2023/01/04　ニコニコ♡LOVERS　横浜 1000CLUB（ワンマン）

「ニコニコ♡LOVERS 雨宮ういり・白石凛・山内ゆあ卒業公演」。入場はBチケット。買った後に「Bだとステージがけっこう遠いよ」という話を聞いたのだが時すでに遅し…。実際、入場してみるといつものニコ劇と比べてはるかに遠いのだが、幸いにも中段センターでしかも全体をクリアに見渡せる位置を確保することができた（オールスタンディング）。前方の見上げる形になる場所よりむしろ自然に見られたかも。

メンバー4人でのステージ。セットリストは、「Cherish Dream」「らびらびにゅー!」「Fairyish Adventure」「Only mine!」「恋してサマー!」「半分魔法少女」「ハートのバリア*」「yua your world*」「バタフライガール*」「Promise Starlight*」「永遠セレンディピティ」、卒業セレモニーをはさんで「星屑Magical」「私だけのストーリー」「STARS」、アンコールで「Girlish Fantasy」「1.2.3.4 Step by Step!」「夢見る恋ウサギ」…の全17曲。（*印＝ユニット/ソロ曲）

開演前には白石凛さんによる影ナレ。ライブはこの日卒業する3人のデビューステージの様子を映す動画ではじまった。グループ曲からユニット曲、ソロ曲へ。晴れやかな卒業衣装に着替えて、この日のための新曲もサプライズ披露。卒業セレモニーで花束を贈る役をつとめてくれたのは懐かしいOGたち。卒業メンバーは1人ずつ手紙でメッセージを伝えてくれた。再びグループでのステージに戻ってアンコールも。壁面を埋め尽くす巨大なスタンドフラワーに横断幕、無数の風船、そして輝くテープ…。ニコラバ黄金期を支えたメンバーたちを送り出すのにふさわしいフルラインナップ。まさに王道の立派な卒業ライブだった。

その中でいちばん印象的だったのは3人の気持ちが込められた手紙。ニコラバとしてステージに立ち続けることができた幸せ。そこで出会ったファン、活動を支えてくれたメンバー、スタッフ、家族への感謝。このあたりは大体共通していたと思う。ただ、それ以外にも3人がそれぞれに表現していて重なっているところがあった。それは「ニコラバを続けたい。やめたくない」ということ。そして3人とも「でもやめる。それは自分で決めたことだから」と続くのだった。

これはいったい何なんだろう…と会場にいた多くのファンが感じたのではないか。「やめたくないけどやめる」、そんな結論に至るまでにはいったいどんな話し合いがあり、どんな心と心のぶつかりあいがあったというのだろうか。たしかにこの1年ほどの流れはあったし、いろんな想像はできる。しかし事情を知らないただのファンがいくら考えても妄想から先には一歩も進めない。決まってしまったことを変える力もない。

「アイドルはやり切った。思い残すことは何もない」といって卒業するのが理想かもしれない。でもそうではない現実もあるということなのだろう。彼女たちは大勢のファンに見送られ、華やかなステージでニコラバだった自分に別れを告げることを選んだ。ファンにできるのはその気持ちを尊重し、すべてを肯定してあげることだけだと思う。

これからのことについても3人とも言及はしていない。ニコグルの卒業はそういうものだし、最近では言う必要もない気がしている。もし別の場所でステージに立つことがあるならそれも全然いいと思う。他のグループでもそういうケースは珍しくない。過去に縛られる必要はないし自分に素直に生きてほしい。

ニコラバは多くのファンに愛された。多くの人を元気にした。その事実は変わらない。この日の大きな拍手、コール、ペンライトの光はそんな彼女たちへのファンからのお返しだったのだと思う。そしてこの日の卒業ライブの輝かしい記憶がこれからの人生のいろんな場面で彼女たちを支えてくれたなら、あの場所に集った者の1人としてこれ以上の喜びはない。

■オープニングは最後の衣装となったグレーバージョンで。序盤はグループでのステージ。最初期から歌ってきた「Only mine!」でのういりんのセリフは、「みんなのことが〜大好きだよ〜!」だった。思ったより早めに出た「半分魔法少女」ではりんちゃんが自らコールを入れる。
■ユニット/ソロコーナーの最初はうい＆りんコンビで「ハートのバリア」。もともとはういりんと小針小枝さん（現在は城咲そらさん）のデュエット曲。その元相方の姿をフロアに見つけてコンタクトするういりん。さぁちゃんも手で大きなハートをつくってういりんに応える。現在活動しているMiiSでの生誕ライブにニコラバが出演してコラボもあったことなどを思い出した。こういう関係が続いてるのっていいね。
■この日、開演前からVIPエリアにOGが何人かいるのは見えていた。小針小枝さん以外だと谷口彩菜さんとか。中段だったからこそステージと同時に前方の客席の様子も見えたわけで意外に良かったかも。

