2023/11/09　文坂なの、MaNaMaNa、fishbawl、さよならステイチューン、でか美ちゃん、寺嶋由芙　渋谷 O-nest

「Great Hunting Night Vol.77」。約9年ぶりのグレハン（前回見たのはVol.54）。おなじみの加茂啓太郎氏が注目のアーチストを紹介するイベントで、この日もロビーやホール内をファンにまじって動き回る加茂さんの姿が。お目当ては文坂なのさん。オールスタンディングで、立ち位置は上手端の一段高くなったあたり。終始満員だったけどおかげで視界はまずまず。

○「MaNaMaNa」　バックトラックを使った1人でのステージ。ライブを見るのは約4カ月ぶりで2回目。その4カ月前のライブが、サウンドプロデューサーに加茂氏を迎え、林奈緒美からマナマナに改名する…と発表したライブだった。この日は、もともと彼女がやっていた感じの明るく元気なロックチューンと、おそらく加茂氏主導で制作されたのだろうと思えるダンスサウンドを導入したナンバーがちょうど半々。衣装も前回から大きく変化して、全身オレンジのサンバダンサーみたいな派手なものになっている。ただ、まだ方向性が定まりきってない印象も。全6曲、約24分。

○「文坂なの」　ライブを見るのは約3週間ぶりで17回目。セットリストは、「アステリズム」「愛わずらい」「さよならクリエーター」「ため息さえも」「輝きin my love」「好印象な恋しよう」…の全6曲。
前半3曲はマイクスタンド、後半はハンドマイクに切り替えてステージの幅を生かしながら歌う。対バンイベントらしく代表曲中心の選曲。比較的ゆったりはじまって、後半にいくにしたがって高まっていく流れだったかな。この日出演したどのアーチスト/アイドルともかぶらない音楽性。フロアからもいい感じの拍手がきてたと思う。持ち時間に対して曲数も十分で聴きごたえあったね。
衣装はシルバーのワンピース。珍しいメタリックな質感の生地に花か何かの模様が入っている。スカートのすそがバルーンタイプになってるのもかわいい。一段高い位置からだったので、足元までちゃんと見ることができた。おそらく平場のフロアにいたら上半身くらいしか見えなかったのではないだろうか。やっぱり振り付けやビジュアルも含めて全部が見どころなのでここは重要。MCは全曲終わったところで告知だけ。1stアルバム（！）が1月にリリースされるそう。この情報は初出しかな？ 詳しいことはまだみたいだけど年明けが楽しみになってきた。約26分。

○「fishbawl」　ヤマモトショウ氏がプロデュースしている静岡のご当地アイドル。楽曲は少しだけ聴いたことはあったがライブは初見。メンバー4人でのステージ。赤/白の金魚をイメージしたような衣装にスニーカー。どことなくいなたさが残るビジュアルで、そこがローカルアイドルらしさかなと思いながら見ていたのだが、何曲か聴いていくうちに、この総合力はかなりのものではないかと思えてきた。ダンスサウンドをベースとした楽曲。どの曲にもフックになる仕掛けがあって耳に残る。メンバーも一見すると素朴そうなのだが、それぞれの個性を生かしたパフォーマンスできっちりアピールできている。ライブ後半になると、この4人のバランスのよさがグループの魅力になっていることが伝わってきた。ヤマモト氏といえば初期フィロソフィーのダンスに深く関わっていたことでも知られている。その時のノウハウがかなり生かされているのではないだろうか。全6曲、約25分。

○「さよならステイチューン」　予備知識なしでの初見（名前を知ってたくらい）。メンバー6人でのステージ。ビジュアルも楽曲もパフォーマンスも、すべての面でものすごくこなれてる…というのが第一印象。イマドキの王道アイドルという感じだろうか。初見でも最初から楽しく聴けた。序盤はクラブテイスト強めのサウンド、中盤はシティポップ的な洗練された楽曲、そしてラストはこれぞグループアイドルというアッパーチューン。あとでプロフィールを見るとメンバーは全員アイドル経験者。ファンもたぶんこの日いちばん多かったね。コンセプト的に特に変わったことをしてるわけじゃないけど、ひとつひとつの要素の強度を上げるとこうなる…みたいなグループ。全5曲、約25分。

○「でか美ちゃん」　ライブを見るのは約9年ぶりで2回目。当時はまだ「ぱいぱいでか美」だった。改名しても芸風はたぶんそんなに変わってないのかな。とにかくトークの上手さ、楽しさは芸人レベル！ しかも一人しゃべりだけでなく、フロアのファンとの絡みが抜群におもしろい。もはや演者と客が一体となっての集団芸？といってもいいほど。一方、歌はとてもうまいと思ったけど、音楽全体として捉えるとそこまで尖った要素はない感じ。ディスコとか4ビートとかバラエティ感はあったものの、むしろファンにマイクを向けて歌わせるパフォーマンスなどの方がインパクト強かった。アーチストである以上にエンターテイナーという印象。全5曲、約28分。

