2023/12/12　ミライサガシ〜MIRAISAGASHI〜　五反田 GOTANDA G6（ワンマン）

「ミライサガシ単独無料公演〜ミライをサガス〜」。約半月のインターバルで見る同じ会場での単独公演。事前に「新曲発表あり」という情報が出たので、これは行かないと！…ということで。チケットは一般で後方エリアでのスタンディング。エリア内2列目、ちょうどセンターあたりの位置を確保できた。

メンバー5人でのステージ。衣装は正式デビューライブから着ている制服バージョン（膝下丈スカート）。セットリストは、「カラフルデイズ（新曲）」「キミギミシンドローム」「ときめきサマー♡」「未完成な僕達」「ミライサガシ」「BuzzMaker」「Gimme your smile」「純情Diary」「カラフルデイズ（2回目）」…の全9曲。

この日のトピックはやはり新曲！ 前回の単独公演の感想で「新しい動きは年明けの新体制以降だろうか」と書いたのだが、いきなりはずれたね。でも、こういうポジティブな方向での誤算ならどんどんあってほしいと思う。
その新曲「カラフルデイズ」はいきなり1曲目。はじめて聴くイントロの響きで新曲を確信する。1/3にラストライブを予定している雨宮ういりさんの卒業曲だそう。爽やかさとともに躍動感もあるポップナンバー。ミラサガのセルフタイトル曲「ミライサガシ」と対になるようなテーマが感じられる楽曲でもある。センターで歌い出しを任されているのはもちろんういりん！
まだタイトルも知らない状態で聴いた第一印象は、「（ニコラバの）『Girlish Fantasy』っぽい雰囲気があるのでは…」というものだった。あとでメンバーのSNSなどを見ると、作者はまさにその「Girlish…」と同じ宮入俊悟氏。「Girlish Fantasy」は、第2期ニコラバの最後期を代表する曲だったと思っている。おそらくういりんにとっても大事な曲だったはず。さらに振り付けは、ういりんのユニドル時代からの盟友であるりさこさんが担当している。ういりんを送り出すためにこの曲を用意したスタッフの心づかいがよくわかる布陣。間違いなく最高のはなむけになるという気がした。

■「カラフルデイズ」は最初と最後に2回披露。既存曲もすべてやったので、オリジナルのみで構成された公演としては過去最多の9曲となった（カバーも含めてなら「半年記念」で10曲やっている）。
■ういりん卒業曲を発表する公演ということで、この日はトークもういりん中心に回していた印象。1回目のMCは主に新曲の紹介。途中でタイトルを紹介してなかったのに気づいた白石凛さんが、すかさず「タイトル何だっけ？」とフォロー。あうんの呼吸がすばらしい。
■2回目のMCは、ういりんが考えた「早く結婚しそうなメンバーランキング」。開演前に楽屋で盛り上がってたそう。結果は（早い方から）ももちゃん→りんちゃん→ういりん→かんにゃ→ネェコ。最下位にされたネェコさんは不機嫌だが、オタク的にはいちばんおいしいポジションだろう。りんちゃんが上位なのは「埼玉だから」、その次が自分なのは「最年長なので」…と理由も説明してくれる。こんなに長くしゃべってるういりんは久しぶりに見たというくらい。楽しかった。
■そんなわけで自然にういりん中心に見ていたこの日の公演。「ミライサガシ」では、あらためて歌がうまくなったな〜と感じさせられる。プレデビューの頃の、どこかおそるおそる歌っていたような感じはもう全然なくなって堂々と聴かせてくれる。
■中盤までサラサラだった前髪が、ライブ後半になると汗でおでこにぴったり貼りついているのもいつものういりんらしくてかわいい。そしてうっすら汗をかいた横顔がめっちゃきれいだということにもはじめて気づいた。というか気づくのが遅すぎ…。
■終演後の告知もういりん。卒業公演のVIP席の抽選がはじまっているので「運だめしだと思って応募してね〜」と明るい。でも、その明るい笑顔を見られるのもあと半月あまり…と思うと切ない。
■全9曲、約46分。

