2024/08/25　DEAR KISS、文坂なの、Hau.、kolme　代々木 LIVE STUDIO LODGE

LIVE STUDIO LODGE Anniversary event「Make Happy!!」。7月にも見た3周年イベントの続編。アニバーサリー期間として何度か開催しているようだ。お目当ては文坂なのさん。さらにあとの3組も2010年代にライブアイドルを見ていた人なら懐かしくなること間違いなしの顔ぶれ。楽しみにして出かけた。

ところが出だしで凡ミス。開演時間を開場と勘違いしてしまい、ホールに入ったらすでに1組目DEAR KISSのステージ中。幸い5分遅れくらいだったので、1曲目の途中から聴けたのだが…焦ったわ〜。

○「DEAR KISS」　ライブを見るのは約1カ月ぶりで2回目。メンバー5人でのステージ。前回はやはり以前いたグループ（GALETTe）の時から知っている四島早紀さん、ののこさんを中心に見ることになったのだが、この日はもう少し全体を見ることができた。楽曲やビジュアルのイメージは、アイドルというよりはダンス＆ボーカルグループに近い印象だろうか。特にメンバーそれぞれでデザインの異なる衣装は、華やかさを保ちつつも大人っぽい雰囲気。「かわいいアイドル」ではなく「カッコいい女性」を表現している感じで無理がない。一方、フロアのファンは、終盤のアッパー曲になるとMIXを打ったりコールを入れてたりして、こちらはけっこうアイドルらしい応援の仕方。いろんな要素がいい具合にまざっていたのではないだろうか。少し遅れて入場したので最初は位置どりなどでバタバタしたけど、中盤以降は落ち着いて楽しく聴くことができた。全6曲、約30分。

○「文坂なの」　ライブを見るのは約2週間ぶりで38回目。1人でのステージ。セットリストは、「新都市遊泳シルエット」「さよならクリエーター」「ため息さえも」「初恋と呼ぶくらい」「輝きin my love」「真夏のリュミエール」…の全6曲。
この日のトピックは何といっても新曲「初恋と呼ぶくらい」。初演は8/19に大阪で開催された生誕ライブなので、1週間もたたずに聴けたことになる。第一印象は「1980年代前半のアイドル歌謡曲」。イントロからしてもうそんな感じ。まだ70年代の残り香が感じられる、アイドルポップではなく"アイドル歌謡"と言いたくなる哀愁味のあるメロディー。曲中にはしっかり「PPPH」ポイントも仕込んである。タイトルもいかにも新人アイドルが歌いそうでいいね。レコード会社でいえば、ソニーやキャニオンではなく、コロムビアやテイチク…といえば伝わるだろうか。もちろんテイストがそうであるだけで、サウンドは現代仕様にブラッシュアップされている。作者は原田夏樹氏。洗練の極みともいえる「真夏のリュミエール」と同じ人が書いているところも興味深い。一連のシティポップ路線とはまた異なる80年代観を表現した楽曲ではないだろうか。また早く聴きたい！
この日は出演者ごとにファンも移動する感じ。文坂さんの時は上手寄り3列目まで前進して見ることができた。衣装は赤の花柄プリントワンピース。ほんとうに華やかでまぶしいくらい。シンプルにまとめたポニーテールの髪型もキマってたね。もうずっと見ていたかった。約30分。

○「Hau.」　「ハウ」は、元WHY＠DOLLの浦谷はるなさんによるソロプロジェクト。2022年から再始動していることは知っていたが、ライブはこの日が初見となった。1人でのステージ。オープニングは、いきなりのほわどる曲で「曖昧MOON」。他にも「Dreamin' Night」「Tokyo Dancing」…と3曲歌ってくれたね。MCで「今日はほわどるの曲を多めにしてみた」と話していたので、Hau.としてのオリジナルを中心にしつつも、普段からほわどる曲も歌っているようだ。オリジナルはゆったりめのR＆Bテイストのナンバーが中心。配信されている曲のクレジットをみたらAmamiyaMaakoさん。他に自作曲なども。どの曲にも振り付け（ダンス）がしっかりついてるけど、全体的な雰囲気はやはりアイドルというよりも歌うきれいなおねえさん。大人っぽいロング丈スカートがすらりとしたスタイルのよさによく映えていた。ステージで見たのはほわどる時代以来なので約5年半ぶり。元気そうでよかった。全7曲、約34分。

