2019/07/28　星野みちる　渋谷 7th FLOOR（ワンマン）

定期ワンマン「Pororin #3」。第三回ということで待たずに入れる入場のタイミングもほぼつかめてきた。メール予約なので当然手売りチケットのお客さんが入った後。前回までに比べるとステージに近い席で座れそうなところもいくつか。ただ、結果的にはゆったり聴ける後方のソファ席へ。この日はみちるさんが立って歌うので、近さよりも全体が見えた方がいいかなと…。

オープニングの2曲は、星野みちるさん（ボーカル）＋田中あやみさん（ピアノ）のデュオで。3曲目から吉良都さん（チェロ）が加わり3人での演奏に。以降、アンコールまでこのトリオでのステージとなる。
セットリストは、「もっともっともっと」「Wish on a Starry Night」「流れ星ランデブー」「ロックンロール・アップルパイ」「MISTY NIGHT, MISTY MORNING」「キライよ」「さよならブルーバード」「ディスコティークに連れてって」「ONE-TIME LOVE」「逆光」「恋のファンフェアー」「マジックアワー」「窓から」、アンコールで「行きたい方へ」…の全14曲。

このところずっと自分でピアノを弾きながら歌うスタイルだった星野みちるさんが、久しぶりにボーカルに専念したワンマン。それを楽しみに足を運んだファンも多かったかもしれない。
MCによると、「歌だけに集中するライブはもうやらないの？」「また立って歌うところが見たい」といったファンの声がけっこうあったので、だったら…ということで実現したそう。たしかに、このところの彼女のステージは非常に聴きごたえのあるもので、それはとても洗練されたピアノのアレンジによる部分も大きい。そのため「（本職ではない）ピアノ演奏の負担から彼女を解放して、歌に専念してもらったら、もっとすばらしいライブになるのでは？」という気もしていたのは事実。

では、実際にサポートピアノを迎えてのステージはどうだったのか。結論からいえば、歌に専念してのステージにも、自分でピアノを弾きながらのステージにも、それぞれに良さがある…と感じた。

まず、歌に専念したこの日のステージの良さは、第一には歌い手と客席がしっかり向きあっていたこと。物理的に正面を向いて歌ってくれたことによって、歌っている時の表情、手の振り、全身の動き…などがはっきり見え、それによって伝わってくるものが思った以上に大きいと感じた。視覚的なステージの楽しさは間違いなくある。
同時に、ピアノを弾きながら歌うステージでは、すべての音が彼女の表現になっていたのだな…ということにも改めて気づかされた。MCでも「久しぶりに立って歌うと、（歌のないパートが手持ちぶさたで）気持ちわるい」…みたいな話をしていた。これは、歌とピアノの両方で音楽を紡いでいく方が、彼女にとってはすでに手応えのあるものになっているからではないだろうか。ピアノ演奏の負担を引き受けてでも、「自分の音楽」を奏でる充実感を彼女はすでに知っているということだろう。

二つの演奏スタイルの違いがどこにあるかが体感的にわかった…という点で、この日のステージはとても意味ののあるものだったと思う。今の彼女は弾き語りでも十分に聴きごたえのある歌を歌える実力を持っている。ただ、時にはバンドを率いて歌う楽しいライブもあったらいいな、という感じだろうか。

