2023/07/08　ニコニコ♡STAGE、ニコニコ♡PRINCESS　上野広小路 異世界アイドルシアターニコニコ劇場

ニコステ、ニコぷり出演の「ニコグル土曜定期」。このところニコ劇で見てたのは主にニコステの生誕祭など単独ライブばかり。複数グループが出る定期公演はいつから行ってないのだろう…と思って調べてみると前年12月以来だった。つまり2023年上半期はまったく見てなかったことに。そんなわけで久しぶりの定期公演。Bチケットで2列目やや下手寄りくらいの席。

○「ニコニコ♡PRINCESS」　先攻はニコぷり。メンバー4人でのステージ（1人休演）。セットリストは、「I AM♡PRINCESS」「トロピカル☆マーメイド」「GIRLS POWER」「この夢の延長線」「シンデレラメランコリー」「フィーバーNIGHT」「真昼からシンデレラ」…の全7曲。
6/25に新体制がお披露目されたニコぷり。新しくなってはじめて見るステージだったが、あいにく1人休演で完全体とはいかなかった。たまたまだろうが、前体制のデビュー時も、最初に見た時は休演者がいて4人だったのを思い出した。セトリは初期曲7曲をすべてやってくれたね。耳になじんだ楽曲をほぼ新しくなったメンバーが歌っていく。まだ何となく"借り物感"があるのは聴き手側に刷り込まれた残像のせいだろうか。まあ、このへんは何度か見ていればなじんでいくと思う。
メンバーで注目したのは、やはり前体制から唯一続投の新リーダー、天羽りんかさん。笑顔に華やかさがあってついクセになりそうな魅力があると思う。なじみがあるといえば、からさきあみさんも。元ニコストの二宮亜美さん。彼女の突然の脱退とその3か月後のニコスト解散のことを憶えているファンも多いはず。その現場に復帰するには、かなりの勇気が必要だったことだろう。ただ、あれからもう4年近くたっている。大事なのはこれからどんなステージを見せてくれるかだと思う。その他の新メンバーについてはおいおい。早い機会に全員そろったニコぷりを見てみたいな。約30分。

○「ニコニコ♡STAGE」　メンバー4人でのステージ。セットリストは、「恋熱サステナブル」「マカロンは恋の味」「ニャタデーナイトフィーバー」「Bitter Sweet Days」「もしも君と僕がひょんなことから異世界に迷い込んで恋に落ちたら」「リバイバルガール」…の全6曲。
夏らしい爽快感がたまらない「恋熱」でオープニング。ニコステならではの楽しさにあふれた安定のパフォーマンスだったね。MCでは1日遅れの七夕の話題。「何を願いたい？」というお題トークで、みなみゆきさんは「みんなの健康」。"みんな"というのは特にファンのこと。元気に劇場に会いに来てほしいので、まずは健康第一…という話。お酒を飲みすぎるファンを心配してくれていた。一方、宇津木りおさんが「今すごく切実…」としてあげたのは、「お手洗いに行きたい」。出番前に時間がなくて行きそびれてしまったそう。ある意味でアイドルらしくない話題だけど、さらっと言えてしまえるところが彼女の飾らない親しみやすさかもね。ファンの反応を見て、「漏れても受けとめてくれる人がいるみたいだから大丈夫そうですね」と笑顔でまとめる小鳥遊めるさんも最高！ ちなみに終演まで何とか耐えられたみたい。
告知は福岡遠征など。雷神サンダーレイガーさんの地元だけど、意外にもうれしいというより、昔の友達とかに見られたら気恥ずかしい…みたいな感じだそう。その福岡では新曲がお披露目されることも大発表。グループでの新曲は久しぶり。帰京公演も楽しみになってくる。約30分。

ニコぷりの衣装は新体制になるにあたって新しくつくったもの。白ベースでメンバーカラーが差し色になっている。お披露目ライブのアーカイブ動画を見たら、天羽りんかさんが全員分をデザインしたという話をしていた。ひょっとしたら服飾の勉強とかしていたのかもしれないけど、なかなかすごいことだと思う。

開演16時→終演17時01分。

2023/07/07　ニャー♡ウェイヴ、SAKA-SAMA、The Clovers　渋谷 La.mama

ニャー♡ウェイヴ初主催イベント「BABY♡RIDE ON WAVE Vol.1 〜乗るしかないこのニャー♡ウェイヴ〜」。イヴにゃんローラーコースターさんの新バンドと、新体制になってまだ見てなかったSAKA-SAMAが同時に出演！…ということで。会場の「ラママ」も超有名ライブハウスながら、なぜかこれまでご縁がなかった場所。いろいろ初物の多い楽しみなライブとなった。

