2020/09/05　Jewel☆Rouge　渋谷 eggman（ワンマン）

「Jewel☆Rouge単独公演」。もともとは対バン形式のツーマンライブだったのだが、直前に共演予定のグループが出られなくなり、るーじゅ単独ライブに変更になったイベント。そのため「50名限定」のチケットもいったんキャンセルとなり、先着順予約の当日払いに。SNSに流れてきたその告知に気づいたのが前日の夜。すでに「残りわずか」となっていたが、なんとか40番台で予約することができた。

この日はオールスタンディング。密集にならないようフロアに示してある「立ち位置」の印のどれか好きな場所を選んで見るスタイルだ。入場順は遅かったが、上手側2列目というまずまずの場所を確保できた。コロナ対策としてもうひとつ目立ったのは、ステージとフロアを隔てるように立ててある4枚のアクリル板。といってもステージ全体を覆っているわけではなく、何もない隙間も3割くらいはある感じ。

定刻ちょうどにライブスタート。メンバー5人でのステージ。オープニングはオーバーチュアでのダンスパフォーマンスから。セットリストは、「Royal Red Queen」「Platonic」「Ruby」「嘘つきアンスリウム」「思い出のルージュ」「A（エース）」「いくぞ革命GIRL」「君と僕のJEWEL」「私なりの恋愛至上主義」「スターマイン」「黎明solidarity」「Shooting Star」…の全12曲。

当初のライブ告知では「ステージ40分＋特典会」となっていた。ワンマンとしてはかなり短めだが、もともとが対バンイベントだからそんなものかなと思っていた。しかし、ふたを開けてみるとオリジナル全曲披露（12曲）で時間も予定を大きく上回る55分！ これはうれしい誤算だったね。見応え＆聴き応えたっぷり。予約する前は「短そうだしどうしよう…」と一瞬考えたのだが行って大正解だった。
そんなるーじゅのステージを見るのは1月の「AJ祭」（Zepp Tokyo）以来で約8カ月ぶり。その間、コロナ禍でライブ自体がなくなったり、さらに星野白花さんが医療機関の仕事をしていた関係でフルメンバーがそろわない期間も長かった。まだまだ本来の形ではないとはいえ、お客さんを入れてのライブも再開し、しろちゃんも帰ってきたるーじゅを見ることができた…それだけでもめちゃくちゃ楽しいライブだったと思う。

■衣装はえんじ色のジャケットがセットになったもの。外はまだまだ暑い日だったけど、9月ということで秋らしいカラーだったのかな。みんな似合ってて良かった。
■セットリストは、序盤がロックっぽいダンスナンバー、中盤がアイドルらしいポップチューン、そして終盤は代表曲3連発で盛り上げ…という構成。流れが感じられるステージだったね。「黎明solidarity」をライブで聴いたのはこの日がはじめて。オリジナル全曲まとめて聴くと、やっぱりるーじゅならではの持ち味がしっかり出ていたと思う。色の濃さというか、テーマカラーの「赤」から連想される女性らしい強さ、大人になる寸前の色気…のようなものかな。けっこういいね。
■実は5人体制になってからの生のステージを見るのもこの日がはじめてだった。以前の7人編成から2人卒業したのがもう半年くらい前。その後、5人での配信ライブを見たりもしていたので、自分の中ではすでに5人が標準になっていた。ほとんど違和感なく、すごくすんなり見られた感じ。
■メンバー別ではやっぱりファンなのでしろちゃん中心に見てしまう。8月、これまで医療機関の仕事もやってきたけれど、今はアイドルとしてのステージに全力投球したいとその決意を語っていた彼女。その気持ちがしっかり伝わってくるパフォーマンスだったと思う。撃ち抜かれた。
■曲をたっぷりやるためかMCは最小限。「今日はエッグマンなので（月美）たまごの館公演！」みたいな話など。
■アクリル板。最初は気になるかな？とも思ったのだが、透明度が高く、反射や歪みもほとんどないので、意外なくらい自然に見ることができた。もちろん「ある」と「ない」ではない方がいいのは確かだが、コロナ対策で必要なら十分許容範囲という気がした。
■アークジュエル系のライブでは入口で「推し（お目当て）メンバー」を申告するのがお約束。この日は入場時ではなく、終演後フロアをまわって一人一人に聞いていた。珍しいパターン。
■全12曲、約55分（アンコールなし）。

前年末のワンマンで告知していた「ライブDVD」は、その後メンバー卒業やコロナ禍などもあってか、話をまったく聞かなくなっている。オリジナル以外にもるーじゅらしいカラーを出したカバー曲なども聴けるということで楽しみにしていたのに残念だ。音源の充実もぜひお願いしたいところ…。

開演12時30分→終演13時25分。

2020/08/28　Ange☆Reve　秋葉原 AKIBAカルチャーズ劇場（ワンマン）

Ange☆Reveの「単独公演＠AKIBAカルチャーズ劇場」。わずか中5日でのあんじゅれライブ。抽選に申し込んだのが2日前の一般締切ギリギリ。結果は当選だったものの、定員100名となっているのに対して送られてきた整理番号は100番だった。「またしても最終入場か…」という感じではあったが、平日ということで開場時間に来てない人もけっこういた模様。そのためかなり繰り上げで入場することができた。