ここからは印象に残ったポイントをメモ。
■みちるさんの衣装は、生成りっぽい白のAラインワンピース。ノースリーヴで全体に幾何学的なパターンがデザインされている。夏らしいさっぱりしたスタイリング。
■ピアノの田中あやみさんとの共演はこの日がお初だそう。ニックネームは「あやみん」。14曲をリハーサル1回で仕上げてしまったというからさすがはプロという感じである。みちるさんとの呼吸もステージが進むにしたがってどんどんよくなっていったんじゃないかな。ちなみに楽譜はタブレットに表示。ページをめくる時には指ですいっとスクロールする。イマドキっぽい。
■この日は、新編成ということもあって、いわゆる「新曲」はなし。これまでのアコースティック編成のステージで聴いたことのあるナンバーのみで構成されたセットリストになっていた。ピアノアレンジも、いつものみちるさん用のものとはやや違っていたように感じたが、基本は歌を支える穏やかなサウンド。
■立って歌うスタイルだが、その中でもマイクスタンドを使う曲とハンドマイクで歌う曲とがある。軽く振り付けを入れる曲も。細かい変化だけど、それぞれが楽曲のニュアンスに結びついている。
■MCでは、弾き語りがいつの間にか身体になじんでいた…というさっきの話のほか、制作中のアルバムの楽曲が八割がた集まったという報告など。有名音楽プロデューサーに書いてもらった曲も入るそう。もちろん「駅から2分のスタジオまでGoogle Mapを見ながら歩いたのに、道に迷い30分遅刻した」という恒例のドジ話も。
■本編ラストの「窓から」は撮影OK曲。オーガニックなアコースティックサウンドにお客さんのカメラのシャッター音が重なる。これが不思議と窓の外から聞こえる鳥のさえずりのよう！ 意外な効果が生まれていた。
■全14曲、約1時間29分（アンコール含む）。

この日、椅子席はほぼ埋まっていたものの、壁際のソファ席についてはけっこう空いていた。定期ライブは最初どんな感じか気になっても、その後続けてくる人ばかりではないから、どうしてもこうなるのかもしれない。いつもなら「うなじ席」になってしまうあたりでも歌うみちるさんがよく見えたはず。ちょっともったいなかったね。

開演12時36分→終演14時03分。

2019/07/26　Ange☆Reve　秋葉原 AKIBAカルチャーズ劇場（ワンマン）

「Ange☆Reve単独公演」。7/15の卒業ライブでグループを離れたさいごうみずきさんにかわる新メンバー原姫子さん（ひめたん）の東京での初ステージ。新体制お披露目自体は、前週末の"関ヶ原唄姫合戦"だったが、遠征しなかったファンにとっては節目の公演となる。といっても、平日でもあり、お客さんの出足は前回見た時と同じくらい。遅めの予約でも3列目端の見やすい席を確保できた。

メンバー5人でのステージ。セットリストは、「勇敢な恋のセレナーデ」「リトルピ」「堕天使の心モヨヲ」「Reality」「Limited Complex」「キミエモーション」「絶対リメンバー」「Colorful」…の全8曲。

ひめたん（都内）お披露目公演…ということで、やはり視線は原姫子さんに向かうよね。5人しかいないグループなのでステージに姿を見せるとすぐわかる。第一印象は…あら、かわいい！という感じだろうか。事前に写真や動画で見ていたのより、目の前で動いている方が断然魅力的。公称162センチの権田さん、水野さんと同じくらい身長があってスタイルがとてもいい。メンバーで唯一となるショートカットもヴィジュアル的なアクセントになりそう。そして、何よりいいのは「天使」がコンセプトのあんじゅれにぴったりの爽やかな透明感…ではないだろうか。
さらにパフォーマンスも全8曲、きっちり仕上げてきていた。もともと、同じ事務所のグループ「らぶけん」（愛乙女☆DOLL候補生を集めたユニット）に約2年間在籍していたことがあるアイドル経験者。その後ブランクがあるとはいえ、やっぱり基礎があるのとないのとでは全然違うのだろう。とにかく、この日は最初から安心して見ていられた。ごく自然にチームに溶け込んでいて、まさに即戦力という感じ。これからのあんじゅれがますます楽しみになってきた！