後方エリアとはいえほぼセンターで見たので、ステージ中央に立ったメンバーの視線や指差しなどがバンバン飛んでくる。両サイドの方が前寄りの位置を取りやすいので、普段はどうしても端っこに行きがちだが、やっぱセンターにはセンターの良さがあるね。短い時間に内容ぎっしりのライブで見ごたえあった。

開演19時15分→終演20時01分。

2023/12/10　有栖川かがみ、文坂なの、あかね、Nao＋　末広町 秋葉原Galaxy

「有栖川かがみ周年2023〜東京編〜」。文坂なのさんの出演スケジュールで知ったイベント。声優/アイドルの有栖川かがみさんが、仲の良いソロアーチスト3組を招いて開催した周年ライブ。お目当ての文坂さん以外はすべて初見の出演者。前の方に行こうと思えば行ける状況ではあったが、いまいち様子がわからないので、中央よりやや後ろくらいの位置で見ることに。

○「Nao＋」　読み方は「なおたす」。12月らしい赤のサンタ衣装で登場。バックトラックを使った1人でのステージ（以下全出演者同じ）。楽曲は「ファイ！ファイ！」と盛り上げるロックナンバーと、R＆Bテイストで重量感のあるヘビーバラードが半々…という感じ。ボーカルは声量があってパワフル。スローナンバーでの歌唱力もしっかりしている。アイドルというよりソロのボーカリスト/アーチストといったイメージ。でも、フロアのファンの応援はわりとアイドルっぽい。全6曲、約26分。

○「あかね」　全曲MVを上映しながらのステージ。この日の会場はステージの背景＆床全面がLEDになっていて、その特色をいちばん生かしていたのが彼女だった。もちろんMVをたくさん持ってないとできないことでもある。ファイ系？のロックを中心に、エモーショナルなヘビーバラードがアクセントになる楽曲、さらに声量があってパンチのきいた歌唱…など、ジャンル的にはひとつ前に出たNao＋さんと近い印象。違いをあげるなら、あかねさんの方がややポップな感覚が強いことだろうか。関西出身者らしい「アネキ」っぽいキャラも持ち味だと思った。全5曲、約26分。

○「文坂なの」　ライブを見るのは約1カ月ぶりで18回目。この時間帯は2列目あたりまで前進して見ることができた。セットリストは、「愛わずらい」「ため息さえも」「やさしいひと」「LATE SHOW」「好印象な恋しよう」…の全5曲。
衣装は赤のミニスカサンタ。甘いデザインの季節もので、これだけでもファンには眼福なわけだが、この日は"おでこ"の一部を見せるレアな髪型でもあった。SNSによると髪を切る時間がなくて…とのことだけど、これもなかなかいいね。ハーフツインの結び目につけた白い飾りもかわいすぎた！
セトリでのトピックは、1月リリースの1stアルバムから「やさしいひと」を聴けたこと。6月の主催ライブでお披露目してくれて以来かな。あらためて聴いてもメロディアスですばらしい。特にサビの展開が生み出す濃密な80年代感！ 猛烈にリリースが待ち遠しくなってくるわ〜。
MCでは、有栖川かがみさんとは（かがみんが大阪に住んでいた頃からの）親友で、今でも上京するたびに会っている…という話など。会いすぎて写真も撮らないし、SNSにもあげないくらい…というから、もう家族みたいな感じ？ 主催ライブに呼びあうこともあるそうなので、またそのうち2人の共演ステージを見ることができるかも。約26分。