○「寺嶋由芙」　ライブを見るのは約1年半ぶりで31回目。セットリストは、「君より大人」「80デニールの恋」「恋の後味」「知らない誰かに抱かれてもいい」「大宇宙の無限愛」、アンコールで「いい女をよろしく」…の全6曲。
この日の会場（O-nest）は約10年前にソロデビュー直前のゆっふぃーをはじめて見た場所。そこで当時のナンバー「80デニールの恋」を聴くことになろうとは…。ちょっとインターバルが空いていたので「知らない曲だかりだったらどうしよう」と思っていたのだが、新旧曲がバランスよく配合されたセトリで久しぶりのファンにも優しい仕様になっていた。彼女自身、10周年が迫っていることを意識していた部分もあったようだ。とはいえ最近のナンバーでははじめて聴く曲も何曲か。まずは「恋の後味」。シティポップだよね。これは最近のゆっふぃーのナンバーの中では抜群に好きな曲といえる。本編ラストの「大宇宙の無限愛」はつんく氏提供の最新曲。アンコールの「いい女…」とともに終盤はハロプロテイストで盛り上がった。ちょっと毒のあるMCもあいかわらずで楽しい。約33分（アンコール含む）。

加茂さんと縁の深いアイドルといえば、何といってもゆっふぃー。貫禄のトリだったね。大人っぽい黒の衣装を着たその姿は背が高くて、ほんとうにすらりとしている。MCではグレハンが25周年を迎えたという話題なども。ゆるキャラや短歌など周辺活動でも存在感を見せている近年のゆっふぃーの状況も知ることができて有意義なイベントとなった。

開演19時→終演21時53分。

2023/11/08　ニコニコ♡STAGE　赤羽 ReNY alpha（ワンマン）

「ニコステ 4thワンマンライブ」。約8カ月ぶりの開催となったフルサイズワンマン。しっかり見たいので前方エリアのAチケットを購入。オールスタンディングで上手寄り4列目。このへんは前方エリアの中ではほぼ最後方なので人口密度も低め。ゆったり見られたね。もちろん視界的にはニコ劇あたりの方が断然いいわけだけど、そこはワンマンらしい盛り上がりを楽しむということで。

メンバー4人でのステージ。セットリストは、「ときめきキャッチャー」「もしも君と僕がひょんなことから異世界に迷い込んで恋に落ちたら」「カメレオキャッツ」「Milkyway」「コネコクラシー」「マスカレイドジャーニー」「Cherry Girl」「お出まし！？絶対オトメ♡りおめるショータイム☆」「異世界ケーキ大戦」「レモンちゅーハイ」「星屑ポエム」、アンコールで「シンフーオーバー」「世界共通言語ネコ語計画」「マタタビ」「曖昧MONSTER NIGHT」…の全15曲。（公式ツイート参照）

4人体制になってはじめてのフルサイズワンマン。事前の告知でも「4人」ということがかなり強調されていて、3月の青山ゆのんさん卒業後もメンバーの追加なしでここまでやってきたニコステ現体制の真価を示すステージ…と位置づける彼女たちの強い気持ちが伝わってきた。
10月にはワンマンに向けて4週連続での新曲披露も敢行。当日はそのまだ新しい楽曲群を4曲連続で聴かせてくれたほか、新衣装、新MV（異世界ケーキ大戦）、新ユニット2組それぞれの新曲＋新衣装、さらにはサプライズでまったくの新曲「シンフーオーバー」とそのMV、さらに新曲をまとめた新アルバムも。最初から最後まで目が離せない、まさに「4人でもこれだけできるんだ」ということをファンに見せつけるような「新」のオンパレードで、ニコステの底力を感じさせてくれたのだった。
数週間前には平日＆赤羽という条件で動員の心配もしていたけど、蓋を開けてみれば後方エリアもお客さんでいっぱい！ 終盤の定番曲での盛り上がりはワンマンにふさわしい熱いものだったと思う。アンコールではメンバーそれぞれから感想が述べられた。大成功で幕をおろすステージにつきものの光景。でも、そこで繰り返される「今の4人だからできた」「この4人でよかった」といった言葉に、何ともいえない不穏な胸さわぎを感じたのは自分だけだろうか…。
そして最後の小鳥遊めるさんの順番。どうかこのまま何事もなく終わってほしい…という願いは、目に涙をためた彼女の表情を見た瞬間に叶えられないことがわかった。
「私、小鳥遊めるは3月末をもってニコステを卒業します」
最後の曲「曖昧MONSTER NIGHT」では何も考えられず、ただめるめるの姿だけを追っていた…。