○「kolme」　メンバー3人でのステージ。ライブを見るのは約6年ぶりで3回目（Callme時代も含む）。前回見たのは…と思って調べてみたら、なんとバニラビーンズのラストステージとなった「Tパレ感謝祭」だった。インターバルがあきすぎて、以前との比較なんてできるわけがないのだが、やはりグループとしての成熟を感じさせる要素は随所にあった気がした。まずビジュアルが引き締まっている。甘さが抜けてアイドルっぽさが薄まった印象。特にKOUMIさん。メイクの仕方とかが海外にいる日系人みたいな感じで強そう。その彼女が英語でラップするHIPHOP曲もイメージにぴったりで印象に残る。カッコいい。もちろんダンスナンバーは全員でバリバリに踊る。結成から10年。全員同級生の初期メンバーが1人も抜けずに活動を続けているのってほんとうにすごいこと。見ごたえあったね。全5曲、約29分。

遅れて入場したせいでDEAR KISSを見たのは当然最後列。なので、2組目でお目当ての文坂なのさんの時に前の方（しかも前のお客さんがかぶらない位置）に行けたのはめっちゃラッキーだった。後半2組はやや後方にさがってゆるっと。開演と開場の時間を間違えたミス、はじめてじゃないので気をつけたい…。

入場18時05分→終演20時16分。

2024/08/24　うさぎのみみっく!!、idrip、さくまる。　渋谷 CYCLONE

うさぎのみみっく!!定期公演「うさみみアワー Vol.7」。この日はいつものGARRET udagawaではなく、隣接するCYCLONEでの開催。ステージに高さがあって見やすかったね。ゲスト2組は中段やや上手くらいの位置で。お目当てのうさみみの時だけはセンター3列目くらいまで前進してみた。

○「さくまる。」　静岡県浜松市を拠点に活動しているご当地ソロアイドル。予備知識はそれだけでライブは初見。1人でのステージ。楽曲は甘々でかわいいエレクトロサウンドのポップ。ダンサブルで理屈抜きに楽しい。佐々木喫茶風だね…と思いながら聴いてたのだが、あとでクレジットを確認したらオリジナル3曲はほんとうに佐々木喫茶曲だった。アイドル好きでこういうのが嫌いな人っていないんじゃない？ さらに歌っているさくまるさんが、これまたアイドル好きなら誰でも好きになってしまいそうな清純！可憐！というタイプ。前年11月デビューでキャリアはまだ9カ月ほど。歌もダンスもフレッシュそのもの！ 好感度メーターがいきなり振り切れそう。持ち歌が少ないので2回やってた曲もあったけど、初見にとってはかえってありがたいくらいだった。オリジナル以外はカバーだろうか。全7曲、約30分。

○「idrip」　「あいどりっぷ」。予備知識なしでの初見。メンバー2人でのステージ。楽曲はスピード感があってアゲアゲなデジポップ。そのベースの上にロックっぽいサウンドや歌謡風のマイナーメロディーなどがいいバランスで散りばめられている。フロアのファンを巻き込む勢いのあるパフォーマンスを見せてくれた。ただ、パワフル一辺倒の印象にならないのは、メンバーのアイドルらしいビジュアルの効果もありそうだ。おそろいの白衣装で髪には同色のリボン。ビジュアルだけ見たら完全にかわいい系アイドル。MCも気さくな雰囲気で親しみやすくてよかった。MCでは「2周年ライブ」の告知など。「名古屋と東京で開催」と言っていたので気になって確認したら、やはり名古屋を本拠地として活動しているグループとのこと。この日も遠征ライブなのだがファン多かったね。全6曲、約28分。