○「有栖川かがみ」　この日の出演者の中で、いろんな意味でいちばん「アイドルっぽかった」のが、この日の主催者かがみんだったのではないだろうか。楽曲は、前半がアニソン風のカッコいいロックナンバー。春奈るなさんとか好きな人なら絶対気に入りそうな雰囲気。後半は一転してかわいいポップ曲を連発。大ヒットアニソンの「サインはB」を「K」に変えたカバーなども。イメージカラーのラベンダーでまとめたかわいい周年衣装との相性もばっちりで、ビジュアル的にもアイドルらしさ全開だったね。この日の彼女のテーマは「かわいい＝カッコいい」だったそう。まさにそれを地でいくかわいさ＆カッコよさをハイブリッドしたステージだったと思う。
MIXなどフロアの盛り上げも熱かったね。かがみんが「みんなの声が大きすぎるので（モニターの）ボーカルのカエシを上げて」とPAさんに頼むほど。ファンの描いたイラスト（←うまい）を使ったリリックビデオのお披露目もあるなど、周年らしいアットホームな現場感もよかった。全6曲、約35分。

終演後、出演者全員をステージに呼び込んでエンディング。集合写真＆一言コメントなど。かがみんに「なのたんはいるだけでかわいい」と紹介される文坂なのさん。ロック系のサウンドが多かったこの日の顔ぶれの中で個性が際立ってたね。12月はあと2回、チケットを押さえている。そちらも楽しみ。

開演12時→終演14時。

2023/12/02　Ange☆Reve　白金高輪 SELENE b2（ワンマン）

「Ange☆Reve 佐々木璃花バースデーライブ2023」。4年連続での参加となったりかまる生誕。この日はカメラ席とかいろいろ券種があり、一般はEチケットとなる。入場順はかなり遅めだが、撮影可能エリアとは区切られているので、フロアの真ん中あたり（やや下手寄り）の立ち位置となった。オールスタンディングで視界がいいとはいえないが、この会場はこんなものだろう。

メンバー5人でのステージ。セットリストは、「Stare」「イトシラブ」「ココからイマジネーション」「星空プラネタリウム」「Angel Sign」「ウィンターマジック*」「メリクリ*」「Re:Stare」「プロローグ」「Limited Complex」「勇敢な恋のセレナーデ」「絶対リメンバー」「リトルピ」「L♡ve Scream」「Colorful」、アンコールで「Always*」「Your Smile」「運命的％」…の全18曲。（*印＝カバー）

あんじゅれでのりかまる生誕は10回目。つまり現役アイドルとしてのキャリアも10年ということになる。「もう生誕でも緊張なんてしないでしょと言われるけど、全然そんなことないです。今日もすごく緊張しました」というMCからは、10年たっても初心を忘れない彼女のステージに向きあう姿勢が伝わってきた。考えてみれば、生誕ライブは年に一度の"座長公演"みたいなもの。自分の責任でお客さんを絶対に楽しませなくては…というプレッシャーは強まりこそすれ、なくなることはないのかもしれない。

この日はグループ曲に加えて、ユニット2曲、ソロ2曲を披露。いつもは「下手だから」とほとんどやらないMCも中心になって仕切り、一人しゃべりの時間もけっこうしっかりとっている。本人が緊張するのも当然と思えるくらい、生誕でしかやらない企画がいろいろ詰め込まれていて、サービス精神たっぷりの内容。となればファンとしては、もう楽しむしかないよね。しかも、あんじゅれのこのサイズ（90分以上）のワンマン自体、ありえる卒業公演以来なので約5カ月ぶり。見どころ＆聴きどころいっぱいで、最初から最後までずっとステージに惹きつけられていた。

■ピンクの風船でデコレーションされたステージ。「10回目なので派手にしてもらいました」とのこと。
■オープニングから着ていた生誕衣装も10周年バージョン。全体的なデザインは、他メンバーが着ている冬の新衣装に近い雰囲気。ケープもちゃんとついている。違いは胸元の大きなリボンと色。「初心に戻る」ということで全身明るめのピンク。数年前にもりかまるプロデュースのピンク衣装はあったけど、そちらはわりと落ち着いた大人っぽいピンクだった。こんなアイドルっぽいふわふわしたピンクのりかまる、たしかにあまり見た記憶がない。でも似合ってたね！
■序盤はグループ曲から。「冬生まれなので冬曲中心にしてみた」というセトリを決めたのはもちろんりかまる。全面LEDモニターを生かしたVJもよかったね。特に「星プラ」での宇宙、「Angel Sign」での雪…などが鮮やかだった。