座席はだいたい1人おきに間隔をあけて座る感じ。確保できたのは下手側7列目。やや後方だが、千鳥配列的に座るようになっているので、すぐ目の前には他のお客さんがおらず意外に見やすい。場内ではマスク必須なのでメガネが曇らないようにあれこれ調整しているうちに開演時刻となる。

メンバー5人でのステージ。この日は「天使チーム」「堕天使チーム」のユニットに分かれてやる…という趣向。そのため、ゆあもん・ありえる・ひめたんが白の衣装、りかまる・ごんちゃんが黒の衣装で登場。セットリストは、「サマ☆ラブ」「Dear Dream」「あの夏のメロディー」「Tell me why 〜最後の線香花火〜」「黄昏抱いて、君ヲ想フ」「Limited Complex」「イトシラブ」「絶対リメンバー」「恋愛☆下剋上！」…の全9曲。（ファンツイート参照）

カルチャーズ単独公演は大体月イチでやっていたレギュラー公演。それがコロナ禍の影響で3月を最後に休止となっていた。5カ月ぶりの復活だ。そのため、この日は、メンバーにもファンにも「ホームに帰ってきた」的なリラックスした楽しい気分があったのではないだろうか。「ワンマン」というには比較的コンパクトな単独公演ながら、のびのびとした雰囲気と密度の濃いパフォーマンスをしっかり楽しむことができた。メンバーそれぞれの個性と、それがひとつになった時のチームとしての魅力。短い時間だからこそ、次もまた見たいと思わせられたのだった。

■「天使チーム」「堕天使チーム」に分かれてやるよ！…と事前にかなりアナウンスしていたわりに、ユニットで披露したのは各1曲のみ。先攻は堕天使チームの「Limited Complex」、後攻が天使チームの「イトシラブ」だった。全体の曲数（時間）が限られてるせいだろうが、せっかくなら2曲ずつくらいやってもよかったのかな…という気も。「イトシラブ」のキメゼリフはありえるがかわいく。
■ちなみにこのユニット分け、「くじ引き」で決めたそう。ゆあもんだけは「好きな方を選べる」という枠が当たって、「かわいい衣装が着たいから」と天使チームを選択。結果的にはすごくイメージ通りのチーム分けになっていたが、いつかはこの日の逆パターンも見てみたいね。
■「久しぶりの曲もやるよ」と言っていたのは、最後の「恋愛☆下剋上！」かな。個人的には2019年5月の「5周年ワンマン」での全曲披露企画で聴いて以来。たぶん初期曲なのだろう。アッパーな盛り上げナンバーで夏にぴったりという感じだった。この日はオープニングも「サマ☆ラブ」だったし、夏の最後に思い切り夏らしいステージを…というセットリストでもあったのだろう。
■やや気になったのはPAの音質。アキカルっていつもこんな感じだったっけ？ 音自体のボリュームはあるのだが、細かいところが全部つぶれてしまって、とりわけ曲中ゼリフのような繊細なパートが聴き取りにくかった。せっかくの全曲生歌のパフォーマンスだけに、もうちょい良い解像度で聴きたかったな。
■全9曲、約50分（アンコールなし）。

この日のアキカルの客席。間隔をあけてすわっているとはいえ、そんなにガラガラという印象でもなく。ギュウギュウ詰めよりは環境としてはむしろいいかもしれない。あんじゅれだけじゃなく、他のアイドルの公演もまた見たいなという気がしたね。

開演19時→終演19時50分。

2020/08/22　Ange☆Reve　鶯谷 東京キネマ倶楽部（ワンマン）

あんじゅれワンマン「水野結愛バースデーライブ2020 〜これからもずっとBe with Yua〜」。新型コロナウイルス感染拡大の影響により、多くの音楽ライブが自粛を余儀なくされた2020年。個人的にもこの日は約5カ月ぶりのライブだったのだが、本公演自体も、もともと5月の予定がコロナ禍で延期になっていたものだ。チケットは仕事の区切りがついた前日の夜に急遽購入。そんなわけで自分の後ろにはもう誰もいない…という本当の最終入場となった。

フロアに入ると、感染対策のため椅子が間隔をあけて置かれている。ソールドアウトはしていなかったので、最終入場とはいえ、後方や端の方なら席を選べる状況ではあった。確保したのは上手側3列目の端。スピーカーの外側になるので、多少死角になる部分があったり、音響面での物足りなさはあったものの、ステージも近くて見通しも良いまずまずの席だったかな。