■この日の衣装はひめたんセレクト。白とパステルっぽい水色を基調にした夏らしい色使い。透明素材のベルトとか清涼感もたっぷり。2018年のTIFで着たものだそう。みんなよく似合ってた。
■セットリストは定番曲中心だったみたい。やはり、新加入のひめたんが振り付けを覚えているところなので、よくやる曲から順番に…ということのようだ。対バンライブとかではあまりやらないレアめの曲をやることも多いカルチャーズ公演にしては珍しい正攻法の選曲…ということに。
■振り付けのフォーメーションは、普通に考えるとさいごうさんが抜けたところにひめたんが入っている感じなのかな。彼女がセンターにくる曲もけっこうあったね。先頭に立っても堂々としているところも良い。
■中盤のMCはやや長めのトーク。ファンからひめたんへの質問「好きな色は？」。あんじゅれにメンバーカラーはないが、生誕ライブの時のペンライトやグッズの色になる可能性がある。なので「よく考えた方がいいよ」とささやくごんちゃん。ひめたんの答は「黄色」。先輩にかぶらないよう空気読んだ回答だったのか？
■あと、この日はファンの拍手、コールなどの反応も良かったみたい。メンバーもうれしかったようで、「いつもこういう感じで頼むよ！」「やっぱりひめたんのファンが熱いってこと？」などとステージでのトークも盛り上がる。「関ヶ原行ってない人？」と訊いたら大部分だったりして、このくだりはすごくおもしろかったね〜。
■この日やった曲で印象的だったのは「Reality」「Limited Complex」などダークなダンスチューンかな。特にごんちゃんは切れ味抜群！ 色っぽい身のこなしと表情はさすが。
■告知は「次回ライブはTIF、今年も新しい衣装をお披露目します！」的な話など。
■全8曲、約55分。※アンコールなし。

単独公演（ワンマン）にしてはややコンパクトなボリューム感。新加入メンバーができる曲が限られている現状からすると仕方ない感じなのかな。一曲だけでも振り付け、フォーメーション、動線…と覚えることいっぱいで大変だと思う。頑張ってほしいよね。

開演19時→終演19時55分。

2019/07/23　ニコニコ♡LOVERS　秋葉原 AKIBAカルチャーズ劇場（ワンマン）

平日の「ニコラバカルチャーズ撮可ライブ」。この日はニコスト浴衣公演＋ニコラバ新曲（作詞・雨宮ういり）お披露目…の話題二本立て。当日予約で3列目というのはいつも通りなのだが、最近上手の席から見ることが多かったので、この日は逆サイドの下手にまわってみた。けっこう新鮮だったね。

○「にこにこ♡きゃんでぃ」　メンバー6人でのステージ。衣装はおなじみの白バージョン。セットリストは、「Doggy Boogie」「理想的アイデンティティ」「夢見る子犬」…の全3曲。1曲目は麦乃あさひさんセンター。このところ"にこきゃん"ではいちばん気になるメンバーになっている。最後のニコラバカバーでもういりんパートを歌っていた。カワイイ。ただし、下手寄りの席からだと反対側にいることが多かったかな。彼女を近くで見たいなら上手側がよさそう。約15分。

○「地獄まで30センチ」　メンバー4人でのステージ。衣装はJK風3人となぜか園児1人。セットリストは、「Catch me!」「CANDYきゃっと」「サイケで理論」…の全3曲。"じごさん"もニコラバカバー1曲を含む選曲。でも、その後やったオリジナル2曲とは曲調にけっこう落差があったかな。基本的には歌謡ロック路線でいいような気がするのだが…。チームとしてもやや不安定感がある印象。約15分。