■オープニングは、ステージ奥の全面モニターに映し出されるカウントダウン画像でスタート。高まる開幕感！ このモニターは開演中もずっとVJ的な映像で盛り上げてくれた。こういう華やかな演出はニコ劇ではできない。
■前半のステージは「新衣装」で。メンバーカラーにもうひとつ別の色を組み合わせた配色と、一人ずつ微妙に違うかわいいデザイン。今回は全員共通でエナメル素材が多く使われているのもポイントだそう。メイド＋アイドルといった雰囲気でニコステらしさも十分。
■10月にお披露目した新曲は、序盤の3〜6曲目で一気に聴かせてくれた。個人的には「コネコクラシー」と「マスカレイドジャーニー」がお初。「コネコ…」は和風のボカロテイスト曲でとにかく賑やかで楽しい！ VJも日本らしい金色の扇子などがモチーフになっている。続く「マスカレイド…」はタイトルのイメージ通り、一転して妖艶な夜の雰囲気かな。マイナー歌謡っぽさもあって、これまた良曲。普段の公演でもどんどん聴きたい！

■中盤は新ユニットのコーナー。先攻はみなみゆきさん＆雷神サンダーレイガーさんの「Tiffany」。それぞれのメンバーカラー（青と緑）を混ぜると「ティファニーブルー」になるから…というのがユニット名の由来だそう。楽曲「Cherry Girl」は切ない歌謡曲フィール。シースルー感のある黒/赤の衣装との相性もぴったりだったんじゃないかな。
■数日前からレイガーちゃんが喉を痛めて声が出せない…ということでMCは身振りで。それをメンバーが通訳？してくれる。ニコステの曲はもともとリップシンクなのでそこはあまり違和感もなく。
■後攻は小鳥遊めるさん＆宇津木りおさんの「グミチョコ♡えんじぇるず」。2人の好きなお菓子をユニット名にしてるのも"らしい"感じ。地雷カラー（ピンク/ブラック）の激キャワな衣装＋ポップなロックテイストの楽曲もよかった。タイトルは長すぎてその場ではメモできず。あらためて公式ツイートで確認してこれもめるめるらしいわ〜という感じ。
■この新ユニット、組み合わせ抽選の日に現地で見ていた縁もありとても楽しく見ることができたね。ユニット曲はライブで聴ける機会も限られるしサブスク配信が待たれる。

■ユニット衣装のまま本編後半へ。まずは「異世界ケーキ大戦」。完成した新MVを全面モニターに流しながらのパフォーマンスとなる。ライブも見たいしMVも見たい。どっち見たらええんや〜？という贅沢な時間。曲後半ではメンバーがフロアにお菓子の袋を投げ込む。いつもこういうのは取れないのだが、この日はりおちゃんの投げたチョコをゲットできた！
■本編ラストはニコステはじまりの曲「星屑ポエム」。節目のライブらしい選曲だろう。ただ、このエモさに何か心がざわつくのも感じていた。

■アンコール前動画はいきなりの新MV！ これ、サプライズ披露だよね？ 新曲「シンフーオーバー」。中華街でメンバーが食べ歩きする楽しい映像にいかにもチャイナなハチャメチャポップ。これぞニコステという感じの楽曲。アンコール1曲目もその「シンフーオーバー」をライブバージョンで。VJはもちろん同曲MV。一気に2回見ることができた。ちなみにこのMVも監督はめるめるだそう。
■10月公開の4曲に「シンフー…」を加えて5曲入りミニアルバムとして11月下旬に配信リリースという発表も。めでたい。できればユニット曲もボーナストラックか何かでつけてくれんかな？
■「ネコ語」「マタタビ」でライブもクライマックス。アンコールではメンバー全員ワンマンTシャツに着替えている。
■そして運命の感想MCへ。身振りで気持ちを表してくれたレイガーちゃん、すでにうっすら涙目だったりおちゃん、4人になったニコステ8カ月の歩みを振り返ってくれたゆっきー…と続いて、最後はめるめる。「みんなにしっかり伝えたいから」と一人だけメモを取り出して話しはじめる。全部正確に覚えているわけではないが、ニコステのみんなと過ごした日々をいい思い出のままにしたい、だから今決断します…的な内容だったと思う。卒業時期は3月末。残りあと5カ月弱…。
※翌日のSNSで卒業日は3/10（めるめるのアイドルデビュー記念日）と発表された。早まったことにより残りはほぼ4カ月となった。
■全15曲、約1時間29分（アンコール含む）。