■ここからは3人のソロ曲。山内ゆあさんが選んだのは「yua your world」。初演は加入後初の生誕祭。再びアイドルとしてステージに立てることのうれしさを全身で表現する彼女はほんとうに輝いていた。ニコラバに入っていちばん幸せだった日の記憶を最後にもういちどみんなと共有したいと考えたのだろうか。卒業衣装は白に近い薄いピンクのドレス。清純な彼女のイメージにぴったり。
■白石凛さんは「バタフライガール」。この曲をはじめて聴いたのはニコラバを最初に見たカルチャーズ劇場の定期公演だった。リッチなリズムを刻むナンバーを笑顔で元気に歌う女の子の姿がとても印象に残ったのをおぼえている。卒業衣装のドレスはやはり白に近い薄いイエロー。「担当カラーを決める時に黄色を選んだのはみんなを元気にしたいと思ったから」。その言葉に応えるようにフロアも黄色のペンライトの光で埋まっていたね。
■雨宮ういりさんは自ら作詞もしている「Promise Starlight」。彼女の詞には星の光がよく登場する。全体曲の「星屑Magical」もそう。太陽みたいにギラギラしないで優しく静かに世界を見守る感じは、ニコラバのリーダーとしてのういりんに通じるものを感じる。ちなみに今使っているスマホの色が「スターライト」なのも彼女の影響。卒業衣装はホワイトに水色と金色のアクセントがきいたドレス。3人とも生地をたっぷりつかった豪華なシルエットに仕上がっていて、どこかウェディングドレスを連想させるデザインでもある。

■新曲「永遠セレンディピティ」は事前の予告も匂わせも一切なしの完全なサプライズだった。卒業ライブのためだけに新曲を用意する。卒業衣装もそうだけどやはりこの特別感はすごい。爽やかでちょっぴり切ない旅立ちをテーマにしたポップソング。スクリーンに歌詞を映し出しながら歌われる。後半のそれぞれのセリフがエモい…。
■最初、キーワードとなっている「セレンディピティ」という言葉になじみがなくカタコトをあわててメモした。あとで調べてみると「偶然の出会い」、本来の探しものとは別の価値があるものをたまたま見つけること…といった意味のようだ。アイドルとファンの出会いの不思議もまさにこれだろう。「みつけてくれて、出会ってくれてありがとう」、そんな思いを凝縮したような言葉。
■卒業メンバー3人だけでなく落合美梅さんも加えた4人で歌ったところにも意味があるのだと思う。卒業発表前後から、現体制初披露曲をどんどん増やしていった彼女たち。次世代のニコラバがどうなるのかわからないけど、「永遠セレンディピティ」もこの日だけで封印するのではなく、ニコラバが続く限り歌い継いでいってほしいと思っているのではないだろうか。「この曲はういりん、りんちゃん、ゆあちゃんの卒業ライブが初演だったんだよ」というファンの記憶とともに。

■卒業セレモニーでは3人の手紙に続いて花束、アルバムなどが贈られた。プレゼンターとして登場したのはOGの西條真未さん、小針小枝さん、谷口彩菜さん。手紙の時から3人とも涙声になって言葉が途切れる時間がけっこうあったのだが、ここにきていちばん泣いてたのはやはり予想通りのりんちゃん。それをさぁちゃんが抱きしめてよしよししてあげる。
■未来のニコラバを引き継ぐおっちぃーにも花束が用意されている。この日の花はファン有志が用意したそうだけどこれはファインプレーだろう。なんだかんだいってニコグルのオタクの人の目配り、センスはすばらしい。
■集合写真はニコラバだけの4人バージョンとOGもまじえた7人バージョンを撮影。

■本編ラスト3曲のあと、暗転してアンコール動画。「卒業まであとライブ10回」からはじまるカウントダウン形式で、毎回のバックステージの様子やライブ後の食事風景などが紹介される。意外にSNSなどでも見る機会のない映像でけっこう貴重なものだったかも。
■アンコールは初代オーバーチュア（！）でスタート。衣装は黒の卒業Tシャツ。ラストナンバーはやっぱり「夢見る恋ウサギ」だった。フロアの後方からはファンが用意した無数の風船がどんどん飛んでくる。以前のニコグルワンマンとかでよくあった演出。その意味でも懐かしい。でも今は風船なんか気にしてる場合じゃない！ 聴きなれたナンバーはあっという間。曲終わりと同時に銀テープが打ち出されて華やかな卒業公演のステージは幕を閉じた。
■終演後、いつもやるシメの挨拶（「以上、私たち…」）を「どう言うんだっけ？」と忘れてしまうういりん。やり切ってほっとしたのかな。でもメンバーたちが手を振りながらステージからはけた後、袖の手前でしっかり舞台に一礼するのもういりん。最後までかわいさと頼もしさの両面を見せてくれた。
■全17曲、約2時間2分（アンコール含む）。

