞は花純さん自身。思いのこもったバラード曲。1曲のみ、約16分。

○「曽根由希江」　ソロのシンガーソングライター。ライブはこの日が初見。ピアノ弾き語りによる1人でのステージ。前半はラブソングなどバラード3連発。いかにもピアノ系女性シンガーソングライターっぽい雰囲気だったが、MCによると普段はバンド編成でのライブがほとんどなのだそう。後半はそんなバンドライブの雰囲気が想像できるようなアッパー曲中心で。お客さんもクラップとかシンガロングとか。最後は和風メロディーを感じるスケールの大きいナンバー。ベトナムとの国際交流イベントがきっかけでつくったそうだ。トークは気さくな感じ。後で調べたら星野みちるさんと同い年。久しぶりの共演だという話なども。全6曲、約41分。

○「鈴木花純＆RiO」　花純さんのライブを見るのは約1年半ぶりで3回目。この日は、前回もサポートとして出演していたバイオリニストのRiOさんとの"ユニット"としてのライブ。最初に2人で1曲やった後、花純さんソロ2曲、RiOさんソロ2曲、最後に再び2人で2曲…という構成。ボーカル、バイオリン＋バックトラック。2人でのステージ。
花純さんはOAの時とは違う衣装に着替えて再登場。白のケープつきワンピース。差し色が薄いグリーンで清楚な雰囲気。RiOさんの黒のドレスとのコントラストが鮮やかでステージ映えしてたね。彼女のオリジナルはほとんどがバラード曲のようだ。以前、2人組アイドルユニット「テレジア」として活動していた時代からそうだったみたいで、アイドルオタクの人に「これじゃ沸けねえわ」みたいに言われた…という思い出の話も。でも、ソロになってからもその路線を続けているということは、彼女自身が歌い上げるバラード曲が好きなのだろう。しっかりした歌を聴いていると本当にそんな感じが伝わってくる。曲調は正統派のポップス。さらに、たとえば架空のミュージカルの劇中歌…などというコンセプトで曲づくりしてもおもしろいんじゃないかなんて気もした。
一方のRiOさん。曲はもちろんインストだけど、こちらはアップテンポなナンバー。単独ライブではダンサーを引き連れて「踊るバイオリニスト」として活動しているそうで、アクティブなステージだったね。白石麻衣風の美人なので見てるお客さんもうっとり。終盤の2人そろっての曲は、バラード＋アッパーで楽しいナンバー。最後は華やかな雰囲気でのエンディングとなった。全7曲、約41分。

○「星野みちる」　ピアノ弾き語り。1人でのステージ。セットリストは、「ディスコティークに連れてって」「ONE-TIME LOVE」「キライよ」「Sweet Memories」「逆光」「ロックンロール・アップルパイ」、アンコールで「マジック・アワー」…の全７曲。
オープニング2曲はピアノを縦横無尽に弾きまくるナンバー。弾き語りのイメージを超えている最近の彼女のライブを象徴する曲ではないだろうか。中盤はバラード2連発。「Sweet Memories」は松田聖子の有名曲カバー。2番の英語の歌詞が続くところもきれいに歌っていて見事。そして、終盤は最新作…非常にバランスのとれた選曲になっていたね。前回、あまりにもすばらしい3ピースでのワンマンを聴いた直後だったので、ギャップをどう感じるか、少し気にはなっていた。でもそれはまったくの杞憂だった。聴くたびに安定感を増しているのではないだろうか。
MCでは、「ここ（四谷天窓.comfort）はソロになって初めてライブに出演した場所なんですよ」という話など。当時はAKB48を卒業して1年後くらい。まだライブ経験は浅いのにトリでブッキングされたりして、共演者から嫌味っぽいことを言われたりしたこともあったとか…。良い思い出話がついつい過去の愚痴話になっていく展開に客席は大ウケ。たびたび笑いに包まれる。狙ってるのかどうかわからないけど、このトーク力は強力な一つの武器かもしれないよね。音楽とおしゃべりだけで楽しい時間。まさにライブの王道。全7曲、約45分（アンコール含む）。

終了後は全出演者が再登場してフォトセッション。客席を背景にした集合写真を撮るために、お客さんが出演者に自撮り棒を貸してあげたり、わきあいあいな雰囲気だったね。ちなみに鈴木花純さんはこの日のような小会場だけでなく、Zeppダイバーシティのような大きな場所でも自主企画を開催している。舞台上でも次回以降の出演交渉するなどオーガナイザーとしての顔ものぞかせていた。

開演18時35分→終演21時30分。

2019/04/29　ニコニコ♡LOVERS　秋葉原 AKIBAカルチャーズ劇場（ワンマン）

「ニコラバカルチャーズ撮可ライブ」。約4週間ぶり、4月だけで2回目のニコラバ定期公演。祝日でお客さん多めかなという雰囲気もあったものの、開場時間に行って下手4列目の見やすい席を確保。前回「ういりん見るなら上手側だね」と感じたのだが、そっちは若干席が埋まるのが早かったようだ。