小鳥遊めるさん卒業を機にニコステ自体が解散するといった話には今のところなってない。継続が前提なら4月以降、追加メンバーを入れて新体制でリスタートすることになるのだろう。ひょっとして現役を退いた後、めるめるが新生ニコステのプロデューサーに就任…なんて可能性はないのだろうか。妄想かもしれないが、そんな夢を見させてほしい気もする。

開演19時→終演20時29分。

2023/11/04　ニコニコ♡STAGE、ニコニコ♡PRINCESS　上野広小路 異世界アイドルシアターニコニコ劇場

ニコ劇の土曜定期公演「異世界ライブ」。この日はニコステ＆ニコぷりのツーマン。Bチケットで2列目センター。週末で椅子席が4列仕様になっているので、平日などの3列公演にくらべると若干ではあるがステージが近い。この"若干"がけっこう大事。臨場感がかなり違うのよね。

○「ニコニコ♡PRINCESS」　メンバー5人でのステージ。セットリストは、「フィーバーNIGHT」「GIRLS POWER」「焼き肉ロマンス」「この夢の延長線」「弱気なビット」「真昼からシンデレラ」…の全6曲。
現体制のニコぷりを見るのは約半月ぶりで4回目。まだまだ少ないけど、回を重ねるごとに徐々に親しみも増してくるもの。しかも、考えてみると、前回がナース公演だったこともあって、「レギュラー衣装で全員そろった新体制ニコぷりをニコ劇で見る」のはこの日がはじめて。オープニングで全員そろったところからアイドルらしい華やかさが感じられたし、最初から最後まで楽しく見ることができた。
パフォーマンスにもまとまりが感じられた。これまでは、よくいえば勢いがあって自由奔放、逆にいえばまだ粗さが気になる…という印象だったのだが、この日はそのへんのバランスがすごくよくなっていた。考えてみればまだお披露目から4カ月ほど。これからどんどんレベルアップしていくのだろうと思う。
個別のメンバーで、いちばん安定感があるのはやっぱり天羽りんかさん。安心して見ていられる。顔も小さくてほんとうに人形みたい。約28分。

○「ニコニコ♡STAGE」　メンバー3人でのステージ（みなみゆきさん休演）。セットリストは、「世界共通語言語ネコ語計画」「SWEETS PARADISE」「オレンジバニーガール」「片想いペトル」「ときめきキャッチャー」「ハッピーニューイヤーおもち」「異世界ケーキ大戦」…の全7曲。
衣装はピンク＆ブラックの地雷バージョン。好きな衣装のひとつなのでうれしいし、見ただけでテンションあがるわ〜。みんなかわいかったけど、その中でもいちばん映えていたのは雷神サンダーレイガーさん。美少女感、ドール感が半端ない！ 特にスタイルのよさは配信だと十分伝わらないと思うので、現地で見ることができてほんとうにラッキーだった。
■セトリはニコスト曲、ニコスイ曲が中心。翌週にワンマンが迫ってるということで、ニコステ曲に関してはやや出し惜しみしてる感じだったのかな？
■そんな中でめる＆レイガーユニットの「オレンジバニーガール」、りおちゃんソロ「片想いペトル」が聴けたのは収穫だった。休演で3人公演になるのを知った時から、これはソロ曲あるかも…と予想していたのが当たった感じ。
■める＆レイガーでの「オレンジ…」をライブで聴くのはお初。ニコグルユニットの中でも1、2を争うくらい好きな曲であり、脳内では今でも小針小枝さんの声で再生されるこの曲。でも、新ユニットに受け継がれたのがまずはめでたい感じかな。まだあまり回数やってないからか、振り付けなどもこなれてくるのはこれから…という感じだったけど、ニコステ内ユニットなので、そう頻繁じゃなくても普段の定期公演などで聴けるチャンスがあるのはうれしい。
■りおちゃんの「片想いペトル」はマイクスタンドと小道具のバラを使ってのステージ。こちらはもう2年半くらい歌い込んでる曲でもあり、歌詞の世界に沿った表情のつくり方とかもすばらしい。ユニット、ソロの2曲とも歌謡曲的な泣きのテイスト全開。この流れもすばらしかったね。
■MCではワンマンを盛り上げるためのSHOWROOM配信や、その視聴者を対象にした抽選会の結果発表など。ワンマンのチケットはもちろん押さえてある。楽しみだね。
■全7曲、約32分。

何度も見ているグループの場合、休演者が出て人数が少ないステージの方がレアで意外とおもしろいということはけっこうある。一種の「味変」効果。この日のニコステもそんな感じだったかもね。もちろん初見の時や休みが単推しのメンバーだったりした時はそうも言ってられないのだが…。

開演18時→終演19時02分。