○「The Clovers」　予備知識なしでの初見。メンバー4人での演奏（ボーカル/ギター、ギター、ベース/ボーカル、ドラムス）。あとでプロフィールを見たら、もともとはガールズバンドだったそうで、女性メンバー（ボーカル/ギター、ベースの2人）が着ていたおそろいの黒ワンピ＆鮮やかな色の略帽…という衣装にその名残があった感じかな。
モッズバンドということで、サウンドはガレージっぽいロック。英語詞の曲が多かった印象。といってもビートのきいた生演奏なのでボーカルの細かいところまでは聴き取れなかったが、メロディアスなポップナンバーや60年代っぽいスカなどもやってたりしてなかなか楽しかった。デビューが90年代というキャリアもあるバンド。アイドルと共演するようなイベントへの出演は珍しいみたいで、「今日はいつもと勝手が違う」と言ってたけど持ち味は伝わってきたね。全9曲、約28分。

○「SAKA-SAMA」　ライブを見るのは約1年ぶりで5回目。前回もイヴにゃんと共演のイベントだった。現在は寿々木ここねさん＋新メンバー2人となっている。3人での新体制はこの日が初見。セットリストは、「すてきな片思い」「革命前夜」「物語はいつも」「tetsubo」「光と陽炎」「DANCIN' DIAMOND」「ダンスを止めるな」…の全7曲（ファンツイート参照）。
オープニングはゆったりめのナンバーから。前半はポップ感強めの曲中心、後半はディスコ〜ファンク的なノリの曲で盛り上げていく。衣装はおそろいのピンク。でもデザインはそれぞれ違う。新メンバーは2人ともわりと小柄で、ぱっと見ると"ここねんとその妹たち"…みたいな雰囲気。当然ながら、2人組時代のここねんと朝倉みずほさんというタレント同士がいい意味での緊張関係にあった感じとはけっこう変わっている気がするが、そこは見る方も切り替えないといけない部分だろう。新しい魅力はアイドル的な要素拡大というところだろうか。約35分。

○「ニャー♡ウェイヴ」　イヴにゃんローラーコースターさんを中心とするバンド。彼女をはじめて見たのは、ちょうど10年前のKit Catデビューライブの日。それ以来、グループ（Kit Cat）、ソロ（イヴにゃんローラーコースター）、ユニット（パフェガ）…と見てきて今度はバンド！ そこまで頻繁に見ていたファンではないけど、結果的にこれだけフォローしているアーチストもそう多くない。ご縁があると勝手に思い込んで開演を待った。メンバー5人での演奏（ボーカル、ギター、キーボード、ベース、ドラムス）。
バンドメンバーは全員赤のシャツで統一。最後に登場してきたイヴにゃんも赤チェックのドレス。アイドルじゃないんだけどアイドル感高め。コンセプトは"ニューウェーブバンド"ということで、サウンドはパンキッシュなロック。歌詞でやたら「♪ニャ〜ニャ〜」言ってたり、「♪歯医者へ行こう、愛車で行こう」なんて愉快な韻を踏んでたりしてかわいい。これまでの活動の中ではソロの発展形という印象だろうか。ニューウェーブも好きだしアイドルも好きだから一緒にしちゃえ…的な、好きなものに真っすぐ向き合ってるところがいいね。しかも、ソロの時と違うのはバンドの仲間がいること。単なるバックバンドではなく、メンバー同士の化学反応も期待できそう。楽しく聴いてるうちにあっという間に本編終了。約32分。

アンコールは、SAKA-SAMAを迎えてのコラボでスタート。曲は「夏休み縦断の恋」（SAKA-SAMA）。これ、6年前のSAKA-SAMAデビュー時にニャー♡ウェイヴのギター、吉田仁郎氏がサウンドプロデュースした縁のある曲だそう。今の季節にもぴったりで楽しかった。2曲目はThe Cloversも加わって3組で「タイムマシンにお願い」（サディスティック・ミカ・バンド）。ツインギターとなったサウンドをバックに、3組のボーカルが次々にソロをとっていく感じはちょっとしたフェスのエンディング感。こういう時の選曲はやっぱり全世代が知ってるスタンダードじゃないとね。アンコールの2曲だけでも十分もとがとれるくらいの盛り上がり。よかったわ〜。全9曲、約49分（アンコール含む）。