○「にこにこ♡きゃんでぃ」　3月の「ニコフェス」以来、見るのは2回目のにこきゃん。前回6人で、次からは8人で活動…という話だったのだが、この日出演したメンバーは5人。あくまでもモデルさんの"部活"的ユニットということで、全員がそろうことにはさほど重きを置いてないのかもしれない。衣装は白の夏っぽいドレスで、紺のリボンが爽やか。オリジナル2曲とカバー（替え歌）の「夢見る子犬」の全3曲。パフォーマンスは前回見た印象よりもゆるめ。まったく振りが入ってない子がいるなど個人差が目についた。約15分。

○「地獄まで30センチ」　こちらも見るのは2回目のじごさん。3曲披露したのだが、曲によって5人→6人→3人と出演メンバーの人数が変化する。正規メンバーはまだ2人で、あとは研修生…といった話を前回していたので、その関係だろうね。まだまだ過渡期ということでパフォーマンスにはやはりバラつきがある印象。白基調の衣装はデコラティブで曲調にはあっていた。約14分。

○「ニコニコ♡STREET」　メンバー7人でのステージ。この日のニコストは「私服公演」。ライブでは初の試みだったそうで、普段とはちょっと雰囲気の違うステージになっていた。セットリストは、「ハッピーニューイヤーおもち」「ニャタデーナイトフィーバー」「Happy Morning」「レモンちゅーハイ」「運命なんてニャニャニャニャーン」「世界共通言語ネコ語計画」…の全6曲。
私服なので全員が違うテイストの洋服。ただ、いちおう各自の「担当カラー」を意識したコーディネートではあったようだ。その中でいちばん個性的だったのは石原すずかさん。「クレオパトラか！」と突っ込みたくなるようなAラインのロングワンピース。色はグレーに近い薄いブルー。さすが服飾学生という感じ。正統派は「清楚系でまとめた」という青山夢音さん。白襟のお嬢ワンピ。言うことなしのかわいさだったね。原色の黄色づかいにやたらインパクトがあったのは二宮亜美さん。ライブでも主に「煽り」を担当する彼女らしい元気さがよく出ていた。やっぱりメンバーのキャラクターもだんだんわかってきたニコストちゃんあたりが出てくるとほっとするし、それだけで楽しいね。全6曲、約28分。

○「ニコニコ♡LOVERS」　白石凛さんが休演で残るメンバー5人でのステージ。セットリストは、「1.2.3.4. step by step!」「夢見る恋ウサギ」「Summer Magic」「私だけのストーリー」「STARS」「二人のサマーショット」「卒業するまで待っててね」「Distant sky」、アンコールで「ONLY MINE!」「半分魔法少女」…の全10曲。
ニコラバについては、これまでなんだかんだでフルメンバーそろったステージばかり見てきた。そのため最初は「5人でのライブ、どんなものだろう？」という気持ちも若干あったのだけど、結果的にはあまり気にならず、いつも通りに楽しく見ることができたね。雨宮ういりさんもけっこう下手側に来てくれたし、前回見た時が初舞台だった新メンバーの山内ゆあさんもすっかり慣れて完全に溶け込んだパフォーマンス。ほぼ毎日のようになにかしらのライブをやっているグループなので、メンバーの成長スピードも速いのかもしれない。
目新しかったのはユニットコーナー。「二人のサマーショット」「卒業するまで待っててね」という普段は全体でやっている曲を、「雨宮・桃音・山内」「小針・西條・山内」という、それぞれ3人の選抜メンバーで歌う。そして、どっちの曲でもセンターポジションにいた時間がいちばん長かったのは山内さん。なかなかの「抜擢」ではないだろうか。新人にたくさんチャンスをあげたいということでもあるのかな。唯一のソロ曲もういりんでファンにはうれしい選曲だった。
アンコール動画は、「半分魔法少女」の"コール動画"。曲の内容とはあまり関係ないおふざけ系のコールなんだけど、最近はこういうのが流行ってるっぽい。でも、このコール動画で盛り上がったせいか、いつもよりアンコールの声が出ていたのはよかったんじゃないかな。全10曲、約52分。

ニコグルの4つのユニットを一度にまとめて見たのはこの日が初めて。OA的な位置づけの2組はまだまだ試行錯誤の段階という感じかな。やはり楽しく見られるのは「ニコスト」「ニコラバ」。この2組はMC力をあげるともっと人気出るんじゃないかという気がする。トークが比較的できるメンバーを選んでMCリーダーにするとか、やり方はいろいろありそう。

開演17時45分→終演19時37分。