普通ならこれで終わりだが、今回はニコ劇での「後夜祭」が1/8に予定されている。その日が3人のニコラバとしての本当に最後のステージとなる。ありがたいことにチケットは押さえている。それがあったので卒業ライブも少しだけ余裕をもって見られた気がする。ちなみに「（前夜祭・卒業公演・後夜祭の）3回で全曲網羅する」という予告を実現するには、次回11曲くらいやることになると思うのだが…果たしてどうなるのだろうか。

開演19時→終演21時02分。

2023/01/03　ニコニコ♡LOVERS　上野広小路 異世界アイドルシアターニコニコ劇場（ワンマン）

「ニコラバ卒業ライブ前夜祭」。チケット発売は日付も大晦日（12/31）に変わった午前0時から。しっかりタイマーかけてチケットを確保。その10分後にチケ発だった「後夜祭」もなんとか取れたので、今のニコラバを目に焼きつけられる機会は「卒業ライブ」も含めてあと3回となった。席は2列目センター。再びこの位置からニコラバちゃんを見られる…という喜びしかない。

メンバー4人でのステージ。セットリストは、「行け! ニコラバ」「二人のサマーショット」「夢見る恋ウサギ」「Shiny Heart」「HOPPiNG NOW」（MV「Girlish Fantasy」上映）「ぴえんぷぇんどれすLOVE SONG」「CHAKI CHAKI! BANG BANG!」「らびらびにゅー!」…の全8曲（＋MV1曲）。

形態としてはいつもの単独定期と変わらないライブ。とはいえ雨宮ういりさん、白石凛さん、山内ゆあさんというレジェンド級メンバーの卒業ライブのまさに前日なのだから、楽しさや盛り上がりの中にもやはりそこはかとない緊張感はあったと思う。
最初のMCでは、毎回セトリを決める役割の白石凛さんから、「（前夜祭・卒業ライブ・後夜祭の）3回の公演でニコラバの曲を全部やるからね」という情報が。「ひょっとしたら今日やる曲はもうこれが聴き納めかもよ」とも。代表曲である「夢見る恋ウサギ」などはさすがにやるだろうとは思うものの、1回のライブでは歌い切れないほどオリジナルがあることを考えると、たしかにそれが現実的だなという感じ。つまり"今のニコラバの集大成"としての卒業ライブはもうすでにはじまっているのだともいえる。最後の瞬間まで新しいチャレンジを続け、その歩みを止めないニコラバちゃん。残す公演の少なさだけでなく、セトリやそのスピリットの面からも一瞬も見逃せないステージとなった。

■衣装はおなじみになってきた最新グレーバージョン。
■トピックは「Girlish Fantasy」のMV初披露。2021年リクアワ1位の特典だ。9月の西條真未さんの卒業ライブで「ショートバージョン」が公開されていたが、卒業ライブ前日にやっと「フルバージョン」が完成したとのこと。映像はもちろん西條真未さんも含む5人バージョン。何パターンもの衣装やロケーションを組み合わせたとても凝ったつくり。「夢見る恋ウサギ」「半分魔法少女」に続くニコラバ第3の代表曲にふさわしいMVに仕上がっていたと思う。ニコラバとして初のリクアワ1位をメンバーもファンも喜んだそのわずか1年後、こんな日が来ることを誰が想像しただろう…。
■MV上映後、涙もろい白石凛さんに「泣いてない？」と確認する雨宮ういりさん。りんちゃんが「泣いてないよ」と答えると今度は山内ゆあさんにも「ゆあちゃんは？ 泣いてない？」。「自分が泣きそうになったからきいてるんじゃないの」と言われていたがたぶんそうだろうなと思った。
■あとでSNSを見るとこの日、西條真未さんがニコ劇の楽屋を訪ねていたみたい。新しいグループのスケジュールの合間をぬって来てくれたのがうれしいね。「GF」のMVも見てくれたかな。
■全曲披露を予定してるということは、現体制でまだ聴いてない曲もあれこれやることになる。この日、久々に聴けたのは「Shiny Heart」。個人的には2021年11月以来（約1年2カ月ぶり）。りんちゃんにとってはニコラバに入ってはじめてレッスンを受けた思い出の曲だそう。そして前回も書いたけど怒涛の振り入れに対応している落合美梅さん、改めてすばらしい。
■ういりんは卒業ライブに向けて髪に水色のメッシュを入れて気合い注入。ちなみにこの日はういりん家のご両親と妹さんもニコ劇に来ていたそう。ただ、開演中にその姿を探すがステージからは見つけられなかった模様。見てほしい気持ちと家族に見られると照れくさいという気持ちが入り混じっていたういりんだった。
■全8曲（＋MV）、約45分。