○「うさぎのみみっく!!」　ライブを見るのは約1カ月ぶりで8回目。メンバー4人でのステージ。セットリストは、「PandeMimic!!」「ミラクルO'Clock」「シンメトリック」「七色のディスティニー」「しずくとカーテン」「透明バルーン」…の全6曲。
見ながらなんとなく既視感のあるセトリ…と思っていたのだが、あとで確認したら前回（1カ月前に見た下北沢SHELTER）のライブと1〜4曲目が曲順も含めてまったく同じだった。ナガタPのSNSによると「古参ファン向けセトリ」というコンセプトだった模様。セトリにもいろいろな組み合わせがあって、たまたま1カ月前と似た回に当たったということのようだ。
もちろん違いもある。SHELTERの時は4曲で終わりだったが、この日はさらに「しずくとカーテン」「透明バルーン」が追加になっていた。これだけ聴けると満足感ある。また「七色のディスティニー」ではメンバーがペンライトを持つ本来の（？）振り付けに。これによりチル感は大幅にアップ。好きだわ〜。あと、この日は正面の近い距離から見ることができたので臨場感も半端なかった。高めのステージのうさみみちゃんをちょっと見上げる角度で見た記憶はあまりなく、けっこうレアな視点が印象に残るライブになったと思う。
衣装もこれまた偶然だろうがSHELTERの時と同じ初期衣装…と思って気がついた。CYCLONEのステージも床面が市松模様ではないか！ SHELTERでは「床と衣装のチェック柄をあわせるなんて芸が細かい」という感想を書いたわけだが、ひょっとしたらこの日も？ いや〜、うさみみの世界、ほんとうに奥が深い。約33分。

終演後は恒例のエンディングトーク。「今日で『うさみみアワー』1周年」という話など。もちろんゲストトークもあり。さくまるさんは井出ちよのさんが静岡の某イベントで見て、すぐにナガタPに「ブッキングすべし」と電話してこの日の出演が決まったそう。また、idripの2周年ライブにはうさみみのゲスト出演も決まっている。着々とお友達が増えていてすばらしい！ 約9分。

これまでの「うさみみアワー」のゲストはバンドやロック系アイドルが中心。かわいい系に振り切ったのはこの日がはじめてとのことだったけど、これはこれで楽しいね。あとCYCLONEでの開催も個人的にはとてもよかったと思う。やはりアイドルはある程度ステージの高さのある会場で見たい。

開演11時35分→終演13時20分。

2024/08/20　ニコニコ♡LOVERS、ニコニコ♡PRINCESS、ニコニコ♡SPIRIT、ニコニコ♡CREAM、小鳥遊める　新宿 FACE

ニコグルのアイドル全組出演のイベント「ニコニコライブ」。新グループ「ニコニコ♡CREAM（ニコくり）」のデビューステージも。会場のFACEは歌舞伎町シネシティ広場に面したビルの7階。プロレス興行などでよく使われる広いホールだが、ちゃんとしたステージやPAも完備していて普通のライブにも対応している。フロアは椅子あり。Aチケットで全体の4列目センター。通路に面した席で見やすかったね。

この日は全組新曲のお披露目あり。タイトルはすべて公式動画参照（*印付き＝新曲）。

○「小鳥遊める」　トップバッターは唯一のソロアイドル、めるめる。1人でのステージ。セットリストは、「メタめるフォーゼ☆」「7:77」「天下一恋愛道♡」「最悪最低♡めろめろりん*」「Rising hope」「パンキッシュ・ナンバー」「曖昧MONSTER NIGHT」…の全7曲。
めるめるといえば"電波ソング"のイメージが強いわけだが、この日のセトリは全体的にロックっぽいサウンドが印象に残った。まず新曲。メロディー自体はポップ寄りだが、ダークなサウンドや「ファイ！ファイ！」という煽りなどがけっこうロック。カバー2曲（大森靖子、LiSA）もそんな感じ。最近は積極的に外部の対バンイベントにも出演しているので、外でも戦える曲というとわかりやすいのはやっぱりロック…ということになってくるのだろうか。その流れからのメロディアスな「パンキッシュ・ナンバー」が強力なカタルシスを生んでいた。コスチュームはえんじ色の「曖昧」衣装。約30分。