○「ニコニコ♡STREET」　メンバー7人でのステージ。登場前からバックのモニターには花火の映像が映し出され、浴衣公演らしい気分を盛り上げてくれる。セットリストは、「運命なんてニャニャニャニャーン」「ニャンダフルドリーマー」「メルヘンモードで熱愛中*」「フォーチュン・クリスマス*」「ハッピーニューイヤーおもち」「マタタビ」…の全6曲。（*印はソロ曲）
何といってもこの日の見どころは、メンバー全員の浴衣！ 前回はニコラバが「浴衣アンコール」だったのだが、その時はわずか2曲のみの披露だった。それに対してこの日のニコストちゃんは出し惜しみなし。最初から最後まで浴衣！ せっかくやるならこうあってほしいものである。激キャワな姿をたっぷり見ることができた。
■全体の印象としては、白地に赤やピンクで花が描かれているようなアイドルらしいかわいい浴衣が多かったかな。でも、一人一人を見ていくとそれぞれの担当カラーを取り入れるなど工夫されている。石原すずかさんは唯一地色が水色の浴衣。そして小鳥遊めるさんは、これまた一人だけ縞柄の大人っぽい浴衣。目立ってたね。髪型もみんな凝ってて、楽しんでお洒落してる感じが伝わってきた。
■ソロ1曲目は小鳥遊めるさんの「メルヘンモードで熱愛中」。ライブで見るのは初めて。クレジットを見ると作詞はめるさん本人だ。ニコストらしいアッパー曲。でも、ソロなのでやはり雰囲気は全体曲とはちょっと違っている。よりポップな感覚がある。ソロ2曲目は石原すずかさん。
■MCでは「今日の終演後物販から9月の単独ワンマンのチケットを手売りします！」という告知も。メンバーそれぞれの写真入りデザインチケットになっているそう。そんなわけで、終演後、少し様子を見ていたのだが、やはり相当待たないと買えない感じ。この日の購入は断念…。
■全6曲、約30分。

○「ニコニコ♡LOVERS」　メンバー6人でのステージ。バックモニターの映像は星空に変わる。新曲のタイトルにちなんだ演出だ。セットリストは、「恋してサマー」「二人のサマーショット」「Summer Magic」「星屑Magical」「半分魔法少女」「STARS」、アンコールで「夢見る恋ウサギ」「星屑Magical（2回目）」…の全8曲。
さて注目の新曲！ 作詞はういりんこと雨宮ういりさん。4曲目での披露となった。歌い出しはやはりういりん自身が務める。爽快感のあるアッパー曲。ニコラバ楽曲の中では「アニソンっぽい曲」に分類される雰囲気だろうか。コスプレイヤーでもあるういりんの初作詞曲にふさわしい仕上がりかもしれない。振り付けでは間奏の部分がなかなか新鮮。全員が横一列に並んでくるっとターンするところや、さっと斜めのラインをつくるところなんかはけっこう新鮮で見ていて楽しいね。
初披露のパフォーマンスを終えたところでういりんから一言。「練習時間が短かったんだけど、本番ではみんなよくできました！」。さすがリーダー。この曲はアンコールの最後にももう一度やってくれた。

■この日は下手寄りの席から。ういりんが若干遠くなるのは惜しいけど、かわりに山内ゆあさんが近くに来てくれる時間帯がけっこう多かったかな。あと西條真未さんも。
■改めてしっかり見た山内ゆあさんのダンス。やっぱりいいわ〜。先輩メンバーの中には自己流で動きを省略してたりする人もいる中で基本に忠実で見ていて本当に気持ちがいい。さらに身体全体で表情をつくっていく。もはやダンスリーダーといってもいいのでは！
■本編ラストの「STARS」は新曲との星つながりかな。この曲は動画よりも圧倒的にライブでのステージの方がいいということを再発見。
■アンコール動画（ニコラバちゃんねる）は、「恋してサマー」の"関ヶ原唄姫合戦"ステージ版MVの披露。ステージだけでなくオフステージでの様子も。会場ではニコラバちゃんたちが、道行くファンにうちわなどを配ったりしていたようだ。夏のアイドルフェスらしい光景だ。
■告知では、秋のニコラバ単独ライブの日程が「10/30」と発表される。会場は「表参道GROUND」。かつての表参道FAB。もう10年は行ってないが、ニコラバちゃんで再び訪れることになろうとは…。行くしかないね。
■全8曲、約45分（アンコール含む）。

またもや楽しいニコグル定期だったけど、唯一納得できないのが「アンコール」（のかけ声）。特に前の方の席だと声も出さない、手も叩かない人がほとんど。アンコールにする必要なくない？ 動画が終わったらさっと出てきてラスト2曲…で全然いいのではないだろうか。

開演19時15分→終演21時。