当初出演予定だったローストチェリーマーケット（エリボンの赤城文さんのユニット）が事情により直前でキャンセルに。そんなチェリマケを自分のバンドで1曲カバーして応援していたイヴにゃん。イベント主催者としてこれ以上ない思いやり。第2弾があったら真っ先に駆けつけてくれるんじゃないかな。個人的にも約1年ぶりで生バンドのライブを聴いた。この迫力、やっぱりいいね！

開演19時32分→終演21時55分。

2023/07/02　Ange☆Reve　鶯谷 東京キネマ倶楽部（ワンマン）

「吉橋亜理砂卒業ライブ」。約1カ月前に発表され、あっという間に当日を迎えることとなったありえるラストステージ。完売でお客さんいっぱいだったね。チケットは一般発売初日に購入。Dチケットの中では早めに入場できたのだが、それでもスタンディングエリアのやや下手寄り、なんとか二階席がかぶらないあたりが精一杯。振り返ると最後方の壁ぎわまでファンで埋まっていた。

メンバー5人でのステージ。セットリストは、「勇敢な恋のセレナーデ」「ココからイマジネーション」「リトルピ」「Kiss me Happy」「Maybe Baby」「L♡ve Scream」「堕天使の心モヨヲ」「Tell me why 〜最後の線香花火〜」「Angel Sign」「星空プラネタリウム」「プロローグ」「BLOOMING RUNWAY」「カレンダーガール*」「Your Smile」「絶対リメンバー」「運命的％」「イトシラブ」、アンコールで「サマ☆ラブ」「恋愛☆下剋上」「Colorful」…の全20曲。（*印＝ソロ）

あんじゅれを見るようになって4年ちょっと。その間、5人のメンバーのうち2人が入れ替わっている。その割合からいっても、完全に固定メンバーだったとはいえないのだが、自分の中では「安定したグループ」という印象が強くある。やはり長く在籍しているメンバーが"あんじゅれらしさ"をしっかりキープしてくれていたから、グループのカラーがブレることなく、いつも安心して楽しく見ることができていたのではないだろうか。
吉橋亜理砂さんもそんなあんじゅれを支えてきたメンバーの一人。らぶどるから移籍してもう7年目なので、彼女のいないあんじゅれは見たことがない。小柄でかわいい、アイドルらしく甘いルックスとテンポよくテキパキと進めるMCの実力。特に司会進行的な面では右に出るメンバーはなく、あんじゅれの大きな戦力だったと思う。正直、いつも彼女だけを見ていた…といった感じのファンではなかったけど、ありえるのいないあんじゅれは考えられないくらい、自分の中では大事なメンバーになっていた。

そんなありえるの突然の卒業発表。しかもラストライブまで1カ月ほどしかない急展開。それだけに何か深刻な事情で続けられなくなったのだろうか…などと気になってもいた。しかし、結論からいえばそうした心配は無用だったようだ。最後の挨拶などを聞くと、卒業後も引退してしまうわけではなく、何らかの表に出る仕事は続けるよう。あんじゅれ、さらにはAJから巣立って新たなステップを踏み出す、そのタイミングがたまたまこの時期だったということのようだ。いてくれるのがあたりまえだったメンバーの卒業はたしかに名残惜しいけど、何かの事情で夢を断たれたのではなく、自らの意思で新しいキャリアを選び取ったのなら、ファンとしてもその方が絶対に良いに決まっている。20曲を歌い切って、自身にとってもグループにとっても大きな節目となるステージでひとつの集大成を見せてくれたありえる。満員のファンに何度も手を振りながら去っていくその姿がとてもさわやかで力強いものに見えた。

■オープニングはオーバーチュアにあわせて全員で登場。ありえるの卒業衣装は、きれいな水色のドレス。もちろんメンバーカラーだ。スカートの後ろが長くなっていてプリンセス感もありつつ、前から見るとあんじゅれらしく足が長く見えるミニ丈でもある。似合ってた！ その他のメンバーは薄緑のストライプ衣装。
■当日朝、「絶対1曲目から泣くと思う」と自分でツイートしていたありえる。でも全体的に大泣きするようなことはなく（涙目や涙声には何度かなっていたけど）、いつもの彼女らしく明るいパフォーマンスを見せてくれた。持ち味のMCもほぼすべて自分で仕切ってたね。トークでは「メンバー全員、泣いたら罰ゲームで尻文字」という話など。
■この日のセットリスト担当ももちろんありえる。生誕などはかわいい「天使曲」だけで固める…のがお約束の彼女だが、この日は厳選した「堕天使曲」も2曲。やっぱりあんじゅれの欠かせない一面だからね。選んだのは、タイトルからして堕天使曲の代表といえる「心モヨヲ」と、最後にラップパートをキメたかったという「Tell me why」。ばっちりだったね。