定刻になるとおなじみのオーバーチュアでスタート。いつもならあるファンのコールもこの日はなし。全員着席のまま拍手やペンライトで応援するスタイルだ。メンバー5人でのステージ。バースデーライブの主役・水野結愛さん（ゆあもん）は白を基調にした生誕衣装。それ以外のメンバーは紺のデニム生地を使ったこの夏の新衣装を身につけている。
セットリストは、「Colorful」「ココからイマジネーション」「勇敢な恋のセレナーデ」「スターマイン」「キミエモーション」「Freaky☆Rock☆Party」「堕天使の心モヨヲ」「Limited Complex」「Resolution 〜君に迷わない〜」「セフィリア」「リトルピ」「イトシラブ」、アンコールで「Winding Road」「Your Smile」「Be with You」…の全15曲。

「バースデーライブ」ではあるのだが、内容はきっちりしたあんじゅれワンマン。久しぶりに見る生のステージはやっぱいいわ〜と素直に思えた。自粛期間中にも、彼女たちの（無観客）配信ライブは何回か見ている。それぞれ良い内容だったと思うし、見た時は満足感もあったのだが、やっぱり現場で体感するライブは何かが違っている。表情がよくわかるアップもないし、いろんな角度から見せてくれるスイッチングがあるわけでもない生のステージ。席が良くなかったり、ステージが遠かったりしたら、むしろ配信の方がいいということもあるかもしれないが、それでもリモートにはない魅力がたしかにあった。ただ、その違いが「具体的に何なのか」をその時には考えることはできなかった。目の前の彼女たちについていくためにすべての神経を集中していたからだ！

■本編前半はアイドルらしい楽しいあんじゅれ、後半がクールでダンサブルな大人っぽいあんじゅれ…という「天使と堕天使」の二面性コンセプトを体現したセットリスト。それぞれの魅力をたっぷり感じることができたね。特に後半、「Limited Complex」「Resolution」「セフィリア」…と続くあたりのダイナミックなグルーヴとパフォーマンスには思わず引き込まれた。この日のハイライトだったんじゃないかな。
■そんな「Resolution」のクライマックスではゆあもんが渾身のシャウト！ それを聞きながらニヤリとしてしまう佐々木璃花さん。曲的には笑うところではないのだが、りかまるちゃんの気持ちもわかるゆあもんの張り切りぶり。よかったわ。
■しっかりしたワンマンライブだったのと同時に、やっぱり生誕ライブらしいところも随所に。まず、MCは最初の挨拶から最後のシメまで、すべてゆあもんが仕切り。トークコーナーも「ゆあもんの良いところをほめる」という企画に強引にもっていく。また、この日唯一のカバー曲「スターマイン」（Jewel☆Rouge）もゆあもんのリクエストだったよう。さらに、本編ラストの「イトシラブ」ではりかまるちゃんのキメゼリフ「大好きなの」もゆあもんが。キマってたね！
■ちなみにメンバーから出た「ゆあもんの良いところ」は「早寝早起き」など。アイドルは夕方以降の仕事が多いので、明け方に寝て昼前に起きるという人が多いみたいね。でも、ゆあもんは12時くらいには寝るというきわめて健全な生活だそう。さらに「モノマネがうまい」と言われた流れから、ハローキティのものまねも披露。「すごい似てる！」と言われていたが、男性の多いお客さんにはいまいち伝わってなかったかも…。
■アンコール3曲は完全に「ゆあもんスペシャル」。「Winding Road」はゆあもんがソロで披露。もともと声量のある彼女だけに、しっかり歌いこなしていたね。登場は、キネマ倶楽部名物の階段を一人で降りてくる演出だった。続く2曲も、それぞれ「水野結愛スマイル（Your Smile）」「Be with 結愛（Be with You）」に。"バースデーケーキのろうそく吹き消し"みたいなベタなお約束イベントはなかったけど、楽しい生誕ライブになってたんじゃないかな。
■衣装も最初から生誕衣装でよかった。かわいいデザインで似合ってたし、「今日の主役」感が半端なかったね。アンコールは全員生誕Tシャツ改造衣装にチェンジ。
■ここまでは、ゆあもん中心にレビューしてきたのだが、この日は他のメンバーもみんなよかったね。りかまる、ごんちゃん、ありえるはそれぞれ持ち味を十分に出していたし、加入から1年たったひめたんも完全にチームに溶け込んでいてキャリアの差をまったく感じさせないレベルになっていた。みんなパフォーマンスに加えてアイドルとしてのビジュアルも素晴らしい。いつまでも見ていたかった。
■ファンが声を出せないので、本編終盤に「残り2曲です」と言った時のお約束、「エエエエ〜〜〜？」ができない。アンコールもコールなしの拍手のみ。アイドルライブらしさという点では、若干の物足りなさはあったけど、今は仕方ないという感じだろうか。
■全15曲、約1時間24分（アンコール含む）。

ゆあもんのアンコールでの挨拶。「自粛期間中、それまであたりまえにやっていたライブがあたりまえじゃなかったんだということを改めて知った。そして、ファンのSNSなどでの励ましの言葉が本当にありがたく支えになった…」。やっぱりファンやステージあってのアイドル…ということだろうが、同時にファンもまた、アイドルやステージあってのファンなのだと感じさせられたライブでもあった。早く普通の環境でライブを楽しめるようになってほしいものだ。

開演12時31分→終演13時55分。