○「ニコニコ♡CREAM」　メンバー4人でのデビューステージ。セットリストは、「Free×Fresh」「半分魔法少女」「夢見る恋ウサギ」「らぶくりーーーむ*」「純情ぱらどっくす*」…の全5曲。
1カ月ほど前に突如発表された新ユニット「ニコくり」。ニコぷりと兼任の宮澤葵さんをはじめメンバー全員が中国出身の「中華アイドルグループ」である。デビューライブの前半は先輩グループのカバー。久しぶりに聴いた「Free×Fresh」（ニコフル曲）が新鮮。そして後半2曲はこの日が初演のオリジナル。最近あからさまに中華モチーフを使ったナンバーをちょいちょい出してくるニコグルだが、こちらはごく普通のアイドルポップに仕上がっている。パフォーマンスはニコぷりでのキャリアがある宮澤さんが終始リードする形。それ以外のメンバーはこれからに期待だね。MCはすべて日本語。でもネイティブの発音とはちょっと違う。こちらも宮澤さんがメインMCを担っていた。ゆるめのペースで活動していくとのことなので、かつてのにこきゃん的なポジションになるのだろうか。約26分。

○「ニコニコ♡SPIRIT」　メンバー5人でのステージ。セットリストは、「ハッピーニューイヤーおもち」「ときめきキャッチャー」「レモンちゅーハイ」「カメレオキャッツ」「ハイカラ恋情*」「世界共通言語ネコ語計画」「ラ・ブ・きゅん♡」…の全7曲。
新曲「ハイカラ恋情」は和メロがきいたスピード感のあるナンバー。第一印象はすごくよかったね。ラストの「ラ・ブ・きゅん♡」も含めてニコスピのオリジナルは平均点がけっこう高い！ コンセプト的にたくさんある前身グループの曲も押さえていくことになるので、スピオリジナルが急に増えることはなさそうだが、この先がけっこう楽しみになってくるクオリティだと思った。新メンバーのキャラクターも徐々につかめてきたよ。一所懸命さがいい天城うれいさん、余裕があって見てて楽しい崎本りせさん、省エネダンスなのにそれがかわいい羽澄あずささん…とそれぞれの個性もいいね。復刻の水色衣装もみんなお似合いで超爽やかだった。約33分。

○「ニコニコ♡PRINCESS」　メンバー5人でのステージ。セットリストは、「I AM♡PRINCESS」「真昼からシンデレラ」「ギミギミ!」「好げっちゅー!」「あいあいあいどる♡*」「秘めごとハートタイム」「弱気なビット」…の全7曲。
オープニングの2曲こそ「プリンセスコンセプト」の1期曲だったが、3曲目からはとにかく元気でパワフルな2期曲で突っ走ったステージ。後半にいくにしたがってどんどん盛り上がっていく勢いもすごく自然でよかった。新曲もその流れの中にぴたっとハマってたね。MCになるとかぶるのも気にしないでいっせいにしゃべるし、みんな声のトーンが高いからうるさいのなんの！ でも、それがまた女の子のグループらしくて今のニコぷりの個性になっている。現体制になって1年ちょっと。その間、脱退もメンバーチェンジも一切なしできているのはけっこうすごいことではないだろうか。約33分。

○「ニコニコ♡LOVERS」　メンバー6人でのステージ（奏怜花さん休演）。セットリストは、「パンダにジェラシー」「ビビパリ!」「なちゅ♡じぇねれーしょん!」「恋色サマーデイズ」「ヒロインセレナーデ*」「半分魔法少女」「夢見る恋ウサギ」…の全7曲。
ニコラバもオープニングから5曲連続で現体制の3期曲！ ニコラバ2期の曲を聴くと、どうしてもその当時のメンバーたちの姿がフラッシュバックしてしまう往生際の悪いファンとしては、この日みたいな振り切ったセトリは逆にすっきり楽しめてすごくよかった。とりわけすばらしかったのは、2期テイストを感じさせつつ実際は3期曲という佳曲「恋色サマーデイズ」→戦隊ものロックみたいな雰囲気でカッコかわいい新曲「ヒロインセレナーデ」への流れ。ここは間違いなくこの日のハイライト。椅子ありとはいえ、音楽が鳴っている間はずっとスタンディングで足腰も弱ってくる頃だったけど、そんな疲れもきれいに吹き飛ばしてくれた。約30分。

「ニコくり」でインバウンド客を取り込んでいくのか、あるいは台湾や中国本土での公演の目玉にしていくのか。今のところ狙いはよくわからないし、ニコグルなのでノリでやってみた…くらいが本当のところなのかもしれないが、ともかくお披露目公演を見たので古参を名乗る最低限の資格はあるだろう。久々のニコグルライブ、いろいろ楽しかったね。

開演18時25分→終演21時06分。