■中盤はエモ系ナンバーを続けて歌っていく。「Angel Sign」のオープニングは、ライブではめったにやらないありえるのセリフ入りバージョン。この曲から「星空プラネタリウム」あたりがメンバーもいちばん気持ちを抑えきれなくなっていたところだったかな。ありえると組んで踊るパートが多いゆあもんもけっこう涙目になっている…。
■このパートでは、「プロローグ」「BLOOMING RUNWAY」という比較的新しいナンバーが聴けたのはうれしかった。この2曲は「今の5人になってはじめての新曲」という思い出があって選んだそう。前向きなパワーを感じさせる「ランウェイ」でメンバーも涙が引っ込んで元気出たと直後のMCで言ってたけど、ファンも同じ気持ちだったと思う。

■終盤に入るところでソロ曲。ありえるのAJでのキャリアの「原点」、らぶどる時代を代表する1曲として選んだのは「カレンダーガール」。自分では歌が得意という意識は最後までなかったみたいだけど、この日はファンの大きなコールを力にしっかり歌い切っていた。普通に聴いてもっと自信持っていい歌だったんじゃないかな。
■「Your Smile」は撮影可。「いっぱい撮って思い出に残してください！」。曲前半はメンバーが自由にステージを動き回って笑顔でファンに手を振っていく。そして曲後半はいつものフォーメーションで。ここからは楽しいアッパー曲を連発。本編ラストは「イトシラブ」。セリフはありえるで「あんじゅれ大好き〜！」。これが最後だなんて信じられないいつもの楽しいステージ！ メンバーも「やってるうちに卒業ライブだということを忘れそうになった…」的な話をしていたけど、まさにそんな感じだった。

■アンコールは「サマ☆ラブ」でスタート。全員黒の卒業Tシャツ。ありえるも卒Tをカスタムした衣装にチェンジ。この曲に欠かせないホイッスルも吹き納め。キマったね！
■ありえるからの最後のメッセージは手紙を読むスタイルで。AJで、そしてらぶどる、あんじゅれの活動を通して成長できたこと。それを支えてくれたメンバー、スタッフ、社長、関係者、家族…などにそれぞれお礼の言葉を述べる。メンバーに対しては一人一人に呼びかけていくのだが、ひめこはありえると目をあわせると泣いてしまうということなのか、呼ばれてもずっと後ろを向いたまま…。このシーンはとても印象に残った。最後はファンに向けて。「また会える日まで…」という言葉があったので、表舞台を去ってしまうことはないのだなということが確信となった。"泣き虫キャラ"が定着してるありえるだけど、時折涙声になりながらも、この手紙は最後までしっかりと読み、丁寧な言葉でその思いをたしかに伝えてくれた。間違いなく成長した姿がそこにあった。

■ラスト2曲は「恋愛☆下剋上」〜「Colorful」。「下剋上」の山場でのシャウトは、卒業Tシャツのデザインになっているくらいで、まさにありえるの独壇場。最後の最後に大きな見せ場。ファンも思い切り盛り上がれたんじゃないかな〜。明るいアッパー曲で締めくくるのがあんじゅれらしく、ありえるらしかった。
■締めのMCを終えてメンバーが去ったステージに一人残ったありえる。舞台下手、上手、そして中央で客席に向かい一礼していく。やまないありえるコールに包まれながら最後のひと声。きちんとした正統派アイドルらしいエンディングだった。
■終演後はAJでのありえるの歩みをスライドショーで振り返るムービー（BGMは「Be With You」）。「アイドルはキラキラしたところだけを見せるもの」という美学のもと、弱ったところや苦しんでいるところは絶対に表に出さないようにしてきたというありえるが「見せたかった姿」がそこに凝縮していたのだと思う。
■全20曲、約2時間4分（アンコール含む）。

来年のあんじゅれ10周年にメンバーでいられなかったのが心残り…と話していたありえるだけど、それ以上にやりたいことが見つかったから卒業という道を選んだのだろう。頑張ってほしい。そして当然ながらあんじゅれはまだまだ続いていく。メンバーの補充はあるのか、ありえるの担当パートは誰が引き継ぐのか…などファンには気になることもいっぱい。これからもしっかり見守っていくよ。

開演12時40分→終演14時44分。