■中盤はユニット＆ソロでのカバー。「ウィンターマジック」（KARA）はえみちぃ＆ひめこを従えて3人で。りかまるがメインボーカルで8割くらい歌い、共演の2人はサブボーカル＆ダンサーみたいなフォーメーション。続く「メリクリ」（BoA）はゆあもんとのデュエット。どちらも冬らしいロマンティックな楽曲。特にミディアムナンバーの「メリクリ」は雰囲気たっぷりだった。選曲も世代を感じさせるもので、彼女がどんな音楽を聴いて育ったのかがわかる感じなのもおもしろい。
■ソロで歌った「Re:Stare」はもう定番かな。りかまる生誕でしか聴けないこの曲を聴くのも4回目…。

■「プロローグ」からの後半は、りかまるもメンバーも衣装のケープをはずして軽快なスタイルに。ちなみに生誕衣装の内側は肩が出る、ちょいセクシーなデザインになっている。
■ここから本編最後までは盛り上げナンバー。注目はやはり全体曲14曲を新体制5人でやりきったことだろう。MCでも触れられてたけど、松本みいなさんの対応力は文句なしにすばらしい。当初は4人バージョンの曲があっても仕方ない…という感じだったらしいけど、みーにゃが「やらせてください！」と自己申告して頑張ったんだそう。加入からの時間を考えると本当に即戦力になっている！
■ラストスパート前の煽りもりかまる…からのひめこ。この流れ、ネタ化していくのだろうか？
■「L♡ve Scream」のセリフ「キスしていいよ」もりかまる！

■アンコール1曲目は再びソロで「Always」（西野カナ）。以前からずっと歌いたかった曲だったけど「キーが厳しいかな」と毎年あきらめてたそう。「でも10周年の機会なので思い切って挑戦しました」。歌詞もしっかり聴きとれる丁寧な歌唱ですごくよかったと思う。
■そのまま一人でMC。「（お約束の）義務的なアンコールは違うなと思って、普段はアンコールを用意しないことが多い。でも今日は10周年でもっと歌いたかったので…」。そう、やはりライブは本編で完結が原則なのよね。だからこそ特別感のあるアンコールはよりうれしいものになる。わかってらっしゃる…という感じ。
■さらに10年間を振り返り、「王道なアイドルでデビューして、この間にアイドル業界の流行りもかなり変わった。それにあわせていった方がいいのかなと思ったこともあるけど、自分はやっぱり今のスタイルが好き。今日、ここに来てくれてるみんなもかわいい王道アイドルが好きなんだと思う。だからそこは変えずにこれからもやっていきたい」…的な話も。プレイング・プロデューサーとしての視点も感じられる言葉。
■たしかにポップミュージックの世界では「10年くらい前のものがいちばんダサく感じられる」という法則がある。その意味ではAJの初期グループはどこも悩ましい部分はあると思う。ただ、もっと大きく「かわいい王道アイドル」と捉えると、一周まわって…どころか二周、三周して完全に定着しているスタイルだともいえる。自分が好きなものをきわめる考え方、りかまるらしくて素敵だと思った。

■他メンバーのことも少しだけ書いておこう。まずひめこは表情がすごくよかったね。進化してるな〜という印象。みーにゃはこの日もツインテール。これはありえるがよくしてた髪型。そこも引き継いだのだろうか。MCでの存在感もえみちぃを脅かすほど。
■アンコール後半は全員で。きっちりサイリウムを仕込んでるえみちぃがすばらしい。
■全18曲、約1時間46分（アンコール含む）。

りかまるのトーク、長々と話すわけじゃないけど彼女の考え方がわかるもので、けっこう深かった。ごくたまにやるSHOWROOMでの一人語りもとても興味深い話が聞けたりするので、個人的にはすごく好きだったりする。「MCは苦手」というのは単なる思い込みという可能性もあるのでは？ とても丁寧に準備されたライブという印象で充実した時間を過ごすことができた。

開演18時06分→終演19時52分。