終盤、客席のノリから何か感じたのか、「ちょっとしんみりしてない？」と問いかけるりんちゃん。もちろんファンはデカい声で盛り上がってることを伝えるのだが、この状況でそう能天気に沸けるものでもないだろう。オタクのみなさんにもいろんな思いがあるはず。泣いても笑っても卒業ライブは翌日に迫っている。

開演17時35分→終演18時20分。

2022/12/27　ニコニコ♡LOVERS　上野広小路 異世界アイドルシアターニコニコ劇場（ワンマン）

「ニコラバ単独定期・無料公演」。チケット代もドリンク代も不要の大サービス企画。入場順は抽選。受付でガラガラを回してみると…前回（12/12）に引き続いての60番台。いまいちか〜という第一印象。ところが入ってみると奇跡的に2列目下手寄りに空席が！ 自分にとっては最高の席ともいえる2列目中央から4つくらいズレているだけ。めっちゃラッキーなスタートとなった。

メンバー4人でのステージ。衣装は最新のグレーバージョン。セットリストは、「Catch me!」「Summer Magic」「らびらびにゅー!」「Shining place」「純愛モンスター」「Fairyish Adventure」「私だけのストーリー」「半分魔法少女」…の全8曲。

個人的には2022年のライブ納め。しかもこの先のニコラバ現体制ライブでチケットが取れているのは年明けの「雨宮・白石・山内卒業公演」のみ。場合によってはあと2回しか見られないライブのうちの1回。その意味でも2列目でしっかり見られたのはありがたかった。
オープニングは「Catch me!」。下手寄りの席なので真正面にういりん！ いつものように会場に向けていろんな表情を見せてくれる彼女。本当に魅力的。曲が進んでいくと中盤からは、やはりいつものように汗だくになっていく。冬だし他のメンバーはそうでもないのに決まってういりんだけ。終盤になると水から出てきたみたいに前髪が額に貼りついて…。女子としてはあまり見せたくない姿かもしれないけど、それはまさに手抜きのないパフォーマンスの証。自己紹介ではローテンションを装っても、その汗はステージに真っすぐに向き合う彼女のスピリットを余すところなく語っていたと思う。最後はいつも通り、どころかいつも以上に髪を貼りつかせながら歌い踊ってくれたういりん。すばらしかった。

■ここにきてもまだまだ続く"現体制ではじめて聴く曲"。この日は「Shining place」。ちょっと振り返ってみたら2019年10月の初演からライブで見たのはこの日も含めてわずか6回。十分レア曲といっていいだろう。ニコラバにも埋もれているけどじつはいい曲…というのはけっこうある。卒業までにそういう曲を歌い切りたいという気持ちはすごくよくわかる。
■そこでけっこう大変だろうなと思うのがおっちぃーこと落合美梅さん。はじめての曲の振り付け、フォーメーション、歌詞…。卒業に向かってラストスパートをかけている先輩たちに懸命についていっている感じではないだろうか。考えてみると新メンバーとして加入してたった半年ほどで1人だけ取り残されてしまうのだから、文句のひとつも言いたくなっても不思議ではない。でもステージでは元気に笑顔で先輩たちをサポートし続けている。そんな彼女の頑張り、必ず見ている人がいるはずだ。
■MCでは前週の定期公演が外部会場だったことを受けて、「やっぱりニコ劇はアットホームだよね。家に帰ってきたみたいで落ち着く」といった話など。
■そこでメンバーが注目したのが、この日からステージに登場した「異世界」と書かれたド派手なネオン装飾。色もショッキングピンクでものすごい存在感。「歌ってる時にも後ろを向くと目に入ってきて笑いそうになったわ」「ニコ劇もどんどん進化してるんだよ」「劇場としてのレベルが上がってるんじゃない」と盛り上がる。
■卒業公演に向けてのレッスンも佳境に入ってきた模様。この日も朝からずっと踊って体が痛い…ということなので、最後に思い切り気合の入ったステージが見られそうだ。
■終盤は「わたスト」（ゆあゆあ＆おっちぃーポジ）からの「半分魔法少女」。会場のコールも最大級に。
■全8曲、約38分。

この日も3曲目までは動画撮影OK。ただ私の場合は機材も腕もしょぼいのでスチールもムービーも撮らずにひたすらステージを見つめていた。ニコラバのライブを見たのはこの日で66回目。それだけ見ても不思議なくらい見飽きてない。おそらく卒業公演も同じようにただただステージを見つめるだけで時間が過ぎていくのだろう。

開演19時46分→終演20時24分。